自由の価格

ついに退職する旨を上司に伝えた。
時期は12月末。あと3ヶ月半ほどだ。

10月は有給が増えるし、11月はボーナスが出るし、12月は忘年会に参加したいので12月末にした。辞めるからにはできる限り得をしたい。

仕事は特に不満もなく、なんなら能力も給与も上がってきたのでこなまま続けていればある程度のポストにつく事は出来るだろう。

でも、それは未来が想像できてしまうというつまらなさを内包している。安定した給与や地位は幸福には直結しない。

今僕が一番求めているものは何よりも時間だ。
ただ、現代社会においてそれは易々と手に入るものじゃ無い。

自由には金がかかる。
一人暮らしで生活するには、自分の場合大体月に18万くらい。
しかも買い切りじゃなくてサブスク形式だ。気分で時価も変動する。

自由を得るには今まで職について売っていた時間を買い戻す必要がある。
そこで、自分の1日あたりの売価についても考えてみる。今の手取りが大体25万だから、原価が18万で売価が25万くらいか。
稼働日で換算すると1日あたり大体12500円くらいは稼いでいる。

これはすごいことだ。
会社という半強制的に労働に従事させるシステムに組み込まれて許容量ギリギリまで自分を酷使した結果成し遂げられた偉業だ。
何のしがらみもない状態だと、たとえやりたいことがあったとしてもここまで生産的な活動をするのは難しい。

だから休暇に入ったとして、日に12500円分の働きが出来るのかと自問したとすると間違いなく無理だと言える。

では、1日12500円分の機会損失をしてまで休む事に価値があるのか。

これはYESだ。即答できる。
上回ったから仕事を辞める。

そもそも金は使うために稼いでいる。
ある程度の貯金ができてきたので、用途を考えた結果、人がブランド品や旅行のような贅沢を買うように僕は時間を買う事にしたのだ。

だからこの時間は無駄にはできない。
三年半働き続けて、ようやく一年くらいの自由を買えた。
今が26歳。20代で自由を得られる最後の時間に違いない。

金が尽きたらまた働く。
それまで得られた時間を使って、よりエゴを研ぎ澄ませ、人としてより分厚く、自分の価値を信じられるようにならなくては。

つっても、あと三ヶ月は働かなきゃなんだけど。
たは〜〜〜

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