ポケカ始めて1か月でシティリーグ優勝した話
はじめに
あぐのむと申します。
普段はShadowverseというDCG(デジタルカードゲーム)のプロをやってます。
先日2/25(日)トイニティ長岡店のシティリーグに出場し、優勝することができました。
ポケカは丁度1か月ほど前から新環境に切り替わるタイミングで取り組み始め、シティリーグに向けて調整してきました。
今回は突然ポケカを始めたきっかけ、シティリーグ優勝までの1か月で得た経験などについて話していこうと思います。
デッキリストの話と当日レポートだけ見たい方は目次から飛べます。
きっかけ
昨年12月某日、Shadowverseのプロツアー最終節が行われ自分も出場していたのですが、勝ち切ることが出来ず今シーズンチームは幕を下ろすこととなりました。
その後完全に燃え尽き、配信活動にも身が入らず近くのアミューズメントカジノ施設、新潟ギルド(https://twitter.com/NiigataGuild)でポーカーを遊ぶ日々が続きます。
そこの常連客や店員さんの間ではポケカが流行っており、度々誘われ最初は断っていましたが、
すぐにスタン落ちが来て新環境が始まること
競技シーンであるシティリーグが1か月後にあること
オフシーズンの間に様々な経験がしてみたいこと
これらが重なり1か月ほどポケカをしてみようという結論に至りました。
実はポケカ自体は昔2014~2015年の間、大学のポケモンサークルの部長をしていた経験があり、競技的ではないですが触れていた期間があります。
その取っつきやすさもあり一緒にプレイする仲間もいたことが大きく、ここから1か月ポケカをプレイする日々がスタートしました。
デッキ選択
まず新環境の候補デッキを調べその中から一番楽しそうなデッキを作ることにしました。
そんな最初の相棒は『サーフゴー』
ポケモンの特性でドローが出来るのが気持ちよく、特性を消すスタジアム"頂への雪道"という天敵のスタジアムがスタン落ちする情報を見て選択しました。
しかし環境トップである『悪リザードン』と対戦すると、
HP330を突破するにはエネルギーの要求枚数が高過ぎる
終盤のかがやくリザードンで弱点ワンパンを取られサイドレースが厳しい
この2点を改善出来る案が思い浮かばず、なんと最初の相棒は2日で見切りを付けることになってしまいました。
次に触ったのは『アルセウスギラティナ』
悪リザードンにボコられ過ぎたので有利なデッキが使いたいと思いXで情報を集めます。
そこで巷ではテツノイサハexとマキシマムベルトを入れたアルセウスギラティナデッキが悪リザードンをワンパンでき、強いと噂になっていました。
さらに初心者にもおすすめと書いてある投稿が多かったため、丁度いいと思い即座に作成。
このタイミングで10年ぶりになるジムバトルにも参加しました
しかし結果は1勝6敗と大敗
その内容も事故がほとんどで、今考えたらリカバリーのプレイミスが多かったとは思いますが、その時考えていたことは
エネルギー手張りという行為が安定しない
ポケカは基本手札干渉が関わってくるため、ドロー力は勝率に大きく関わる
プランを通すための必要カードを毎回持ってくることは難しい
この3点。総じて安定感についてですね。
アルセウスギラティナは確かに理想で回せれば悪リザードンに勝つことは出来るが、1ターン目アルセウスVへのエネルギー手張り、中盤のドローサーチの不安定さから、勝率を出すのは厳しいと判断。
安定感があるデッキというのはそれだけで一定以上の勝率が見込めると感じ、そのポイントからデッキを選定すると・・・
気づいたら悪リザードンしか残されていませんでした
シティ持ち込み悪リザードンが出来るまで
悪リザードンが安定感があると言い切れるポイントがいくつかあります。
進化すれば勝手にエネルギーが付いて技が打てる
素点180がそもそも高く、サイドレースが負けてもその分打点が上がるという1枚の完結性
