心電図問題集 day1
来年度の心電図検定に向けて平日は毎日3問ずつ投稿していきます😊
難易度は1・2級向けです。みなさんと一緒に頑張れると嬉しいです!
<問題編>
問題1
中年患者が胸痛と冷感を訴えて受診した。
硝酸薬使用後に血圧は80/50mmHgまで下がった。
責任血管として正しいものを1つ選べ。
問題2
20歳女性が動悸と眼前暗黒感を自覚し受診した。
受診時の血圧は75/50mmHgであった。
次のうち最も疑わしいものを2つ選べ。
問題3
中年の糖尿病患者が息切れを訴えて受診した。
臨床的に肺水腫を指摘されている。
次のうち正しいものを1つ選べ。
<解答編>
問題1
①右冠動脈近位部
Ⅱ誘導とⅢ誘導のST上昇を比較した際、Ⅲ>Ⅱのため右冠動脈の梗塞を疑う。
次に近位部か遠位部かの評価では、V1-3誘導において少なくともST低下はないので近位部を考える。よって責任血管は右冠動脈近位部。
問題2
②心房細動+④WPW症候群
wide QRS irregular tachycardiaで左脚ブロック型であり、
心房細動+WPW症候群 or 心房細動+左脚ブロックを考える。
20歳と若年であり、HR300前後と速く、QRS波形においてbeat-to-beat variationを認めるので偽性心室頻拍が最も疑わしい。
問題3
⑤高K血症
かなりの徐脈でP波消失しており、QRS波形もwideで典型的な脚ブロック波形でない心室内伝導障害があり、V2-5において対称性のテント状P波を認めるので
高K血症を第一に考える。
<コラム>
洞室調律(sinoventricular rhythm)
心房筋の興奮は高K血症に弱くP波消失するが、洞結節及び心房内刺激伝導線維は高K血症に強く、P波の消失を伴うような高K血症でも洞性刺激は心室に潜行性に伝えられる。
高K血症に伴いP波消失した調律を洞室調律と呼び、以下のような特徴を示す。
・調律は洞結節に制御されているので心拍数は保たれる
・高K血症に特徴的なQRS-T波形を示す(テント状T波など)
<参考文献>
・https://litfl.com/ecg-case-001/
・https://litfl.com/ecg-case-002/
・https://litfl.com/ecg-case-003/
・JACC Clin Electrophysiol. 2018 May;4(5):701-703.
・心電図の読み方パーフェクトマニュアル
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?