ADPTR AUDIO SCULPTを使おう 歌ってみたにもいいぞ
こんにちは。音楽歴・打ち込み歴30年のぼいどすです。今回はADPTR AUDIO SCULPTを紹介したいと思います。
これは何者だ?
アップワード(Upward)コンプレッサ、あんまり見かけませんね。ざっくり言うと小さい音ほど大きくするコンプレッサーですが、あとで触れておきます。また、上記をみていくと、順次に処理してるようで、チャンネルストリップのようでもあります。
SCULPT、以前はバスやマスターに使うプロセッサだと思っていましたが、チャンネルストリップと捉えると、これほど便利なものは無いと思い始めています。このプラグインの構成をみていきましょう。
おおまかに構成を見る
ダイナミクスを形作るアップワードコンプレッサ、ダウンワードコンプレッサ、TONEはEQと見て差し支えないです、最後にトランジェント。
ダイナミクスとEQがセットですから、これはチャンネルストリップですね。となれば難しいものではなさそうな印象になりませんか?
アップワード(COMP UP)をいじると、詳細なパラメータが出てきました。モジュールを操作すると自動的に項目が立ち上がります。スレッショルド、レート、ニーなどコンプレッサーでおなじみのパラメーターが並びますが、BOUNDという見慣れないパラメータもあります。が、最初から無理に全部覚えずとも、美味しいところだけから使っていってもいいのではないでしょうか。SSLやAPI、Focusriteのチャンネルストリップを使うときも全部使うとは限りませんし(よね?)。
アップワードコンプレッサ
小さい音ほど大きくするのですが、結果的には通常のコンプレッサーのスレッショルドをかなり深くしてMakeupを上げるような処理か、パラレルコンプに近いものとも考えられます。じゃあそれでいいじゃんと思いそうですが、専用機ゆえ手早く効果を得られます。通常のコンプレッサと違い、いかにもコンプ掛けました感が無いのが特徴です。なので、通常のコンプレッサに比較して自然にダイナミクスを狭められる結果を期待できます。ですがデメリットもあり、小さい音ほど大きくなるのでフロアノイズが大きくなる・SN比が悪くなるとか、トランジェントに少なからず影響を与えるなどの問題もあります。
で、この処理は、私の場合は歌やアコースティックピアノの音色にかけることが多いです。もちろんボーカルにも最適だと思っています。
ダウンワードコンプレッサ
通常のコンプレッサですので詳しい説明は省きます。ただ、コンプレッサといえばアナログモデリングにあるような、独特の歪を追加したりなどはしません。コンプ感も他に比べれば比較的感じにくい。
無料で使えるアップワードコンプレッサ
KiloheartsのEssentialsという無料のエフェクトバンドルの中に、Dynamicsというものがあり、ダウンワード、アップワード、エキスパンダーどれにでもなれるものがあります。また、MeldaのMCompressorもダウンワード、アップワードどちらにでもなれます。まずは試してみたいという方はこちらから入るのも手でしょうし、Kiloheartsのはサッと取り出したいときに使っています。
EQ(TONE)
EQではありますが、ティルト(傾き)EQという少しめずらしいEQです。トラック単体ではあまり使わないですね。バスやマスターで威力を発揮しそうです。が、私はMIXに入る段階でフラットに作れる特技を持っている(ドヤァ)ので、使う機会がほぼ無いですが、効果的に使いたい意欲はあります。
トランジェント
アップワード・ダウンワードで影響を受けたトランジェントを補正する目的があると思うのですが、マニュアルによるともっといろいろな効果も狙えるようです。
実際にはこう使ってます
アップワード(画面上部波形のオレンジ色)はこんな感じ。ダウンワードコンプは1:3とややゆるめ、TONEとトランジェントは使わず。この後マルチバンドで整え、ディエッサーという処理をしています。
マニュアルには他にも有用そうな使い方が
まだそこまで使いきれてないですが、マニュアルにはユニティゲインを保ちながらプリセットを切り替えられる機能があるようです。エフェクトのプリセットについて、あらゆる状況に対応するためにそう出来るように作ったとか。いつかそこまで到達してみたい。
最後に
アップワードコンプレッサはなかなか日本語情報が少なく(ひょっとして今風の日本のサウンドと相性悪い??)、このnoteを書くに至りました。最後までお読みいただきありがとうございます。ボリューム控えめでしたが、わざわざこのnote見てくださる方はとりあえず試して貰えると信じています。
また、私のチャンネルでは最近ではSculptの出番はほぼ毎回です。参考までにどうぞ。
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