HP330のワンパンでの倒されずらさ
デッキの自由枠の多さ
これらの理由から序盤~終盤まで事故が少なくプランも複数組みやすいです。
早速流行りのビーダル型を組み回してみたのですが、それでもストレスを感じるポイントが出てきました。
それは初動の不安定さと、ビーダルのハンド伸びの悪さの2点です。
初動の不安定さを感じるポイントとしては、主にペパーというカードについて触れなくてはなりません。
ペパーは展開をサポートするカードで悪リザードンにおいては必須級のカードになりますが、グッズと共にサーチする森の封印石というカードをビーダル型は使いずらいという問題があります。
この封印石を気軽に使えたら初動はかなり安定すると思いました。
またビーダルのハンド伸びに関してです。
はたらく前歯の特性上5枚以上はドロー不可で、中盤以降欲しいカードを組み合わせで引き込むことは非常に難しいのが気になります。
この2点を解消する方法を探していたところロトムV+ピジョットexに出会いました。
ロトムVはそくせきじゅうでんでの初動安定+待望の気軽に封印石を使える理想のカード、ピジョットexは特性マッハサーチにより、確定でプランを進めることが出来る夢のようなカードでした。
もちろんデメリットはあり、低耐久かつサイド2枚取られるポケモンが並ぶのは相手のサイドプランを簡単にするものでしたが、それよりもここまでで安定感が勝率に大きく影響すると確信していた私はこの形を使うことに全く抵抗はありませんでした。
ここでシティリーグまで残り1週間、ロトムV+ピジョットex+悪リザードンexのデッキを確定し調整を始め、最終的に使用したリストが以下になります。
デッキリスト
コンセプト
ロトムV+森の封印石から圧倒的な初動安定、ピジョットexによるサーチを駆使しプランを遂行する。
各対面の動きに合わせて捲るためのカードを採用し、動き出しが遅くてもそくせきじゅうでん連打から無理なくゲームを進められるよう構築。
テンプレ外採用カード解説
ハバタクカミ×1
主にロスト系、イダイナキバLO対策。パオジアンにも少し刺さる。
シティリーグ前、急速にロストバレットが流行りだし無対策だと悪リザードンはかなり厳しい対面。
調整仲間のぱんちさん(https://twitter.com/drunker_Q10)のロスバレにボコられた結果、入れざるを得なかった1枚。
ネストボールからサーチ可能で、はなえらびやおとぼけスピットの無効化、れんごくしはいから殴ることも可能。
ジラーチと迷ったが刺さった時のゲームエンド力がハバタクカミの方が高いと判断。もちろん枠があれば両採用も視野。
またイダイナキバに弱点+裏に20点でワンパンでブーストエナジーの付いたイダイナキバを狩り続けられる。
さらに実戦経験はまだ無いがミラーで小粒を倒し裏のヒトカゲに1点を撒いておくと、HP320のリザードンをサイド3からマキシマムベルトバーニングダークで落とせるようになるのは強そう。
ビーダル型を辞めた理由にロストに縛られるということも入っているぐらい、ロスト系は警戒していた。
ちなみにシティリーグ準決はロスバレ、決勝はイダイナキバLO
ウガツホムラex×1 こだわりベルト×1
実はシティリーグ当日朝にテツノカイナ軍団とアローラロコンに詰まされる夢で起きたため、ワンパンでとれるウガツホムラを入れた笑
もともとこだわりベルト+れっかばくしんの不意の1撃が、アルセウスやルギアに強いなと脳内で思っていたのもあるため採用に至る。
ちなみにシティリーグ当日はこのカードのおかげで勝ちまくり、当日夢を見せてくれた神に感謝したのだった。
なかよしポフィン×3、ネストボール×4
ポフィン4、ネスト3の構築も多いがロトムVを1tに置くことを何よりも評価しているためこの配分。
先手であれば1tポフィンにアクセス出来なくても、そくせきじゅうでん×2から進行して間に合う展開も多く、後手はサポート権があるためポフィンはペパーからアクセス可能。
