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音楽と紋章と独り言【Parallax/Astrum】

どうも、ミドリと申します。

BEMANIシリーズの音楽ゲームが大好きで、趣味で絵も描いています。
好きな音楽は沢山ありますが、中でもHuΣeRさんとSYUNNさんの創る音楽の世界が大好きです。

今回は自分の趣味である"絵"のお話です。
と言っても独学で描いていることもあり専門的な話は少なく、解説に近いです。



この記事はどんなもの?

いきなり説明から始まるのですが、私のイラストの種類のひとつに「楽曲紋章」と呼んでいるものがあります。こんなイラストたちです。

左上:カラフルミニッツ(REFLEC BEAT)
右上:多極性ニューロンの崩壊による人間の末路(GITADORA)
右下:Fuego(ノスタルジア)
左下:Pout(beatmania IIDX)

こんな風に、楽曲に詰め込まれている歌詞やモチーフなどの要素(自己解釈も含む)をひとつのシンボルに見えるように描きこむことが大好きなんです。
パッと見ただけでは分からないけど、細かく見ていくと何か発見があるような。そんなものが作れたらと思って描いています。

しかしこの楽曲紋章、よくよく考えたら自分しかモチーフが分かってないままスーッと過ぎ去ってしまうことがよくあるような……!仕方が無いけど、実は結構考えているのでやっぱり少し寂しい……!

なので、思いきってどんな構想で紋章を描いたか、どんなモチーフを表現しようとしていたかをこの記事に残してみたいと思います。

その曲に対する個人の解釈/感想を含むものなので、この記事はあくまでも「こんな解釈をする人も世の中には居るよ」程度の気持ちで閲覧いただけたらと思います。

所謂独り言ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

※ご注意
本記事はある程度BEMANIシリーズ(主にGITADORA)をプレーしている方が読まれることを想定しているため、用語の解説を省いている部分があります。
また、多少ですが考察を含む記事のため該当楽曲を聴いて(プレーして)からお読みいただくと本記事への解像度が上がる"かも"しれません。


今回のテーマ

記事タイトルの通り、今回は『Parallax』『Astrum』を掛け合わせた楽曲紋章のお話です。
このイラスト、自分に出来うる限りの熱量をうまく詰められたお気に入りの1枚です。今回この記事を執筆するに至ったのもこれがきっかけですね。

とにもかくにも、まずは完成形のイラストをどうぞ!

※拡大推奨です


X(旧Twitter)にも投稿しているので、見掛けてくださった方も居ると思います。

我ながら中々描き込んでいますね。
実際に描いている時はそんな感覚は全く無く、もっと要素をあれこれ加えそうになっていました。

この紋章、皆様にはどう映っているでしょうか?

何かしらの形だったり、星なんかが見えたりするでしょうか?
いや、何を表しているのかあんまり分からないな~となっているかも。
なにぶん自己解釈も詰め込まれているので、そういう感想も全然有り得ることだと思うんです。それは純粋に自分の力不足なので。

なのでこの記事から「やっぱり!」とか「なるほど!」とか色々思っていただけたらなと。そうなるように頑張ります。


・楽曲について考えてみる

『Parallax』と『Astrum』の紋章。
普段は2曲のモチーフを合わせるということは自分はしません。どうしても情報がごちゃごちゃし過ぎて、何がなんだか余計に分からなくなってしまうので。

だけどなんとなく、この2曲は切り離すという考えが出来ませんでした。


この2曲の作曲者は、ギタリスト/コンポーザーの零 -zero-さんとBEMANI Sound Team"HuΣeR"さん。

もちろん作曲者が同じだからというだけではありません。
HuΣeRさんの緻密に構築された世界観の中に、零さんの音に込められた熱い感情がほとばしる。
デジタルな世界観で疾走感の強いParallaxと、情熱的でエモーショナルなAstrum。曲調は全く違うけれど、芯にある音の中の熱や表現は似通っていて、静と動のような対比が出来ている。
なんというか、流れている血液は同じような気がしました。


・ジャケットについても考えてみる


右:Astrum
左:Parallax

こちらのジャケット、色調は真逆と言えるほど違いますが、構図や際立っている部分は同じような雰囲気があります。「天体」が共通しているのもポイントですね。

あとParallaxには"月"が見えているけど、Astrumには見えていない。
楽曲のジャケットを凝視してしまう癖がある私は、それならこの球体(円?)は何を指しているんだろう?と思いました。

天文に詳しくない素人なので、単純ですがParallaxは下弦の月が出ていて日の出くらい。Astrumはその裏側くらいの位置に居るのかなとなんとなく予想。
そうやって見ていくと、Astrumの光が当たっている部分と、Parallaxの月が欠けている部分がなんだか重なる気が。

そうでもない気がしなくもない


とにもかくにも、この2つのジャケットはもしかして同じものを見ているのではないか?と感じたのです。
遠く離れた世界でも同じものを見ているような(私は月なんじゃないかなぁと予想)

