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スタンダード発振系Malekko Ekko 616 MK2 Analog Delayレビュー
Malekko Ekko 616 Analog Delayはご存知でしょうか。
言ってしまえば、MXRのCarbon Copyと同じような使いやすくスタンダードなアナログディレイですが、実は内にとてつもない変態性を秘めたエフェクターでもあります。
簡単にいうと、残響音が太いアナログディレイだがかなり簡単に発振する、そんなエフェクターです。
ディレイとしての素性
まず、Time、Mix、Regen(フィードバック)、モジュレーションのon/offスイッチ、Speed、Depth、バッファードバイパス/トゥルーバイパスの切り替えスイッチの計5つまみ2スイッチです。
ディレイタイムは6~650msでそこそこ長めに設定できます。
この返ってくる音のアナログらしい劣化が強めな印象で、なんともlofiな印象もありつつ太い音。
そのため、返ってきた音と弾いた音がぶつかりあって不快な和音になってしまうことも少ない印象です。
Mixは最小でドライ音のみ、最大でドライ音の2倍程度に。
つまり、いわゆるキルドライ=エフェクト音のみにはできません。
また、モジュレーションはもちろん返ってくる音にのみかかるエフェクトで、さわやかなコーラスサウンドからエグめのビブラートまで可能です。
(下の試奏動画では、ピッチモジュレーションって言ってますね。)
また、バッファーは結構優秀で、キラっとする部分をきっちり残せる印象です。
シンプルなボードの最後段に置いて、アウトプットバッファーとしても使えます。
ここまではきちんとした仕事をする太いアナログディレイとしてかなり優秀なもの、という印象ですが……。
Ekko 616が抱える変態性
Regen(フィードバック)は12時以降、おおむね発振します。
入力音の大きさにもよると思いますが、私の手持ちで最も出力の低いグレッチでも、12時以降は発振しました。
ただ、発振させても耳障りな高音が残ったりせず、太いノイズになっていきます。
Ekko 616を購入する際、MXRのCarbonコピーと弾き比べたのですが、この発振音が太い点がこちらを選んだポイントになりました。
さらに、その発振音にエグいモジュレーションをかけるともう空間がグワングワンして最高です。
使い道の多いディレイ
Regen(フィードバック)が12時以降は発振するということは、普通のディレイとして使える範囲が半分しかないということ。
それに目をつむれば、
ショートディレイにモジュレーションをかけてうっすらとしたコーラス・ビブラートサウンドにするもよし、
ロングディレイを使って太いリフにしてもよし、
いや発振させてドローンミュージックを奏でてもよし、
使いどころの多いディレイだと思います。
私自身、設定を固定することなくいろんな遊び方をしています。
注意点
まず恐らく、終売します。
公式サイトのプロダクトページには、Ekko 616 Mk2 FE(ファイナルエディション)しかなく、200オーダーのみ受付中とあります。
かなり購入のハードルは上がってしまっています。
また、オンにすると位相が反転します。
バッファードバイパスでもトゥルーバイパスでもオンにすると反転します。
ドライ音も返ってくる音も反転しています。
気にする人は気にするポイントですね。
っていうか、最近めちゃくちゃ気にするのはやってますよね。
私はギターを弾いてる限りそんなに気にすることないと思っていますが……。
もちろん、クリーントーンのバッキングの上で、Mixを0=ドライ音のみで位相を反転させた音でソロをとれば気になる人はいると思います。
そんな使い方をする人はいないでしょうから……。
キックとベースとかだと気にしたほうが良い場合は多いんですけどね。
終わりに
2点ほど注意すべき点があるとはいえ、「スタンダード発振系」ということは理解していただけたかと思います。
まぁ要するに、ディレイとしてはスタンダードで太い音で素性の良いものだけど、発振しやすいという感じですね。
気になる方は早めにチェックしてみてください。
最後に、試奏動画を貼っておきます。
40秒あたりから発振します。