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wawabubu
2021年9月10日 23:26
風呂に湯が溜まるあいだ、ソファで口を吸い合った。間近で見ると真由美も五十を超え、目じりに小じわができていた。おれに会うために薄く慣れない化粧をしている。自分も髪が薄くなりかけ、気になりだしていたから、お互い様だ。それでも真由美は結婚していない分、歳より若く見えた。全体に地味なのはあの頃と変わらない。男物のようなワークシャツの裾を出したまま、ひざ下までのデニムのスカート…こういう恰好が昔
2021年9月10日 23:23
土曜日の朝、家内を施設に送り届けたおれはそのまま車を駅前に向け、走らせた。カーステレオにはiPodをつなぎ、お気に入りのビートルズナンバーを仕込んだ。真由美とは駅前のセブンイレブンで待ち合わせることにしていた。おれは、ガラになくときめいていた…それほど、日々の暮らしに閉塞していたのだ。一度は袖にした真由美が会ってくれる…背徳感を感じながらも、期待に胸が膨らむ思いだった。まだ十時にな
2021年9月10日 21:14
会社の帰りに駅前のスーパーに寄った。晩酌用の缶ビールでも買おうと思って、生鮮食品の前を通り過ぎたとき、見覚えのある顔に視線が釘付けになった。女の方も、おれの顔を見て驚いた表情になった。「真由美…」小さくおれは呼びかけたが、彼女は踵(きびす)を返して立ち去ろうとした。おれは、衝動的に彼女を追いかけ…といっても三歩ほど近づいてその肩に触れた。「待ってくれ」「やめて…」「少し、話さないか