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栄養学を知ることで未来は変わる。エクソソームを通して見えてくる生命のリレーと新しい世界【エクソソームが世界にもたらす大革命】#5

エクソソームが世界にもたらす大革命」をテーマにしたシリーズ、これまで自然環境の重要性、特に土と水の大切さと、微生物から植物・動物へとつながるエクソソームの大きな流れについて解説してきました。

最終回となる第5回では、世界神話との符号や栄養学を学ぶ意義についてお伝えします。出発点は、水と土が交わるところにあります。

※本記事は、ベジタブルテック(株) 代表取締役 岩崎の動画のリライトしたものです。栄養学の観点からエクソソームについて解説しています。動画はこちら


生命の始まりは「土」と「水」

水が存在することで土壌や微生物が育ち、土と水から泥が形成されます。この泥の中で、さまざまな反応や微生物の繁殖が起こり、水に溶けたエクソソームや栄養成分が植物の根から吸収され、生命力が育まれます。

出発点として「泥が形成される」ということが非常に興味深いです。科学だけでなく神話においても、土と水が泥となってそこから全てが始まり、私たち人間も誕生したと考えられています。

1.旧約聖書

例えば、旧約聖書の創世記には「神は人間を土から作った」と記されています。アダムの誕生に関する描写の箇所です。土であり泥から人間が生まれた点で、本質的にエクソソームと一致しています。

アダムという名前も、ヘブライ語で「土・地面」を意味する「アダーマー(adamah)」に由来するとされています。これもつながりますね。

2.中国神話

中国神話では、男性神である伏義と女性神である女媧が世界を創造し、女媧が「人間を泥から作った」とされています。泥が人間の出発点なのです。

3.シュメール神話

世界最古の文明であるシュメールの神話でも、原初の女神ナンムが息子のエンキと(水と蛇の神。龍の神とも言われる)に命じ、「粘土から人類を生み出した」という描写があります。こちらも泥から人間が誕生しているのです。

4.日本の古事記

古事記では、天地開闢により天と地が分かれ、天之御中主神(アメノミナカヌシ)が生まれます。その後、「泥の中から(~中略~)葦の芽のように」という描写があり、別天津神(コトアマツカミ)が生まれ、イザナギ・イザナミが登場し、現代の神道につながります。日本でも泥が起点とされているんですね。

これらの世界各地の神話は、「土や水、泥から生命が発生する」という共通のテーマを描いています。興味深いですよね。神話と科学、両方の分野で生命誕生のストーリーが共通しているのは、それが本質的なことだからだと思います。

栄養学の視点から見えてくる新たな世界

エクソソームに話を戻しますと、土と水から泥が形成されることで微生物が繁殖し、良好な状態の土壌が生まれます。植物は、土からエクソソームや栄養を吸収し、それが動物にも伝わります。エクソソームの重要性は、その中身、つまり「積荷」にあります。

生物間のコミュニケーションを通じて、積荷が健康状態に直接影響を与えます。もちろん、体質や遺伝的要因、食生活といった環境要因も大切です。これらを含めたすべてが、現在の自分を形成していることは疑いの余地がない所です。

自然のものを食べる大切さ

命あるものが放出するエクソソームは、他の生物との情報交換を可能にし、それが進化と生命力につながっています。逆にエクソソームを含まない食品は、食べても他の生物の情報を得ることができません。いわば閉ざされた空間で一人きりで生きているようなものです。そんな状態が続けば、精神的にも悪影響を及ぼすでしょう。

生命体は、外部から情報を取り入れ、自分をアップデートしていくことができます。微生物も植物も人も、あらゆる生物にとって、子孫が幸せに生きられる良い環境を作ること、子孫繁栄は重要です。だからこそ、自然のものを食べることが古くから大切にされてきたのです。

平安な社会は、土も水も人も健康的

生物にとって、良いエクソソームを受け取ることが健康につながります。それは良い育て方をされた生命たちのリレーです。逆に、悪い環境で育った生命たちのリレーは、悪い影響を及ぼす可能性があります。

我々は今、どちらのリレーの中にいるのでしょうか。

それは地域や家庭によっても異なり、ライフスタイルの違いも影響します。例えば世界には、未だに紛争があり、子どもが教育を受けられず、親が亡くなったり、恐怖に怯えている地域もあります。
現時点では理想論かもしれませんが、栄養学の視点で考えると、紛争のない状態は土地や水にとっても健康的なはずです。そして微生物・植物、人間にとっても間違いなく健康的です。だからこそ「多くの人が良いものを食べられる状態」を作ることができたら、必ず健康的な社会になると思います。
※「良い」とは、すべての生命体が幸せに生きられる環境のことです。

おわりに

全5回に渡り、エクソソームというテーマをお届けしてきました。
食材に含まれる「食事性エクソソーム」が栄養学の大革命を起こします。生産から消費、健康や環境、そして命に至るまで視野が広がり、「生命たちは我々とともに生きている」という世界観をお伝えできたかと思います。


知識には「誰もができるようになる力」がある

これらはすべて、栄養学で見ることで理解が進むと私は考えています。
栄養学には、自然のことから生命の神秘や尊厳・愛情までを理解する力があります。感覚で習得することは人それぞれ感覚が異なるので、みんなが同じようにはできません。
しかし学問を通じて得た知識は再現性があり、誰もが共有できるものです。そして、みんなができるようになる力を持っています。

知識があれば、行動が変わります。

だからこそ、多くの人に栄養学を知ってもらい、今後も「栄養学で見る」力を届けていきたいと考えています。

栄養学を知ることで未来は変わる

体が健康であれば、心も自然と健康になります。
栄養学を知ることで判断基準がより健康的になれば、きっと未来が変わり、人類の発展が光の方向に向かうと私は確信しています。

ぜひこれから食材を選ぶ際には、「これは命あるものか」「どのように育てられたのか」を考えてみて頂けたら嬉しいです。


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