採卵;卵子の回収と検卵
※採卵の方法はかなりクリニックや病院による方法の違いがあります。あくまでも私の経験の紹介となるので本記事でトラブルが起きたとしても保証することはできませんのでご了承ください。
採卵とは?
採卵(Oocyte Pick UP;OPU)とは女性の体内で育った卵胞から卵子を回収する方法です。
本来は体内に排卵するはずの卵子を排卵する前に卵胞に針を刺して吸引して卵子を回収します。
採卵前
卵胞の発育
採卵前をするには卵胞が発育している必要があります。卵胞の刺激方法は医師と話して決めていくことになると思います。
自然周期、低刺激、中刺激や高刺激などがあります。
また、お薬も飲み薬や注射薬、点鼻薬などがあります。
使う薬によってクロミッド法やアンタゴニスト法、ショート法、ロング法、PPOS法等いろいろあります。
※刺激方法は培養士がかかわることは無いので詳しい内容は省略させていただきます。
採卵のトリガー(卵子の成熟)
通常の生体内では卵胞が育ってくるとLHサージという黄体形成ホルモン(LH)の上昇が起こります。LHサージにより卵子の減数分裂が再開し、未熟だった卵子が受精できる状態へ成熟していきます。
体外受精ではGnRHアゴニスト(作動薬)やhCG注射を行い卵子の成熟を促します。
※トリガーを忘れると卵子が成熟しないため、卵子が取れなかったり、未熟卵子が取れたりするのでかなり重要な工程となります。
※こちらも医師とお話しして決めていくことになると思うので詳しい説明は省かせていただきたいと思います。
採卵の施術
※ここからは私の経験したり、見学して得た経験を元に書いています。必ずしも全ての施設に当てはまるわけではないのでご了承ください。
当日は採卵を行っていきます。採卵用の採卵針を使用して行います。採卵方法の詳しいことは医師の範疇なのでここでは省略させていただきます。
回収された卵胞液はスピッツに回収されて培養士に渡されます。
培養士は渡された卵胞液をシャーレに広げ確認作業に入ります。確認は顕微鏡(実態顕微鏡)を使って行います。
卵子の大きさは0.1㎜程度しかないですが、卵子は周りを放射冠状の細胞に囲まれ、さらにその周りには卵丘細胞が存在しています。
卵子‐卵丘細胞複合体は目視でも確認できるくらいの大きさがあります。顕微鏡の光が当たると白く光るので分かりすいです。
成熟した卵子の卵丘細胞は発見しやすいのですが、卵子はひとつひとつの状態が異なります。成熟している卵子の放射冠状の細胞が明瞭にみえ卵丘細胞が膨化していることが多いです。しかしすべてが同じではありません
様々な形態の卵子や卵丘細胞がありますし、血液が混入したり、シャーレの壁面にある卵子などは確認しにくいことも多いです。
様々な卵子の形態の一例
卵丘細胞
卵丘細胞が膨化していなくて過密な状態
卵丘細胞がちぎれてほとんどない
放射冠状の細胞が不明瞭で卵丘細胞が島状に密集している。
卵丘細胞が存在していない
卵子が存在していない卵丘細胞
卵子
未熟の卵子
細胞質が変性した卵子
円形の卵子が楕円形をしている
卵子の透明帯に亀裂が入って細胞質の一部が飛び出している
単細胞であるはずの卵子が2細胞になっている。
すべて見終わったあとは見逃した卵子を少しでも減らすために再度見直しを行います。
採卵後
受精方法や培養のプランの決定されるのでそれに沿って培養作業を行っていきます。
患者さんの背景(過去の治療歴など)
患者さんの希望
当日取れた卵子の状態
処理した精子の状態
医師の診断や基本方針
そのた
様々な要因によってプランが決まっていきます。
培養士は医師から指示されたプランに沿って培養を行っていきます。
最後に
読んでくださりありがとうございます。
また更新をしていきたいと思うので読んでくださると幸いです。