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28年前の記憶 ハードボイルドエッグ

早くも2023年の半分が過ぎました。
梅雨の時季になると、特によく思い出す歌があります。

『この街 窓の明かり』

夜のとばりに街は沈んで
一つ一つの窓辺に灯がともる
あれは懐かしさ いつかの温かさ 
忘れてた思いを照らし出す
知らず知らずに あらゆるものが
その姿を変えながら遠ざかる
哀しみじゃなくて 後悔もしないけど
何故か今 とても人恋しい
この街に暮らしてきた
いつもの店 あの笑顔
通いなれたターミナル 週末にはレイトショー
愛してる人々を 
なくさない真心を
行き先はいつの日も知れないけれど

愛した人も 捜した夢も
抱きしめたいのに何故か届かない
大切なものは ただ一つきりなのに
迷った自分がとても悔しい
この街に暮らしてきた
通りを行く人の波
午後のテラス 並木道
雨上がりの交差点
愛おしい人がいる 
大好きな場所がある
何もかもいつの日か消えゆくけれど


阪神淡路大震災の起こった1995年の6月に宝塚歌劇団で上演された作品
『ハードボイルド エッグ』の劇中で、主要な登場人物たちが総出で歌った歌です。
本拠地である兵庫県宝塚市の大劇場が被災したため、東京公演のみ行われた変則的な公演でした。

この作品の音楽ではもう一曲、『ララバイ』も心に深く刻まれています。


『ララバイ』

お聴きよ
あの森をかけぬけ
お前のもとへとたどり着く風が今夜もかすれた声して
心配ないよと囁いているだろう
やがて銀の舟が迎えに来るさ
夜の空へ旅立つために
揺れる舳先に三日月をぶら下げ
今日はどこへ遊びに行こうか


こうして久々に目にすると、大好きだった温かな歌声が耳に蘇ります。
作・演出は正塚晴彦先生。
歌詞もセリフも、ちょっとした言い回しのセンスが素敵な先生でした。

こんな宝物が、いくつも心の中に納められているのは幸せなことですよね♪


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