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何もないのに何でもある
滞在先で地元の方と話をした。
その方は20年程前にご夫婦で旦那さんの故郷に移り住まれた。
地方の小さな町でかなりの田舎。
自然はとても豊かな場所。
ちょっと都会出身でずっと都会で暮らしてきた奥さんに
ずっとその町に住んでいた近所の人達は
「ここは田舎で何にもないでしょ」と口々に言ったが
奥さんはここは何でもあると思われたそう。
四季折々季節の花々があちらこちらで自生している。
食べられるものも色々と自生していて、海では季節ごとの魚が釣れる。
ずっとそこに居ると当たり前でも外からの目で見ると
とても豊かなものがある場所だった。
四季を楽しみながら日々暮らされている様子が伝わってきた。
同じ町に住む別の方と話をした時も同じことを言われていた。
15年程東京で暮らした後旦那さんの仕事の都合で
この小さな田舎町に住むことになった。
当初は移住に反対したが住んでみて思われたのは
ここには何でもあるということ。
「何もないのにね、おかしいですよね」と明るく笑いながら言われた。
外からの目線を持って見ると見えてくる沢山の素敵なもの。
ずっとその土地に暮らす人は気付かない豊かなもの。
都会とは異なる豊かなもの。