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プリミティヴ・ロックというジャンルを作りたい

凄い勢いで友達が減った。


別に嘆きたいわけじゃない。
自分から遊びに誘う、連絡を取る、
という類の人付き合いを積極的に行わない人なので
当然の報いだろう。

基本的に僕のスタンスは昔からずっと変わらないし、年齢が交友関係を繋ぎ止める手助けをしなくなった
だけだ。みんな各々の人生で忙しくなってるから、
隙間時間にこんな不届き者の友人に連絡をくれるのは
聖人か変態のどちらかだ

結果、本を読む時間ができた

それも、多くはロック関連書籍。
一般的にロックなんてもんは、決して意識の高そうなアカデミックな内容とは言えないが、
勉強の遅れを取り戻すが如くこれらをよく読むようになった。


その一部である。


ちなみに今日は1行も読めていない。
というか何一つできていない。
何もする気力が湧かない日というのが月に数回は
誰にでもある
……かどうかはわからないけど僕にはある。
休日を丸一日無駄にしてしまった罪を贖うように、
こうやって深夜noteに文章をしたためているわけだ
(執筆時間深夜2時)

読み漁る、読み耽る、と言えるほどの読書量でもないのだが、少なくとも一般人と比較するとよく読んで
いる部類だろう。
要は中途半端な知識量なので、これから語る内容は
あくまでも僕の所感で、感想文の域を出ない代物だ
何もやる気が起きない日の時間潰しである。

それでも
ロック全般の歴史が断片的に垣間見え、複数の知識が紐付けられる事で少し体系的に捉えることができた
ような気がする(?)ので
自らの気付きとしてまとめておきたい。
(最後に醜めな自己主張含む)

どうやらロックの歴史というのはサブジャンルの
枝分かれによって発展したようだ。
そのサブジャンルが生まれる契機となるのは、
「ひねくれ」の連鎖。
つまり、主流となっている文化に対して、
受け入れ難い気持ちや反発心である。

厨二病なんて言葉がそろそろ死語になりつつあるが、あの
「自分は他とは違うんだ!」
的感覚をもっとドロドロにまで煮込んだ状態を
想像して欲しい。

劣等感、嫉みのような下卑た具材も混ぜ合わされて
出来た、思春期とかに身に覚えのあるアレの連鎖が
連綿と続くロックの歴史を下支えした、
夥しいサブジャンルを生み出す推進力となったと
言っても過言ではないはずだ

この「ひねくれ」というのはあくまでも僕の解釈
であり勝手なワードチョイスだ。
カウンターカルチャー(対抗文化)という便利な言葉でどうやら片付く説明のようだが、
サブカル系などと呼ばれる文明が一時代を築き上げ、皮肉にもメインカルチャーに合流しつつある複雑な
状況下においては
「ひねくれ」という表現の方が個人的にしっくりくるのだ。。。
そういえば僕の大好きなヴィレヴァンの今後の経営が心配だ

シーンの中心から外れてしまったような
ひねくれた思念・スタイルがまた新しい潮流となって
次のシーンが生まれる一連のパターンが形成されて
いった。ザックリまとめると

「なんか俺この空気感、
しっくりこねぇんだけど、、、」
的疎外感だ
どうしても迎合したくないという強い根源的信念だ

例えば、かのカートコバーン。
誰よりも「ひねくれ」が似合う男だ。
当時のシーンに蔓延る
技巧派のギターソロやハイトーンボイスに見られる
ような様式美的ヘアメタル・産業ロックを、
ゴリゴリなマチズモを、
誰もが弾けるパワーコード、歌メロをなぞるだけの
ギターソロをもって、
自らの「ひねくれ」によって否定してグランジシーンが生まれたし、

そのグランジシーンに蔓延った厭世的、自己嫌悪的
な陰鬱ムードを
「永遠に生きるんだ(live forever)」
と歌いながら
ひたすら前を向く陽性のバイブスをもって真っ向から
否定したオアシスの、
次なる「ひねくれ」によってブリットポップが栄えた

ラップメタル、ミクスチャーといった、複雑化した
音圧至上主義的ヘヴィネスが台頭したシーンの中で
シンプルかつ陽気でスタイリッシュなガレージロックを鳴らしたストロークスも、
そのスカスカな音はひねくれの表れだったに違いない。
結果ガレージロックリバイバルが生まれた


もっと細かな視点だと、ルックスやファッションの
イメージにも「ひねくれ」が発動している。
僕が共感を覚える例は、

ジョイディヴィジョンのイアンカーティス

ロックスターというよりは 陰鬱な文学青年、といった趣



ウィーザーのブルーアルバム

なんだこの溢れ出る親近感は


ピクシーズのブラックフランシス
(フランクブラック)

デブハゲだ。


彼らは皆、ロックのイメージとして醸造されてきた、煌びやかな衣装を身に纏い 
当然ながらイカしたルックスと
sex,drug,rock'n roll然とした破天荒な振る舞いで
巷を騒がせるド派手なスター像を否定した


そういう意味ではなかなかひねくれた見た目をした
人達だろう。
ルッキズム???俺は今ルッキズムを否定した
ひねくれ人たちを紹介してんだよ!!

イアンカーティスのライブでのパフォーマンス見た事あります??

