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私はおばさんになったよ

「大阪のおばちゃんみたいな薬剤師になりたいです」
2008年の秋、ある病院での就職試験での作文『あなたにとっての理想の薬剤師とは?』というお題で、大学4年生の私が書いたものです。
その後に続く文章は
「大阪のおばちゃんというのは、頼り甲斐があり、ちょっとおせっかいで、涙もろい。患者さんや同僚からも親しみを持たれて相談してもらえる薬剤師になりたいです。」とかそういうことを書きました。
その病院に採用は決まっていましたが、私はその年の薬剤師の国家試験に落ちたので、採用取り消しになってしまいました。(翌年、国家試験に無事合格しました)
今も自分の理想の薬剤師像は変わってないように思います。

今、私は41歳、薬剤師歴はもうすぐ16年です。
大阪出身です。
でも「大阪のおばちゃんみたいな薬剤師」にはなれてません。
「関西弁をしゃべるおっちょこちょいおばさん」って感じの立ち位置です。質問されても目を白黒させながら答えています。周りに気を遣って空回りして疲れています。挙動不審です。

私は40-50代になれば、もっとしっかり者になり、自信満々になり、上にも下にも年が離れた同僚ともガハハと笑って仲良くできるんだと思っていました。

以前一緒に働いていたYさんはまさにそんな女性でした。ガハハと笑い、みんなから頼りにされていました。
「私、おばさんだよ!なんでも聞いて!」(本人はそうは言ってません。私の想像です)という感じで、どっしりとした安定感がありました。
そういう素敵なおばさんになるには、年齢を重ねただけではダメなようです。

こないだ、会社の新年会に行った時に1年半ぶりに会った他店舗の30代男性Nさんに「〇〇さん(私の名字)、会いたかったですー!お元気でしたか?」と言われて戸惑いました。
会いたかった?
私に?
そんなことある?
仮に会いたかったと思ってくれていたとしても、わざわざそれを口に出す?
何か違和感がありました。
ちなみにNさんはとっても良い方です。

帰宅してから気づきました。
「私、おばさんになったんだ!」って。
いや、前からおばさんなんです、立派な中年です。
例えば20代女性にはNさんは「会いたかったですー!」って言わない気がする。言ったらなんだかセクハラみたいになっちゃうから。
きっとおばさんになったから、そうやってヨイショしてくれたんだな、と思って合点がいきました。

自分はまだまだ若いつもり、というか若輩者のつもりでも、確実に日々年齢を重ねています。
周りに威圧感を与えてないか、気をつけておこう…
そして、年齢はしっかりおばさんになったので、中身を大阪のおばちゃんに近づけていきたいな、と思いました。
まずは口角あげて、心にユーモアを!




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