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「私の旅」と出会えた日

私が旅に出る時の相棒は13年前に買ったWALKMANで
(明日 晴れてたら行こうかなぁ)
なんて思うと充電していた

13年前からの録音なので
古い曲も沢山入っている

その時の私の頭の中が
すっぽり入っている

いつもは青春18きっぷで安く時間を惜しまず大好きな京都へ一人ふらりと出掛けていた

往復7時間 2400円
滞在時間6時間

これがほんとに楽しかった

周りはお金のある方だらけで
お忙しい方が多い

私のような移動に時間をかけるなんて
もったいないと思われる

今回 娘の出産の前に一度京都に
行きたいとフツフツ思っていたら
「給付金」とやらが入るということで
今回は普通の値段で行くか・・
と 相棒の充電をした

ある人に
「朝くらい新幹線使えば?」
と言われ 確かに・・新幹線なら
2時間の短縮です

朝起きて行くも行かぬも
新幹線か電車かも決めようと就寝

さて カーテンを開けたら少し曇っているけど 天気予報は晴れです

「おっしゃ、行くぞ!」
と充電器からWALKMANを取ろうとしてハッとした
(あつい・・💧)
こんな事初めてで嫌な空気が体の中をはしる
いくらスイッチを押しても立ち上がらない 受け止めねばと思っても
「おーい!どうしたんだよ!目を覚ましてくれよぉ~~(涙)」
がしばらく止められない

いつもの旅の電車時刻が・・(汗)
でも相棒が・・(涙)
焦りとショック

前から音楽なんて携帯で聞けるじゃん
と言われて 確かにいくらでも取り込んで古いのも新しいのも聞き放題だ
・・
しかし バッテリーやらなんやら
持っていない私には携帯は携帯で
音楽はこの相棒から聞くもので・・
安心するのだ
落ち着くのだ

しかし 時間が迫る
長い移動時間を お前なしで行くのか? 

しょんぼりだ・・(泣)

本来の運賃に新幹線の特急券をつけるとさくっと「1時間」を「千円」で買った感じだろうか・・
(青春18きっぷと比べてはいけない)

頭が「音楽のない電車の中の時間」を
不安に感じた
おおきな駅まで1時間
そこから新幹線にのると30分で
目的地の京都だ 
速い 早すぎると言ってもいい
でも今日は音楽が少ない
携帯でちょろっと聞いて充電もキープしなければならない
それなりで行くしかない
早く着いた方がいいかも・・

折角Suicaにチャージしたけれど
窓口で出発から込みの新幹線チケットを買った

新幹線は好きだ
収入が多かった時は新幹線で行っていたし、乗りたいとは思っていた
だから 
ちょっとはしゃいでいる私もいる

ホームで見る時刻と行き先
(行こうと思えばどこへだって行けるんだなぁ)
と思えるからだ・・
(行かないだけなんだよなぁ)

時間を買ったとなれば さらに時間にケチになる 
すぐに乗り込んだ
時間的に空いていて
座ることも出来た
とは言っても 30分で降りますけど・・・・


起床から3時間でもう京都の駅にたっている
(なんとまぁ・・やれるもんだね)

バスもいつものぎゅうぎゅう詰めじゃない  京都市民の方のいつもと同じであろう通勤時間の風景
乗っては降り また人が乗り
席は常に空いている

(こんなの初めてだなぁ)
と思いながら 目的地への40分
バスに揺られていた

40分? 新幹線に乗った30分より
長い・・・・

いちいち そんな事を思う
今日はなんだかおかしい
ゆったり感を失っている

時間とお金 
時間の内容 と お金の内容
私の中の時間とお金

今回の旅は常にそれがつきまとった

そして残暑の京都はキツかった
夏は来ては行けない
とつくづく思った・・

予定の二ヶ所を巡り 御朱印もいただき 行動目的は果たした

さて 遅めのお昼ごはんと
一番の楽しみの生ビールを制して
帰るとしよう
きっちり滞在時間6時間なのには
ちょっと笑えた
体力的にも6時間がちょうどいいのだろうなぁ

さて、帰りはどうする

今日の私は時間にケチになっている・・のか?

改札の前に立った瞬間
音楽なしの3時間半を思った

いっそ また新幹線でかえろうか
となり 券売機で特急券も購入した
今から1時間半後には自分の町に
たどり着く
夕方には家にいる・・
ちょっともったいないな

途中の大きな町までの乗車券にし
気が向いたら少しぶらっとして
帰ろう

結局 全く音楽なしの旅となった
家にたどり着いた時の私は
不完全燃焼だった

私は青春18きっぷで
往復7時間 2400円

ホームにつく度に人の海を眺め
走る車窓を見ながら 流れる古い音楽と共に過去と今を行き来し
忘れていたような出来事に
反省と感謝をしながら
整理して片付ける

そんな作業と

京都での見えない歴史の空気を鼻から
目から耳から皮膚から吸って
これからの自分にエネルギー得て帰る

この2つのセットが
「私の旅」の楽しさだったのだ
時間も買ったけれど
この「私の旅」を知るために
今回のちょっと贅沢な新幹線の旅
は「起こった」のだなぁ

そう思うと 不完全燃焼だな
と感じたこの旅も
とても愛おしく思える

いい一日だった
何へなのかはわからないけれど
ありがとうございました

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