歩いて5分で異世界転生

家のすぐ隣にかなり大きい公園があって、週末は必ずそこを散歩している。
今日は良い天気だったし、缶コーヒーとチョコをお供にベンチで本を読むことにした。

公園に入ると派手な格好をしたコスプレイヤーがたくさんいた。アイドルっぽい人たちがステージで歌ってもいる。
公園ではよくイベントをやっていて、普段は家族連れや散歩に来ているお年寄りが多い穏やかな空間だが、月一くらいの頻度でファンタジーな世界に様変わりしている。

僕は楽しそうだな~と横目で見ながら通りすぎて、あまり人気のない所のベンチを選んでレ・ミゼラブルの続きを読んでいた。
30分くらい読んでいると、隣のベンチはいつの間にかレイヤーさんが座っていた。何のキャラなのかはわからないがオレンジ髪で軍服姿だった。

外は思っていたより寒く、あまり長時間読むのは難しかったので早々に切り上げることにした。ベンチを立つタイミングがレイヤーさんとめっちゃ被ってなんか気まずかった。

帰りにもコスプレイヤーを横目で見ながら、凄いな~と浅い感想を抱いた。
アニメの世界を体現したレイヤーは、現実離れな可愛さと美しさを纏っている。

欲を言うならまじまじと眺めていたいし、衣装とか小道具どうやって作っているのかとか、色々聞いてみたいけれどそこまでの度胸は無い。カメラマンはおじさんが殆どだったけど、僕のiPhoneでもあそこに交じっていいんだろうか。

割と頻繁に開催されているし、あの界隈に知り合いがいたら楽しいだろうな~と夢想している。カメラを始めて撮らせて貰うのが一番の近道だろうが、コスプレイヤーと仲良くなりたいからカメラを始めるってのは流石にキモすぎるなぁ。自分の流儀に反する。

それならばいっそコスプレする側に回ってみたい。

まぁでも、多分一人じゃやらないだろうな。
SNSもやってないし見た目に対しての自己顕示欲も無いので、やるとしたら自分が楽しむためになる。
ただ、残念ながら特定の作品にのめり込むくらい好きになるという事が無いんだよなぁ..。

強いて言うならスト5のバルログかな。
そんなコスプレしたところで、レイヤーさんとは関わることなさそうだ。
カメラマンのおっさんとは仲良くなれるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?