そこで私は、上下を逆転させても同じものが見えるということをテーマに描こうと決めました。

そんなレベルの高いことが出来るのだろうかと若干自分で首を絞めているような感覚はありましたが、取り敢えず具体的なアイデアを出していくことに。


モチーフは「天球儀」

自分が紋章を製作する際は、基本的に遠目で見た時のシルエットから決めます。

本記事のはじめの部分で例をいくつか出しましたが、『Pout』なら「おばけちゃん」、『カラフルミニッツ』なら「パステルくん」など、なんとなくパッと見た時に見えている形を大事にしています。

ParallaxとAstrumに共通しつつ、なんとなくシルエットが作りやすそうなもの。
曲から湧いてきたイメージを書き出しつつ、ぼんやりと完成図のイメージをスケッチしました。

字が潰れていて分かりにくいのですが、全体的なシルエットのモチーフとして「天球儀」を採用しまして、その中心に「アストロラーベ」を入れてみました。

天球儀とは、天球の日周運動や星座の配置、移動を観測するのに使われている道具です。
星座や星の位置が反対に表されているのが印象的で、初めて見た時は「あれ?星座逆だ!」となりました。

※頑張ったイメージ図

こんな視点で作られているから、地球上から見ているものとは反転しているのだそうです。

この見る位置で差が生まれる感覚(Parallax:視差)天体に関連している事(Astrum:星)を結びつけ、これなら直感的に2曲のイメージを表せるかも、と決定しました。
それとAstrum(星)の複数形「Astra」はサンスクリット語で「矢」という意味があるので、それとも掛けられて綺麗かなと。

アストロラーベは星座早見盤の原型とも言える、こちらも天文に関連した道具です。太陽や月の位置測定や測量など、その他にも沢山の用途があります。 
調べていただくと分かりやすいのですが、その形状から2曲を上手く分断出来そうだなと思いました。

そんなこんなで全体のシルエットが決まり、他に思い付いた要素をモリモリと詰めまくってあの完成形となりました。

次項より細かすぎて伝わらなかったこだわりをただ話します。実は意外と沢山あるんです。


実はあれこれ紛れてました

・"顔"をどうするか

このイラスト、実は前述のテーマをもとに
正位置では『Astrum』の要素が強く
逆位置では『Parallax』の要素が強く
出るように自分なりに少しばかり計算して描いておりました。

ここからはそんな部分ごとの特に拘った箇所を解説したいなと思います。


まずはこの部分。

画像の赤い部分です

前項で説明しました分かりやすい要素として、『Parallax』と『Astrum』の"顔"とも言える天体を大きく入れました。

それとここにHuΣeRさんの"Σ"と零 -zero-さんの"z"を入れてます。

左側のΣが逆なのもワケがあります

これは単純な自己満足のこだわりですが、『Parallax』の部分は雰囲気が電脳空間やスピードのある音の印象が強いことから、二重線やカクカクした線を多くしてサイバー感を出したいなぁと。
それに対して『Astrum』は美しさと情熱を強く感じる印象だったので、星の模様はもちろん余白を少し減らして、揺らめくような曲線を中心にしました。

・逆位置から見えるもの

正直に言いますとこれが言いたかったから記事を書いたようなものです。

こちらの部分のお話。

『Astrum』の星を見る人物が居たり、上部分には"視"ているような目もありますね。実はこの部分、上下を逆にしますとこんな風になるんです。 

先程の"逆のΣ"はこの向きで見る想定でした

どうでしょう、何か見えたものはあるでしょうか?

実は上下を逆転させると、下部分が『Parallax』の1本の木や月、2人のシルエットなどにハッキリ見えるようになるんです。

こんな具合に、見る向きで2曲とも主役になれるイラストに仕上がりました。うまくまとめられて安心……

ではないです!
今回のテーマは上下を逆転させても同じものが見えるもの、なんです!
というのを念頭にしてこの逆転させた画像にもう少し目を凝らしてみますと……


なんか居る!

といった感じで、やや抽象的ではありますが其々の天体を見つめ佇む人物を出来るだけ分かりにくく描いていました。分かりにくい程いい自己満足です。

最後に完成形の正位置と逆位置を見比べてみましょう。


記事の後に見るとまた変わって見えるようなないような。
正位置は天球儀っぽいですが逆位置は地球儀に近いシルエットなのもお気に入りです。

他にももう少しだけこだわりはあるものの、流石に凝りすぎて説明も出来ないもの(計算式とかもある)なのでこの記事はこれぐらいに留めておきます。

さいごに

自作イラストの解説というただの独り言でしたが、いかがだったでしょうか?

少しでも『Parallax』と『Astrum』の良さを絵で伝えられていたら良いなと思います。良ければどう見えていたか教えてください。


私は音楽でも、文章でも、イラストでも、様々な創作において考える余白のあるものが大好きです。答えのあるなしに関わらず大好きです。

私自身が今回のように色々仕込む癖があるのも、様々なクリエイターの皆様が生み出す作品を聴き込んでいたり、読み込んだり、じっくり眺めたりし続けていた歴史なのかなと。

これからも世に散らばる様々な作品を学びながら、よりよい創作が出来るよう精進していきたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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