からだのこと
遠くない未来に、はっきりと余命を宣告される日が来る。
それを受け入れる準備をしたい。
とても大事な人たちにも
心を守る準備をしてほしい。
私を突き放してでも、タフでいてほしい。
-----------------------
少しずつ、できていたことができなくなって
痛くなかったところが痛むようになって
私の体はこんなにヤワじゃない、と意地を張る元気もなくなってきている。
なんとなく分かっているから、予感しているから
根拠のないなぐさめでは救われない。
------------------------
先日、何回目かの入院を終えて
私の病状が知らされた。
肺動脈性肺高血圧症のステージ3、
2年前、治療を始める前の結果に戻ってしまっていた。
主治医から緊急の呼び出しがあり
淡々と伝えられた。
私が一般的な寿命まで生きることはまずないということ。
3年生存率が9割弱、10年生存率が6割、
20年後はもう生きていないかもしれないこと。
突然死か、「最後の半年間は動けなくなって、苦しんで死ぬ」という経過をたどることが多いということ。
いのちを延ばすために、肝臓移植という選択肢があること。
ただ、今の状態では症状が重すぎて、肝臓移植の手術ができないこと。
気力を絞り出すようにして仕事をしていたけれど
それは命を縮めることにつながること。
------------------------
ひとつひとつの言葉を体に落とし込むのに時間がかかった。
だけど冷静でいられた。
ただ去り際に主治医が残した言葉がずっと耳にこびりついている。
僕の歳まで生きられないのはかわいそう…
----------------------
それからずっと、ぐるぐると考えている。
仕事をしていて、誰かと新しく出会って、いい関係を築いたとして
それがこの先何になるんだろうとか。
目標を立てて、達成してみたとして、
それがこの先何になるんだろうとか。
ふたことめにはかならず「この先」がくっついてきて
体が動けない。
-------------------
私、来月、旦那さんになる人がいて
その人を一生幸せにしたいんだけど!
大好きな親友や幼なじみや友達がいて
なんだかんだ嫌いでない家族がいて
これから長い時間をかけて、恩返しをするつもりでいたんだけど…
-------------------------
そのうちきっと、はっきりと余命を宣告される日が来る。
怖くて仕方がないことだけど
それを受け入れる準備をしたい。