こんな絵に描いたような
華奢な文学青年がロックやってるだけで強いのに
誰も踊ったことのないような、
彼だけのダンスを踊ってるんですよ、、、
3104丁目のDANCE HALL

この人のパフォーマンスは
「ステージの上では、かくあるべし」な張り詰めた
空気をぶち破ってくれるパワーがあり
(ひねくれ、だねぇ)
甲本ヒロトと共に、僕に大きな勇気を与えてくれた
フロントマンだ。
ステージパフォーマンスどころか、人生にも通じる
かもしれないメッセージだ、と勝手にこっちが
受け取っている。

ウィーザーの1stアルバムは、ジャケ写がもう全てを物語ってますよね。どう見ても元祖チー牛だ。
(チー牛である僕がネタとして当ワードを
使う分には問題無い。自分に跳ね返ってくるから。
近頃Xなどでは主にミサンドリー成分強めの方々が
差別用語として使っている悪質なポストが多く
見受けられ、そういうのは甚だ不快だ)

典型的弱者が轟音ギターでロックかき鳴らしても
良いんだ!なんていう空気を作り上げた点では
大き過ぎる功績だし、
当時の状況を考えると、こんな見た目でとてもロックなんて出来なかっただろうし、
相当の「ひねくれ」がないとステージには
上がれなかった人達だと思う、、

ピクシーズのブラックフランシスなんて、
見た目は最早ただのデ(ry ←ルッキズム警察
しかしこんなオッサンがこれまた轟音ギターを
かき鳴らしてキモい歌詞を叫び散らす様の、
なんとカッコいい事。。。
僕はそこに「ひねくれ」を見る

選ばれし見た目をしてないと、音楽
出来ないってことか??そんな音楽しか、鳴らしちゃいけねーのか???
しっくりこねえよ
そんなもんはクソ喰らえ!!fu○k!!!

上に挙げた彼らからは、そんなひねくれた叫びが
聞こえてくる。僕みたいな冴えない見た目の
冴えない人生を送った奴が音楽できてるのも、
偉大なる先人たちが作り上げてくれた土壌があるからこそだ。

これらはあくまでも歴史のほんの一部に過ぎず、
特に僕の好きな場面をピックアップしたに過ぎない。実際には他にも大きな転換点が幾つもあっただろう。ブリティッシュインヴェイジョンやサマーオブラブ、
パンクロックなど、取り上げるべきムーブメントは
枚挙にいとまがない。
(むしろなんでそっちを先に取り上げなかったのか。
あほなのか?。)
重要なのはそのバトンが、今日に至るまで続いているという点だ

そもそもロックのルーツであるブルースというのは
奴隷貿易が盛んだった時代の黒人霊歌・労働歌から
発展したものであり(諸説あり)、   
彼らが元来持っていた独自の音楽や伝統文化の多くは当時全て体制側によって禁じられ淘汰されてしまった為
ゼロから作り出す必要があったという背景がある
ブルースの元になった黒人霊歌・労働歌も
この時代の産物だ。

流石にこれを、
時代的にも文化的にも隔絶された、
平穏な環境下・価値観で生まれ育った若輩者が
「ひねくれ」と断じてしまうには倫理的な厳しさも
抵抗もあるが
偉大なる歴史において生み出されたサブジャンルたちに通底する空気がここにはあったのだ

ひねくれの連鎖だ

そんなひねくれ者たちのバトンを、僕も受け取ってみたい。
構想は以前からあった。
プリミティヴ・ロックという呼称である
昨今(少なくとも邦ロックシーンで)主流なのは
オルタナティヴ・ロックだ。
本来は「もう一つの、替わりとなる」といった
意味なので、ニュアンス的には僕の構想自体がある種
オルタナティヴであって然るべきなのだが。

先ほどのサブカル論と同じく、何周もまわって
最早オルタナティヴな存在が中心となってしまった
ややこしき実態がある。
オルタナティヴロックと呼ばれる存在がある程度の
イメージ像を持ち、何かしらの特徴を備えた輪郭を
持ち始めた。
(具体例を挙げるのは敵を作りそうなので嫌だ。)
僕はそこにひねくれたい。


オルタナティヴに対するオルタナティヴ、、、
(ゲシュタルト崩壊を狙っているわけではない)
プリミティヴな(原始的な)ロックの復権を叫びたい。
しかしながら、こんな長々と書いておきながら
一つ大きな問題がある、、
僕に求心力が皆無な事である

仮にどれだけ頑張って、
音楽が売れて知名度を手に入れたとしても
致命的なほど人間としての求心力がない以上、
誰かに託すしか無いのだ。

人間的魅力は、生まれ持った才能の一種なので
この点は創作だけでは抗えないんです。。。
選ばれし者こそが、、、、
ん?何ですか??
先程の話と矛盾してる?
あっ、それ禁止でお願いします

僕がずっと標榜している(でも誰の話題にもならない)
荒削りで泥臭く、
それでいてシンプルな普遍性を持ったポップネス
初心に帰ろう、という原初的ロックンロールが
プリミティヴロックに他ならぬ、、、

これを見た者よ、、、どうかプリミティヴ・ロックの旗手を担ってくれ給え。
そしてその呼称を拡げ給え。。。
新たなシーンを作り給え。。。
そしてそれらが栄え、サブジャンルとして成熟した
あかつきには、
僕の名をプリミティヴ・ロックのwikipediaにでも
刻み給え、、、、、

他力本願な開祖 すぎもとより

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