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あの頃があって今

産業カウンセラーになろうと思ったきっかけや思いなんかをつらつらと。



不安障害で会社を休職、退職して療養してました。会社原因でした。

娘が年長~小学校1年生の頃です。

コロナからの小学生入学でした。
当時、私はなんとなく、娘を見守るついでにシニア犬のチワワのお散歩名目で、小学校の下校を見守っていたんです。

会社行けなくなっちゃって、そのまま休職、退職しちゃって、仕事できなくなっちゃった・・・。今は休め言われても不安すぎる、これからどうしたらいいんだろう、というどん底精神状態で、こんなダメな自分だけど、せめて誰かの役に立とう。
娘だけじゃなく、新一年生の帰宅をを見守ろう、と思いついたんです。

チワワはシニア犬だから、あまり歩かない、目もよく見えないのでひたすらにおいをかいでゆっくりゆっくり立ち止まるほうが多い、そしてとてもかわいい。

学校のある道にいますけど、犬のお散歩ですからあやしくないです見てていですか風の私。

1年生、無邪気であぶなっかしいの、気を付けて帰って!

めちゃくちゃ広がって歩いてみんなで民間学童に行く群れ。

そこ!自転車!車!一列で頼む!

どうか歩道を歩いて~

女の子2人、おしゃべり楽しいね、前見て!

犬だあ、なででいいですか。いいよ、噛まないよ。前見て気を付けて帰るんだよ。

なんて感じで見守ってたら、数人の男の子1年生のにぎやかな群れのあとから、男の子の1年生が1人、とぼとぼ歩いてきました。

元気がなく見えたので、こんにちは、と言うと、

こんにちは

と返してくれました。

そして、

おれ、がっこう、やだ、きらい。

それはなぜ?と聞くと

だって、おれ、みんなにばかとかいわれる

と。

そうなの?

私はきみはばかだとは、思わないな。しっかり挨拶してくれたもん

と言うと、

そう?と言って、帰っていきました。

数日後。

同じくシニア犬と見守り散歩をしていたら、

あの男の子が、元気いっぱいの男子1年生のグループと、楽しそうに足取り軽く、帰っていました。

私と犬に気づかないくらい、みんなと、すごく楽しそうな笑顔でおしゃべりしながら。

よかったね、楽しそうだね。お友達ができたんだね。

療養中、村上春樹さん訳のキャッチャー・イン・ザ・ライを何度も読み返していました。

ホールデン君が「ライ麦畑の縁で、崖から落ちそうになる子供たちを捕まえる「キャッチャー」になりたい」と言ってて、

自分も、働ける日がまた来るとしたら、残りの社会人人生は、人の役に立つ仕事がしたい。わたしも、ホールデン君が言ったような、そういう仕事をしたい。

と思っていました。

でも、どうなったらなれるか、その時は想像もできなかった。

だから地元の神社に祈るとき神様にお願いしたりしてました。

そのころ神社でひいたおみくじ、めちゃくちゃ大吉ばかりで、未来は明るく希望に満ちた内容で。

え~、どういうこと。療養しとるがやぞ、なんでこの内容なんじゃ神様

とツッコミを入れてました。

迷いすぎて高田馬場の預言カフェにも行きました。

主はあなたを逃がします、この先には主はあなたに希望となんたらかんたら(忘れ)を用意していますって言っててびっくりしました。

なんで会社つらくて心やっちゃって療養中って主にバレたの。

療養中、カズオイシグロさんの「私を離さないで」を、何度も何度も読み返していました。

全編にさみしさ、あきらめが漂う話で、当時の自分の気分と妙にシンクロして、

登場人物の心のよりどころみたいになっている、ノーフォークのロストコーナーに私も思いをはせていました。

ノーフォーク、いつか行ってみたい、そこになら、きっと主の預言やおみくじにあった希望みたいなものがある気がすると思っていました。

シニア犬のチワワは、その後、18歳と半年であっちの世界に行ってしまいました。

小学校2年生の娘に駆け寄って転んで、犬ちゃんベッドに寝かせたらそのまま眠るように逝きました。

私より娘が悲しんで泣いて泣いて、「こんなきれいな日に逝かないで」と言いました。

本当に、どこまでも晴れ渡った、とてもきれいな朝でした。

あの子は、娘に命のことを教えてくれました。

家族でいちばん小さくかわいい存在だったのに、途中から赤ちゃんの娘が出現して、こいつ何なんだ?と戸惑っただろうに、娘が成長すると人間と認識して、順番を譲ってくれて、ちょっと面倒みたりして、娘が命のことを分かる年まで長く生きてくれた。ありがとう。

療養していたので、きちんと私がシニア犬の暮らしのお世話できて、最期、看取れたのも、よかった。

でも、今でもあの子を思うと、とてもかわいくていとおしくて、もういないことが悲しく、さみしい。

私が仕事できてて元気でも、療養になって落ち込んでどんよりしていても、何も変わらずただ、にっこり顔で、ずっと一緒に居てくれたやさしい子。

夢では、時々だけど、生きてるときと同じくやさしいにっこり顔で出てきてくれる。

私は、療養から回復し、再び働けるようになり、ご縁があって、新卒で入社して一緒に働いていた方からの引き合いで、ベンチャー企業で働くことになった。

ベンチャーだからやること、役割がいっぱいある。

役割の中のひとつとして、今、私は困りごとのあるお子様の親ごさんや大人の人から相談を受け、つなげるような仕事をしています。(身バレあるかと表現はごまかしてますが。)

そして、つなげる中で、「そもそも持ってるカンみたいなもので対処してる場合じゃないな。ちゃんと話を聞いて対応しなきゃいけない」と思って、そういう資格を探しました。

「傾聴」→「産業カウンセラー」を見つけました。

これだ!と、養成講座に。

産業カウンセラーの学び中からすでに、とても仕事の役に立って、これは絶対合格したいな!と本気でぶち当たり、仲間にも恵まれたおかげで気合と気迫で実技免除をいただき、それから、今が一番若いから!とひたすら念じて学科試験勉強。

でも試験終わった後すごい体調悪くなって、無理がきかねえ年頃になっちまった・・・、と思いました。

産業カウンセラーに合格したのが分かったのと同じタイミングで、

米津玄師さんが、私があの頃、その場所になら希望があるんじゃないかと思っていた、いつか行ってみたいと思っていた、ノーフォークのロストコーナーの景色を素晴らしい曲にして、みんなに届けてくれました。

軽やかで明るくて、無くしたとしても、つらくて落ち込んだりしてても、未来を信じることができなくなっちゃっても、そこに希望があるような曲を。

そんなの偶然じゃん?的なこじつけだったとしても、いいんです。

今、あの頃の心のよりどころみたいなものを思い出して、つらかったけど、よかったな、と、ちょっとしあわせに思っている。

余談ですが、

当時2週間ごとに心療内科に通院してて、通院のため使ってた駅のデパートと駅をつなぐ地下通路に女性の占い師さんがいて、ふと出来心で、今後どうしたらいいか相談したんです。

「あなたには役割があるの。たくさんの子に関わることになりそう」と、私の頭の斜め上を見ながらニコニコして言うんです。

それってなに占いなの、誰が言ってるの。

その役割ってどうやったらなれるの、具体的に教えて!

具体的な話はなくて、え~、って、半信半疑で聞いてたんですが、今、すごく近しいことになっています。

そうなってるかもです、占い師さん。

で、誰としゃべってたの。


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