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薬学部がなぜ人気ないのか?(その2)

こんにちは。ごちタンです。
前回(その1)では少子化の影響、医学部との比較、オープンキャンパスなどでの努力についてお話ししたと思います。前回の分はこちらから↓


今回(その2)では薬学部卒の方が多く就く職業「薬剤師」のイメージに関して触れていきます。


・薬剤師のイメージと乖離

皆さんは「薬剤師」ときいてどのようなイメージを浮かんできますか?「薬に詳しい人」「薬局・病院にいるスタッフ」「たまに学校に来る人」「医師よりも気軽に話せる」などのイメージを思い浮かんだ方もいると思います。「収入が安定している・安定しているから一生を不自由なく暮らせる」といったイメージもあるようです。
「株式会社クラレ」が行った『新小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「就かせたい職業」』のデータによると面白いことがわかりました。

まず男女総合で見た場合、トップ10に「医師」が入っており、看護師はトップ10に入っていません。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000030817.htmlより引用

次に男女別でみてみますが、男女ともにトップ20にも「薬剤師」は入っていません。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000030817.htmlより引用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000030817.htmlより引用

新小学1年生に聞いたアンケートなので「知らないことが多い」というのを加味すれば当然だ思います。(学年上がれば変わると思いますが…。)

逆に親世代はどうでしょうか?


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000030817.htmlより引用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000030817.htmlより引用

男の子の親はぎりぎりですが、両方に「薬剤師」がトップ10に入っています。女の子の親については過去データから見ても同じくトップ10に入っています。私の話ですみませんが、私が実習の際に患者さんとお話しする機会があり、このような会話がありました。「薬剤師になるんやろ?将来安泰やな。」と。これは男性・女性にかかわらず聞く機会が多かったです。

このように、「存在」「良いイメージ」が多くある中で、「薬剤師の仕事内容」についての意見は調べた限り見つかりませんでした。

・薬剤師のメリット・デメリット(学生目線)

私個人の意見が多く入ってしまいますが、メリット・デメリットをお話して
いきます。

・デメリット

最初はデメリットからお話していきます。理由としては「現実」を一般の方に知ってもらうためです。薬剤師になるためには”6年制”の薬学部に行く必要があります。国公立であれば学費は少なくて済みますが、私立となると留年した時の負担はかなり大きいです。「留年の話をするなよ?」と思われるかもしれませんが、「薬学部=留年リスク」はあると思ってください。どのタイミングになるかわかりませんが、私の場合は卒業のタイミングで留年しています。さらに大学別では文科省のデータを見ていただきたいのですが、ストレート進級率を見ていただくと、4年次までの進級率が低い大学があり、その大学に合格して行ってしまうと「留年リスク」は大きいと思っていただいても大丈夫だと思います。
次に業界についてですが、この記事の(その1)で「薬学部自体が多い」という話をサラッとしたと思います。さらに現場での話になりますが、医薬品の出荷調整についてはご存じでしょうか?これも結構複雑な問題なのですが、これに振り回されているというのが現状です。中にはない医薬品を処方するDrもいる中で現場は疲弊しています。お気づきかもしれませんが、意外tブラックなことはあります。
まとめますと、「薬剤師」になるまでにかかる費用や時間、勉強量などで夢をあきらめる人がいたり、現実を見ると在学生にも「このまま薬剤師めざしていいのか?」という迷いや悩みを持つ学生は多いです。ほかのnoteの記事でも散見される通りです。

薬学部における修学状況等(2024年)↓

https://www.mext.go.jp/content/20241217_mxt_igaku-100000059_01.pdf


・メリット

デメリットを多く語ってしまいましたが、メリットも多いです。留年について話しましたが、「勉強」していれば問題はありません。多くの大学では勉強でついていけない場合のサポートをしてくれる大学は多い印象です。理由としては薬学部に集まる学生には「推薦入試で受かった人」「理転した人」「医学部など他学部目指してきた人」「ほかの理系学部にいた人」などいろいろな学生が集まります。ほかにも、後述しますが薬剤師は他医療系学部や理系学部と異なり、ライセンスを生かす職業以外でも就く方は一定数おり、就職の幅は自分が狭めない限り広いといっても過言ではありません。

・薬剤師と他職種のライセンス活かす・活かさない職業

令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると医療機関などで薬剤師として働いている人以外にも、行政で働く、大学で働く人、開発・卸で働く人など働き口が多い印象を受けると思います。ほかの医療系職種でも医療機関以外で働くケースもありますが、薬剤師も負けてないくらい多いです。記事の共有しておきます。

また、「薬学部=理系」でもあるので、職のジャンルは違いますが働き口としては薬学部が多いと言っても過言ではありません。

・まとめ

今回は薬剤師のイメージについて話しましたが、良い面、悪い面があまり伝わっていないのかなと思いました。日薬会自体、職能団体として旗振りがうまくいっていないのもありますが、「薬剤師=裏方」というイメージもあることから「”広報”がうまくいっていない」「広報しているけれど伝わっていない」「表に出る薬剤師が多くない」ということが、薬学部の人気につながってくると思います。

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