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誰と?

知人から聞いた話。
小学5年生の男の子が、ある先生のクラスになった。
その子は発達障害の診断がついていて、内服中だった。
学年のはじめ頃は、行動が落ち着かず、タブレットを勝手に見たりしていたよう。
担任の先生は、教室に様々な工夫を凝らした。
そして、「してはいけないことは、してはいけない」とパシッと伝える一方で、「そこはどうぞ」と場面によっては、やりたいようにやらせた。
男の子の行動は次第に落ち着いていった。
授業を聞くようになり、勝手にタブレットを見ることもなくなっていった。

お母さんは驚いた。
「1年生から4年生まで、学校から電話がかかってこなかった日はなかったです。今年度はこの半年間、まだ一度も電話がありません。どうなっているんでしょう?」
5年生までの日々で、その子が成長していた可能性はあるだろう。
けれど、環境の影響というものも、きっとまた大きい。
誰と出会って、どう教え、導いてもらえるか?
その子が、そのクラスの中で、その先生の元で過ごす日々の幸運を思う。