深淵は揺れている。Old Blood Noise Endeavors Visitorレビュー
やってしまいました。
Dark Star Pad Reverb、Alpha Haunt Huzzに続く3台目のOBNEです。
まぁ、Dark StarもAlpha Hauntも最高だったので……。
つい……。
しかも、並列に揺れものがかけられるのですが、
片方はトレモロ・コーラス・フェイザー、
もう一方はトレモロ・コーラス、
がかけられるので実質二台分です。
しかし、それだけで終わらないのがOBNE。
そのあたりも含めて、しっかりとレビューしたいと思います。
これで、歪み、ワウ、ディレイ、リバーブ、揺れもの、と持ってるのでエフェクターの購入は鈍化してくれる、はず(願望)。
ひとまず、試奏動画を貼っておきますね。
2つ目はいつものDan Explains It All。
Danが全部説明してくれます。
が、最近のヤツ(BL-44)以降の説明以外は英語のテキスト自動翻訳なので、かなり日本語が怪しいです。
最ベース(BASS VI(IbanezのSRC6MS))で使ってみた動画も貼っておきます。
冒頭のリフで使っていますが、アンニュイでよく聞くと複雑な揺れ感が伝わるかと思います。
まずはサウンドインプレッション
とりあえず、これまで私がレビューしてきたOBNE製品同様、OBNEが思う最高にクリエイティブでカッコイイ音しか出ません。
それでもなお、
トレモロ、
コーラスからフェイザー、
それを並列に加える複雑な揺れ、
挙句の果てにはモジュレーションディレイ
としても働くので多彩です。
世の中、変態系のペダルはいろいろとありますが、変態性をきっちり維持しつつここまで多彩な音が出せるのはOBNE以外にないと思いますね。
揺れものとしての素性
さて、先ほども申し上げましたが、2つの揺れものが入っているVisitorですが、やはり一癖も二癖もあります。
以下、つまみ等について說明してみたいと思います。
ひとまず、最もわかりやすいMixのつまみは、全体のエフェクト音と原音とを混ぜられます。
左に回し切って原音のみ、右に回し切ってエフェクト音のみ。
ちなみに、Mixのつまみを最大にすると、コーラスやフェイザーはピッチ・ビブラートのようになります。
そしてPrimary、メインとなる方
こちらは
トレモロ
コーラス
フェイザー
の3つのモード切替があります。
コントロールは主に2つ。
Depthで揺れの深さを、
Rateで揺れの速さを、
コントロールできます。
Depthを左に回し切っておけば、ほぼPrimaryはない状態にできます。
が、後述するようにエフェクトの回路を音が通って、その音がまた一定程度エフェクトの回路にフィードバックしている関係上、まったくのゼロとはいきません。
ビミョーに音が変わります。
トレモロのモードの際だけ(※1)、Depthでトレモロの形が変わります。
左に回せばサイン波、緩やかなでレトロなトレモロ
右に回せば矩形波、キツくサイケなトレモロ
になります。
次にSecondary、サブになる方
こちらは
トレモロ
コーラス
の2つのモードがあります。
コントロールは
Secondary
のつまみのみです。
右に回すと
①揺れた音が追加されていき、
②速く揺れるようになり(PrimaryのRateの影響を受けて変化します)、
③深く揺れるようになり、
と変化していきます。
さらに最後に
④12時を超えたあたりから、Primaryの信号に対して遅れて(Delay)Secondaryの音がするようになります。
ちなみに、こちらは左に回し切るとSecondaryの音は全くしなくなります。
最大の懸案事項Regen
さて、最大の懸案事項Regenです。
どうやらDan Explains It Allや説明書によれば、Primary、Secondaryの両方をまとめたうえで、またエフェクトの回路にフィードバックさせているようです。
そして、そのフィートバックの量を決めるのがRegenとなります。
ただし、Secondaryのつまみが12時までの場合はSecondaryの音の遅れ=Delayがほとんどないため、あんまり音は変化しません。
まったく変化しないわけではありませんが。
しかしSecondaryが12時以降、つまりSecandaryにディレイがかかっている場合には、RegenはSecondaryのDelayのフィードバックをコントロールするつまみとしても作用します。
すなわち、うまく設定すればショートディレイとしても使えるわけですよ。
一台三役。
さっき二台分といったな。
あれはウソだ。
ただしもちろん、ショートディレイとして使おうとしても、ぐわんぐわん揺れるわけですが……。
は?どういうこと?
となっている方も少なくないと思いますが、仕方がないです。
私も買うまでは全く理解できていませんでした。
ま、要はすべてのつまみにおいて、右に回せば回すほどサイケデリックでぐわんぐわんした音になってく、って思っていればOKです。
あとは、そのぐわんぐわんをどこまでプラスするかでMixのつまみをいじれば無問題。
このMixのつまみを下げればドギツくサイケな音でも、その変態性を内包したまま使えるサウンドに持っていくことができます。
Regen?
右に回せばヘンだけどカッコイイ音になりますよ。
この認識でもきちんとカッケー音が作れるようになっているのがOBNEのすごいところなんだよな。
あ、ちなみにすべて右に回し切ると、ボボボボボボボ、ってもう何弾いてんだか何だかアレな地獄みたいな音がします。
そほかの特徴
まず、エクスプレッションペダル用の端子があり、それを使うことでSecondaryを操作できます。
要するに、Primaryで基礎的な揺れを設定しておいた上で(Depthが0でほぼ揺れない)、Secondaryを足で操作、ソロ終わりは超サイケに!
みたいなことができそうです。
自分はエクスプレッションペダル持ってないので、何が使えるかどうかとかは知りません。
現在の輸入元、Umbrella Companyに聞いてください。
それに加えて、中にボリュームの可変抵抗が入っているそうです。
基本的にはユニティゲイン、オンとオフで音量は変わらないようになっていますが、DAN曰く環境によって多少の大小があるそうです。
その補正のためにある感じですね。
が、Micro Korg XL+やギター、BASS VIで試している分には問題なく、ボリュームを変える必要はありませんでした。
おわりに
さて、ポエムを引用しておきましょうか。
これでエフェクターの紹介を始めるブランドもなかなかないでしょう。
いずれにしても、
①直感的にサイケな音にアクセスできる。
②Mixつまみでサイケな音をつかえる範囲に落とし込むことができる。
③SecondaryとRegenの組み合わせで変態モジュレーションディレイを作れる。
がやはり最大のポイントでしょうか。
なにより、このつまみの多さ(2セレクター・5つまみ)でありながら直感的なサイケデリック・サウンドなのは特筆に値すると思います。
OBNEの名機といえばDark StarとBlack Fountain、というのが、OBNEをなんとなく知る人のイメージかと思います。
しかし、Visitorはそられに並び立つ名機といっても問題ありません。
先日発売したアルバムはDark Starがサウンドのキモだったのですが、次のアルバムはVisitorがキモになりそうです。
ちなみに、以下が作ったアルバムなので是非こちらもお聞きいただければ幸いです。
https://www.instagram.com/plumphishprojectsecondary/?hl=ja
※1 Regenのつまみがあるように、ほんの少し遅れて音が回路内でフィードバックしている関係上、PrimaryだけでもRegenを上げるほど単なるトレモロとは異なるサウンドになる……、そうです。
私はそこまで差を感じませんが。
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