この構築ではハバタクカミ、ウガツホムラにアクセスしやすい点もネストの方が評価が高い理由。
勿論枠があれば4-4にしたい。
フトゥー博士のシナリオ×1
相手がサイドプラン2-2-2で考えられやすい構築のため、そのプランを突然マッハサーチから崩す1枚。
悪リザードンミラーもリザにダメカンを乗せあう展開になりやすいため、場をリセットする意味でも強力。
疑似的な入れ替え札にもなるため、当日はかがやくリザードンスタートを解除したり活躍した。
ツツジ×1
終盤最強の捲り札。
手札干渉からハンドを抱えた状態でのマッハサーチがあまりにも強力で、何回もこのカードから捲って勝利した。
ピジョットex+ツツジ、これからも必ずお世話になる組み合わせだろう。
ジェットエネルギー×1
入れ替え枠。
ポケモン入れ替えと違ってペパーではサーチ出来ないが、
エネルギーなのでハバタクカミ、ウガツホムラの無色エネになる
ウガツホムラ、かがリザの技の反動をピジョットexがいなくても解除出来る
ビワ、野盗三姉妹で落とされない
マッハサーチがあるので緊急で必要でも持ってこれる
この点からポケモン入れ替えよりも優秀と判断した。
ACESPEC枠
マキシマムベルト×1
ACESPECはプライムキャッチャー、ヒーローマント、マキシマムベルトどれも強く選択はかなり難航した。
ただ今回はテツノカイナをワンパンすることに命を賭けたかったためマキシマムベルトに。
また悪リザードンミラーで他のACESPECを見せると、簡単にサイド2-2から新品のリザードンで殴られるのが気になっていたため、そこを抑制する意味でも悪くはない選択だったと思う。
不採用枠
デヴォリューションケア
デヴォリューションに関しては、ビーダル型の流行により数を減らしていたのを確認していたため無対策。
一応ミストエネルギーはロストに強い面もあるが、ウガツホムラの採用に合わせてスペースが無くなり泣く泣く不採用。
リザードはキャンコロ手裏剣が嫌い過ぎてHP100。
シティリーグ当日レポート
1回戦 テツノカイナ軍団 〇
先ほど触れたがまさかの夢に見たテツノカイナ軍団が初戦。
スタートは先攻ヒトカゲ単騎ボール無し、相手小ミライドン・・・・
ワンパンされて終わると思ったトップドローロトムV!
そくせきじゅうでんでターンを返し、ブーストエナジー付けたミライドンでヒトカゲを落とされる。
ロトムVにエネ貼りポフィンで展開した後逃げてポッポ前出しそくせきじゅうでん。
ミライドンでポッポも落とされるがこれで残りサイド6-4。
ボスが無い構築も多いことを知っているため、安心して裏にピジョットを立てつつカウンターキャッチャーでカイナ呼びリザで落とす。
そのままリザがアームプレスを1回耐え、ボスをサーチしつつ2-2-2進行が間に合い勝ち。
テツノカイナに怯えデッキリストを確認していたことが勝利に直結した。
2回戦 マスカーニャex 〇
完全初見。
まずマスカーニャをサーチされるまで効果も分からなかったが、気づいたらマスカーニャexの特性からかがやくフーディンの特性、技のスクラッチネイルでリザードンがワンパンされた。
完全に初見殺しを食らい、焦ってとりあえずかがやくフーディンを落とそうとカウンターキャッチャーなどの準備をしているとここであることに気づく。
『あれ、こいつ炎弱点じゃね・・・』
突然の方向転換からぎりぎり"ウガツホムラ"の準備が間に合いマスカーニャワンパン。
返しウガツホムラが倒されるも、手札干渉+かがリザでまたも弱点ワンパンしそのままサイドレース勝利。
3回戦 サーフゴーex 〇
序盤ポフィンで展開出来るもサポートが無い。
ぎりぎり先2でアメリザが揃いコレクレーを倒すも、返しサーフゴーブン回りでリザが落とされる。
そのまま何も引けずポッポを重点的に狙われ残りサイド5-1。
万事休すと思ったトップドローで引いてきたのは"ツツジ"。
6枚引き込んだ先にはアメリザ!
