自転車なくして分かった母の優しさ
いつかの年末 朝6時、笑笑での13時間ぶっ通しの休憩なしのバイトが終わり、バイトの先輩たちと飲みに行った。普段の金土バイト明けは、基本的に飲みに行ってたんだけど、今思い出すと13時間休憩なしのバイト後にケロッと飲みに行っていたのはやばいし、若い。けど当時はお金欲しさに必死に働いていたし、そこまで苦ではなかった気がする笑
飲み会も終わり、時間は朝9時。そろそろ帰るか〜とお開きになり、意気揚々と帰路へ。良い気分だったこともあり、バイト先から自転車を押して帰ることにした。冬の匂いと日差しが気持ちよかったのを今でも覚えている。
「さむい、さむい、さむい・・・!」
と言いながら目が覚めたのはバイト先から数分のところにある神社のトイレだった。
いま思うと神社のトイレってなんだよって話だけど、たぶんどうにかお願いして入ったんだと思う。
トイレから出ると、神主?さんと思われる人と警察がいた。
僕「え?(めちゃ焦る。) 」
警察「お兄さん、大丈夫?」
僕「だ、だ、大丈夫です!!!」
何も悪いことしていないけど、そこを急いで立ち去る。警察がいたので自転車は押しながら、あくまで飲酒運転にならないように配慮する丁寧さ。
急いで立ち去った。ヒヤリハット事例。
これだけではなかった。
ハッ!!と目覚めたのはバイト先から5分、さきほどの神社からは7〜8分のところにあるバス停のベンチだった。自転車を横に置き、ぐっすり寝ていた。時間は11時、ハッとなったのはオカンからの電話だった。
母「あんた何してるの?サッカー始まるよ。」
そう、この日は天皇杯がテレビで放送されるのでそのことを知らせる電話だった。帰ってこないことに心配していたのではなく、サッカー見なくていいの?という心配だった。
時間は経つのに移動距離はわずか。ここまでくると酔いも冷めていて半ば自分に呆れていた。悲しい。
まだまだ続く…。
自転車がなくなった!と気づいたのは、朝11時見知らぬスーパーだった。しかも失くしたのはその日に限って借りていたオカンのちょっと良いチャリ。やってもうた〜とおもいつつ、そんなことは置いといて早く帰りたいという想い。
僕「もういいわ!!!」
何をおもったのかわからなかったけど、そんな独り言を言って、チャリを探さず家へ歩き始めていた。スーパーの位置を検索してみると割と家から近かった。と言ってもあるいて20分くらいの場所だった。
母校(高校)がある大通りだったのでなんとなく自分がいる位置はわかっていた。ここをまっすぐいけば母校がある。途中で右に一回曲がれば家につく!という安心感。やっと家に帰れる!!
気がついたらのは母校にいた。
さすがに呆れた。なんでここまでアホなんだろうって。しかも今回は歩いてただけで寝てないのに。右に曲がるだけなのに忘れていたようだ。悲しい。
なんでここまで家に帰れないのだろうか。
またオカンから電話があった。
母「マリノス先制!!!終わっちゃうよ試合!!!」
息子が自分の自転車をなくして、放浪しているというのに陽気だった。
そしてようやく、曲がれば家というところまできた。
ここまでくるとサッカーも終わりに近づいていたのでオカンからも連絡がなかった。
そして僕が無事に家に着いたのは午後15時過ぎ。
母「遅くまでお疲れ様、マリノス勝ったよ!」
オカンはウキウキしてたけど僕は何も言わず寝た。
次の日もバイトだったんだけど、自転車と一緒にバイト着もなくしたので、店長に怒られた。笑 自転車をなくされたオカンからは怒られなかった。笑
総じてオカンが良いやつだと思った一日だった。
そんなオカンとは今になってもサッカースタジアムであういい仲だし、好きなチーム(ベガルタ仙台)の話で盛り上げれるサッカー仲間でもある。さんキューーー!いつか自転車買ってあげます。きっと。
酔って自転車とバイトの制服はなくしたけど、良い母親をもったとおもえた一日でした。
いつもありがとーう、これからもサッカー見に行こ。