ぶっこいて、塞翁が馬
マンコロジーナ「あなた、こんばん、どう」
チンコスタ「いやぁ、天秤棒で腰をしたたか打っちまってな」
※以下、マンコ、チンコと略します。
マンコ「もう、役立たず」
チンコ「けっ、このサカリのついた売女(ばいた)め」
マンコ「言ったわね、この茹で過ぎパスタ野郎」
ねえねえ、なおぼん、この「茹で過ぎパスタ野郎」っていうのは、どんな男の人を言うの?
そうね、讃岐のうどんじゃなくて、大阪のうどんみたいな。
体が?性格が?
何言ってんのよ、話の流れからしたら、チンポのことじゃないのさ。
いやらしー。なおぼんったらぁ。
ばしっと背中を張られた。
痛いな!なにすんね。
このように、うまく話が伝わらないことがよくある今日このごろですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
『馬糞を見ない日はない』の脚本の一部をご紹介しました。
この作品は中世ローマの市井(しせい)を、いきいきと切り取った、カプロツィーニの傑作です。
イタリア文学者の洞内健児(ほらうちけんじ)の訳で、日本でも戦前から愛読され、上演も多数されました。
木蔦ため子主演のものが有名かしらね。
木蔦(きづた)さんは、劇団「イシュメール」の発起人でもありました。
ところで、最近、あたしは木喰(もくじき)の木彫像を手に入れたんですよ。
双龍物産の社長さんがね、あたしに「数体あるから、気に入ったのをどうぞ」って勧めるもんだから、もらっちゃったのよ。
汚ったない仏像でね、虫喰ってるし、木喰だから当たり前かって笑ってたんだけど、本物だったら、すごい値打ちものらしいわ。
社長さん、若いころ墓穴を掘る仕事をなさっててね、ある日、ほんとに墓穴を掘って、町にいられなくなったんだって。
石もて追われるように、故郷を去って、木喰仏に出会ったの。
そうして心を入れ替えて、今があるって、涙ぐんで話してくださったのよ。
「人生、塞翁が馬」とは、社長さんの言葉だったわ。
双龍物産って、しかし、何をやってる会社なのかしらね。
いまだもって、あたしにはわからない。
アラブに浄水器を売り込んだりね、インド綿のシャツを大量に輸入して、墨流し柄に染めて売ったり(あたしももらったけど、体が痒くって)、いろいろなさってんのよ。
奥さんが二人いらっしゃるのが、ふつうじゃないわね。
二号とかじゃなくって、どちらも本妻なのよ。
日本人と、リトアニア人なんだって。
日本人の貞子さんは、あたしも何度か会ったことあるけど、リトアニア人の奥さんのほうは、日本にいらっしゃらないんだって。
重婚じゃん。
犯罪だよ。
今も「墓穴を掘ってらっしゃる」んだって、あたし、笑ってたけど。
こんな馬鹿話につきあってくれてありがと。こうちゃんはやさしいなぁ。
なおぼんの話はどこまでほんとなのかわからないのがおもしろいんだ。
みんなほんとよぅ。
クンニしてあげるよ。
あら、してくれるの?じゃあ。
こうちゃんの長い舌が、あたしの「いいところ」を順々に攻めていく。
あひ…
殷富門(いんぷもん)院大輔(「だいすけ」じゃなく「たいふ」)で笑った少女の頃。
百人一首で「陰部門院大輔」と思ってた。
「みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず」
有名ですね。
「みせてみよ おのれのおめこ いじるにも ぬれにぞぬれし かわくまもなし」と変えて、いやらしくして覚えてたから、ついそう詠んでしまう。
「みせてごらん おまえのおまんこをさわるにも (あそこ)が濡れて乾く間もないことであるよ」と現代語訳までつけてね。
いやあ「殷富門院さまぁ」すごいや。
※文中の書籍名や人名には、一部創作が混じっています(なおこ)
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