M#20 宇都宮隆「discovery」
音楽記事が20個目!
だから何だって話ですが……まぁ区切りということで。
今回は1996年にリリースされた宇都宮隆「discovery」です。
1994年のTMN終了後、なかなか動きを見せることがなかった宇都宮隆ですが
1995年にはBOYO-BOZOとして活動を始めました。
が、それは長く続くことはなく
1996年に「宇都宮隆」名義としてソロシングルを発売します。
まずは「少年」をリリース(松本孝弘作曲、カップリングの「Kiss will kill me」は浅倉大介作曲)して
その次のリリースとなったのが、この「discovery」です。
小室哲哉プロデュースです。
木根尚登の「REMEMbER ME?」に続いて発売されたTMメンバーによるコラボシングル……なのですが
小室色に変に上書きされた「REMEMbER ME?」とは一線を画す曲だと思います。
売上枚数としては「少年」に及びませんでしたが
私はこの曲、大好きです。
ミディアムテンポで進むこのメロディーはTM時代とは違う大人の雰囲気を見せています。
TM NETWORK時代ともTMN時代とも違う宇都宮隆の新しい色を引き出しています。
単純に言えば、「ああ、TMのあの曲っぽいね」というものではないってことです。
小室哲哉作曲ではあるけれど、ただの焼き直しじゃないし、TM曲をカバーしたかのような曲ではない、名曲です。
発売された頃は、金欠状態で
レンタル開始されてからなんとか聴くことができました(レンタルは発売当日に開始されないことが多かった)。
それは12月のことでした。
寒い冷たい空気の中、CDレンタルのため自転車を漕いで借りに行った記憶があります。
いまの時代のようにインターネットで先行で聴くことができない時代でした。
家に帰ってCDプレイヤーで聴くまで、どんな曲なんだろうとワクワクとしていました。
聴くまでは、
TMの「一途な恋」のような曲が来ないかなーと思っていました。
当時、世間を賑わしていたアップテンポないかにも小室テイストな楽曲を期待してたわけですね。
イントロが流れた瞬間、「あれ?」と思いました。
落ち着いたテイストの始まりでした。
そこから続くのは、ミディアム調の楽曲でした。
ちょっと期待を裏切られたような、インパクトの薄い曲でした。
しかし、終わってみると不思議と記憶に残る曲で、
カセットテープに録音して、毎日のように聴くようになりました。
12月の間、何度も繰り返し聴きました。
まだ未来を夢見ることができた頃で、毎日が楽しかったと言える頃でした。
そんな中、モノトーンな雰囲気の中で歌うウツの曲は「大人」そのものでカッコイイ、そんな陳腐な言葉しか出ないですが、そんな一曲でした。
雪の舞う窓の向こうを見ながら、放課後の教室で聴いたそんな思い出の残る曲です。
大人の世界を夢見る自分にとって
その世界の断片が見えたような気がして、私はますますTMを追いかけることになっていくのでした。
(当時はアルバムは「EXPO」と「CAROL」しか聴いていなかった)
余談:
この曲のおかげで「descovery」と間違えて覚えていたスペルを「discovery」と覚えることができました。
そういえばTK楽曲で覚えた英語はたくさんあるなぁ……。