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ベタ(闘魚)

熱帯魚屋さんにいくと狭いコップのような水槽に一匹の魚が入っているものが売られている。

かなり窮屈な様子だが、この魚はちゃんと生きている。

どうやらそのまま家で鑑賞するらしい。

この魚は「ベタ」とか「闘魚(とうぎょ)」と言われるスズキ目(キノボリウオ亜目)の熱帯魚で、同種のベタを一つの水槽で飼うと喧嘩して、片方が瀕死になるそうな。

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(写真はWikipediaより拝借)
とはいえ、こんな狭い水槽でなぜ大丈夫なのだろうか?

熱帯魚に詳しいお店の人に尋ねると、キノボリウオの仲間は空気中から酸素を得るような鰓蓋(えらぶた)構造を持っているのだそうだ。
キノボリウオはご存知の通り、水中から出て木の上でも平気な魚だ。
ベタもその仕組みを持っていて、「ラビリンス(迷宮)器官」という変わった鰓蓋を持っている。
鰓蓋表面に迷路のような空気の通る道が細かく走っていて、表面積を稼いで効率よく空気中から酸素を得るのだろうか?

水の溶存酸素が低い場合、ベタ類は水面から顔を出して空気を吸うのだという。
だから狭いコップのような容器でベタを飼うことができるんだね。

ひと昔、「キッシンググラーミー(グラミー)」とかいう肌色の熱帯魚が盛んに飼われた。
あたしが子供のころに通っていた美容院(散髪屋だったかな?)の大きな水槽に彼らはいた。
お互い出会うと向かい合って口を合わせてキスをするんだよ。
口がそもそも「キスマーク」状態なんだわ。

「グラーミー」もスズキ目(キノボリウオ亜目)だそうで、やはり鰓蓋にラビリンス器官を持つそうだ。
この「キス行動」は、実はオス同士のなわばり争いであり、「親愛のキス」ではないらしい。
しまいに喧嘩になり、相手を追い回すことになる。
ベタもそうだが、この仲間はオスのなわばり争いが激しいために、隔離して買うことが勧められる。
そうすると「キス行動」が見られなくなって、おもしろくもなんともないから、今じゃ誰も飼わなくなったというお話。

ベタは、でも、独特の美しい鰭(ひれ)が見もので、根強くインテリアとして飼われているようだ。
ベタが「闘魚」と呼ばれるのは、その激しい「なわばり習性」を利用して戦わせる遊びから来ています。
コップ飼育でも二種類のベタをコップ越しに向かい合わせると「フレアリング」という鰭を拡げて威嚇しあう姿が見られます。
これは鏡を置いてやっても同じように、自分の姿を敵とみなして威嚇するのでそういう楽しみ方もあるようです。

飼ってみようか?
うちにはネコがおるしなぁ…(この記事は、あたしのブログで2017年に書いたものの再掲で、今はネコは死にました)

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