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はじめてのゴール裏

2024年6月29日。


仕事を急遽早く切り上げ現地参戦すると決めたのは前日の20時、席を取ったのは22時過ぎのこと。


残業時間がぼちぼち溜まってきたのでその消化の意味もある。


席は、子供が行きたがっていたゴール裏。かなり悩んで悩んで選んだ席。私も初めて。受け入れてもらえるか、足手まといにならないか、心配しつつワクワクがとまらなかった。


とはいえサポーターズシート(略してサポシ)の端の方。どんな空気感なのだろう。


当日の移動はバタバタだった。行くのに何時間もかかるため新幹線カードも切ってなるべく早く向かう。


ゴール裏の団体のお姉さんが旗を配っていたのでそれをもらい、いざ席へ。


ゴール裏でいつも跳んでいる方に言わせると今回選んだ席は子連れにちょうどいいとのこと。私の昨晩のカンに感謝したい。


いざ始まってみると、試合開始前から終わった後の挨拶まであっという間だった。


同じように友達が初ゴール裏の高校生くらいのお兄さん達。ひとりで熱く応援してるお兄さんとお姉さん。ただ腕を組んでなんならスマホすらみているが、ファールになると「おいっ!!」と大声を出すお兄さん。すごく通る声でチャントを歌ってくれたお兄さん。


それぞれがそれぞれのスタイルで応援していた。


また、チャントも同じ歌をずっと歌ってるなと思っていたこともあったけど、現地でやってみるとちょっと緩急がついていることがわかった。手拍子をしたあとは跳ねる、など。よく聞くと太鼓が少し違うんだな、とか。それがまた戦況にリンクしてとてもよかった。前半ATで追いついた時、どんどん応援のボルテージが上がるのを体感した。みんな勝ってほしくてそれぞれが全力だったと思う。


こういう応援って、運営側がこしらえたものじゃない。それがとても重要で、応援したい、声で愛や応援を届けたいと思う人がいるから成り立つんだと肌で感じた。そういう人がいるからこそ、試合が華やぎまた作り上げられて行くのだと。


試合はというと、勝てなかった。


ブーイングもあった。拍手もあった。ブーイングと拍手がそれぞれをかき消そうと言わんばかりに鳴り続ける。


選手ひとりひとりの表情も見えた。二本指をサポーターと自分の目の両方を指して「焼き付けろ、忘れるな」と言っているかのような喜田選手。怒りながらスタッフに抑えられながら去っていく監督。やや下を向きつつ何かを大きな声で言っていた松原選手。選手がお辞儀をする前に深々とお辞儀をしてたマリノスケ。選手が去ったあと、マリンと手をつないでずっとサポーターを見ていたね。


画面だとそういうの全部伝わらない。ここに来ることでしか、わかりえないことがある。


様々な意見がある。その様を見て子供は「ブーイングしたって選手は傷付くだけだよ」と言っていた。まあそれもある。子育てに似てるから、このままでいいのかと言わないといけない時もあるんだよ、と伝えた。とはいえ腹いせのブーイングもあっただろう。ただ、今日はチャントを歌わずにその拍手とブーイングで見送った。それが答えなのだろう。


ただ、私はここに来て、自分のやれることをやり、それぞれの選手の表情を見て、なぜか清々しい気持ちだ。

あぁ、もっと応援したいと思ったしまたここに来るだろうと思った。

帰り道が電車だったことも良かったのかもしれない。勝った者も、負けた者も、同じ道を通って帰る。人生だなぁ、なんて思うことこそ勝者ではなかったいうことなのだろう。

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