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ドイツで約40年ぶりに口蹄疫が発生
口蹄疫は宮崎県で2010年に発生し、災害級の経済的打撃を与えた家畜伝染病として記憶に新しい。
人には感染しないが、蹄を持つ牛、羊、豚等の家畜に感染し甚大な経済的被害をもたらす。
かつ、国際機関(WOAH)に汚染国として認定されると輸出がストップする。日本に中国、韓国から生の牛肉が輸入されないのはこのためである。
1月10日(金)(現地時間)、ドイツでの約40年ぶり(1988年が最後の発生だった)となる口蹄疫の発生が国際機関(WOAH)に報告された。
⬇は日本の農林水産省が発表している口蹄疫の世界での発生状況。日本、アメリカ、欧州(ドイツ含め)は全て清浄国なので、今後改正されるはずだ。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/attach/pdf/index-36.pdf
現地のニュース報道によると、ベルリン近郊の水牛3頭で口蹄疫が診断されたとのこと。冬季に水牛の群れから異常牛を発見し、診断、速やかに公表したあたりはさすがドイツ。もともと家畜含め感染症研究は盛んだし、経済的にも豊かで、畜産に関わる獣医師の能力も高い。
なお、水牛で発見されたのは日本の宮崎県事例でも同じだった。口蹄疫ウイルスは環境中での耐性能力が高く感染力も高い。早期発見、早期淘汰が原則とされる。
今後は周辺の調査が進められるだろうが、ベルリン近郊とのことで影響がどの程度出るかがポイントだろう。ドイツ一国でも経済的打撃は甚大。
例えば、ドイツはソーセージの生産が盛んだが原料供給が止まればソーセージが作れない(値段が上がる)。
もしEU域内で感染拡大が認められれば、欧州からの食肉輸出が止まるため深刻な影響が出るだろう。
また、どうして(どこから)口蹄疫が侵入したのかもポイントになる。少なくとも欧州では近年発生はなく、周辺地域から侵入したと考えられ、これはドイツ以外の国でも起こりうるからである。
口蹄疫発生のあるトルコ、中東、アフリカの可能性はあるが、これは移民問題や物(牧草など)の輸出入に影響するかもしれない。