前のサーフゴーを倒し裏にサーフゴーは1匹、手札干渉でボスも引けずエネルギーも足りず、そのままそのサーフゴーも倒し大逆転勝利。
サイドの残り1枚がサーフゴーだったらしく、細い勝ち筋をリザードンのカードパワーで制した一戦だった。
4回戦 ビーダルリザ ×
思い出したくもない試合。
サイドレースは順調に有利で進み最後ハンド全切りでハイパーボールネオラントサーチ。
何らかのサポ―トで勝ちだった場面、特性を宣言しようとしたところお相手から一言。
『崩スタあるんで置けませんよ』
自分のベンチは4枚、あろうことか自分で張った崩スタがそこには存在していた。
敗北。
5回戦 アルセウスギラティナ 〇
序盤ブン回られなんとスターバース無しでアルセウスギラティナ完成。
しかしトリニティノヴァの返しウガツホムラベルトを用意しワンパン。
返しギラティナでワンパンされるもそのターンベンチにアルセウスVが登場。
そのアルセウスVをマッハサーチからカウンターキャッチャーで呼び、リザードンでワンパン。
そのまま相手はスターバースを使えず、2-2-2-のサイドプランが間に合い勝利。
ウガツホムラ最強。
6回戦 ルギア 〇
開始時バトル場を開けたら相手ルギア単騎。
先1で手札にウガツホムラ確認。
出さずにしれっと前のヒトカゲにエネルギーを張りエンド。
相手はベンチ展開無くかぜよみ。
即座にウガツホムラ出し逃げアメリザれっかばくしん。
勝利。
ここで5-1予選抜け確定。
決勝トーナメント1回戦
ルギア 〇
ルギアを2体出されれっかばくしんイージーウィンは出来なかったが、マッハサーチからウガツホムラベルトを用意しサイドレースに食らいつく。
最後相手は前のウガツホムラを倒すか裏のピジョットを倒すかの判断、選択したのはボスでピジョットをスペシャルころころし残りサイド2-2、こちらのボス無しお祈り。
手札のボスの指令でルギア呼びれっかばくしん勝利。
準決勝
ロスバレ 〇
サポート無し、ボール無しで立ち上がりがかなり厳しく相手はポフィンからキュワワー連打。
こちらが事故ってるのを見てロストを5枚で止め、回すよりもウッウでポッポを優先的に落としてくる。
途中仲間を呼ぶでハバタクカミを置くか迷ったが、もう勝ち筋がハバタクカミ+手札干渉をクリティカルに当てる以外無いと判断し、山に隠してロトムVを呼びそくせきじゅうでん連打。
相手がロストの枚数を止めてくれていたので、サイド3枚まで取られたところにナンジャモ+ハバタクカミをぶち当てる。
そのまま相手は止まり、こちらはハバタクカミにアメリザでエネルギーを張って殴り続ける。
サイドが逆転したタイミングにカウンターキャッチャーで解除されるが、もうサイドレースが間に合わず勝利。
ハバタク神。
決勝
イダイナキバLO 〇
ハバタクカミがイダイナキバに弱点+裏に20点を置けてワンパンし続けられるため、起動出来ればまず負けない対面。
サイド落ちだけはやめてくれと願いつつ最初のハンドを開けるとその中には・・・
しっかりリザも起動しハバタクカミで殴り続ける。
途中丸裸のリザードンがカウンターキャッチャーで呼ばれるが、マッハサーチからフトゥーで回収。
ナンジャモ、釣り竿を抱えつつなんなく勝利。
決勝ハバタクカミスタートは流石に神が勝てと言っていたような気がした。
おわりに
結果的にはシティ優勝と出来過ぎた結果にはなりましたが、初心者にしてはいい感覚を掴めてデッキリスト、プレイ共にそこそこ満足いく形にはなったと思います。
今後ここまでまたポケカに打ち込める機会があるかは分かりませんが、いい経験になったのは間違いないので今後に生かしていきたいですね。
最後にポケカに誘ってくれて練習に付き合ってくれた新潟ギルドの皆さんに感謝を送ります!ありがとうございました!