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薬学部がなぜ人気ないのか?(その1)

こんにちは。はらおです。
今回は「薬学部の人気低迷」について実際薬学生でもある私がお話ししたいと思います。下手な文章ですみませんが読んでくださるとありがたいです。

・薬学部の現状(大学数と募集停止)

現在、日本には薬学部のある大学が全国で77大学あるとされていますが、24年4月に姫路獨協大、25年01月に医療創生大の2校が薬学部新規学生募集の停止を発表しました。近年囁かれていた「薬学部の募集停止」はついに始まったと言っても過言ではありません。募集停止についての理由は主に「経済的事情」が言われていますが、それ以前の理由としては「少子化の影響」があります。
多くの方は「薬学部多すぎでしょ」って仰ると思いますが、私もそう思います。ただ、すべての大学が「共通カリキュラム」と「独自のカリキュラム」が存在しており大学が運営されていることは留意していただきたいです。

・長年続く医学部人気と薬学部不人気

ご存知だと思いますが、近年の大学受験では医療系の中でも医学部の人気は絶えません。一方で薬学部に至っては定員割れが多い大学もあり、倍率高くて人気の大学はごく一部です。このような状況になった背景としては1、医師というビジネスモデルの具体性、2、医師は薬剤師に比べ憧れを抱くような職業として描かれる作品が多い、3、事情の3つに分けられると考えています。

1、医師というビジネスモデルの具体性

医師は薬剤師に比べ収入差があると思う方が多いと思います。額面上の金額では実際に多いと思いますし、美容外科など自由診療において保険診療と異なり料金形態が施設ごとに異なることもあるため多くなると思います。薬剤師に比べ医師の収入が多いことはおわかりいただけるかと思います。他には医療機関に勤務せずアルバイトとして働いている方々もいらっしゃるかと思います。その方々との時給差を見ても医師は薬剤師よりも多く収入を得ています。(例:医師平均5000円以上、薬剤師平均2500円程度)このことから「稼ぐためにはどっちになりたいか」と聞かれれば「医師」と答えたくなりますし、ビジネスモデルの具体性が医学部の方が明確だと言えます。

2、医師は薬剤師に比べ憧れを抱くような職業として描かれる作品が多い

近年、医療について描かれる作品が増えシリーズ化されたドラマや映画になる作品も出てきました。その中でも医師を題材にしたドラマ(医龍やコード・ブルー)が大半を占めることは多くの方に分かっていただけると思います。診察から手術まで色々なシーンが出てきますから、そういった事を学びたい人がいたり、自分が何かの病気を持っていてそれについて調べたいなど…で動機が何であれ、医師になるにはまず「医学部」という選択肢が出てくるのは医学部目指してる人にもあると思います。実は私もありました。
一方でですね、「薬剤師」について目を向けると描かれる作品は少なく、ドラマ化されたものであれば「アンサング・シンデレラ」1作品が思い浮かんだ程度です。これには職業柄といいますか、目立たないところで頑張る「薬剤師」と表に立って頑張る「医師」というイメージが誰しもが持っており、いざ作品にするとなると視聴率とか考えると医師の方を題材にしやすいんですよね。なので医師になりたい人が憧れを抱きやすい職業になってる事が学部の人気につながるという事をわかっていただけるかと思います。

アンサングシンデレラコミック(おすすめ)

3、事情

このような書き方をすると「家庭の事情」って思われた方もいると思います。確かに「家系が医者の家系」「貧困で辛く医者になって稼ぎたい」といった“事情”がありますが、他にもあります。「大学受験」ですね。特に大手予備校のみならず、小さくても有名な塾でも「医学部」に特化したコースが作られており、すなわちこれは「市場が大きい」ということを意味するんですよね。これについて私は何も言いませんが、少なくとも「100%受かる人は限られてるんだよ!」ってことはここで共有しておきたいです。

話を戻しまして、他にも事情があります。「医療現場における事情」についてです。「医師は診断のプロ、薬剤師は薬物治療のプロ」と耳にされたことありますか?実は医師が何でも決めてるイメージがありますが、実際には医師が症状を薬剤師に伝え適切な治療薬を提案する業務は意外と多い印象です。爺医と呼ばれる高齢医師の中にはまだ「ワシが決める!」みたいに面倒な方もおられます(笑)。つまり現場の事情とは「権限」の問題で、処方云々の話含め医師の権限が強すぎるという事情があります。例えば「この薬飲みにくいから違うのにしてほしい」って薬局で言った時に薬剤師が電話してるところ見たことないですか?あれって「疑義照会」って言って処方変更してもらう時や飛んできた処方箋に飲み合わせがアカンものとかあれば医師に確認して変更してもらってるんですよね。これも薬剤師の業務の1つではあるのですが、薬剤師ができることって意外と限られているんですよね。

色々事情について簡単に書きましたが、何も知らない人からすれば「あっそ」で終わるのですが意外とこの問題は深刻で、知られていないと職業云々の前に職種を今以上に簡単に育成できなくなる可能性が秘めています。今少子化の日本は今後人口が減っていきますが、人数的には医師34万人、薬剤師32万人いても国民一人当たりの医師・薬剤師数って不足しています。特に薬剤師は「袋詰め師」と言われることが多くなってきましたが、決して必要のない職業ではないのです。その中でも合わせていかなければいけない医療業界、医療人を育成する医療系大学を簡単にまとめますと「一枚岩ではない問題」というのが年々増えているという事情があります。

・毎年変わる大学受験の傾向と大学の取り組みは時代の波に乗れるか?

薬学部の人気低迷について、大学側が何もしていないわけではありません。オープンキャンパスの開催はもちろんのこと、高大連携教育や近隣の高校と連携して1日授業とか、とにかく時間の有する限りやってます。ではなぜ厳しい状況になっっているかと言いますと2つ理由はあります。1つは「少子化の影響」なのですが、もう1つは「大学受験の特殊性」です。一般に大学に入るためには一般・公募・推薦などの試験が科されるところが多いと思います。ここで挙げる特殊性は「受験生の需要」になります。大学自体選ばなければ地元にある大学に進学することがあると思います。しかし、受験生全員が地元の大学に行くかと言われればそうではありませんよね。「旧帝大・国公立、難関私立大に行きたい」「行きたい大学や学部が県外・遠方にある」などの「特殊な需要」が存在します。これらの条件全てを持ち合わせることは医療系大学・学部でも難しいです。先ほどカリキュラムがあると話しましたが文理問わず存在しており、大学や教員もそれに合わせて授業を構成しています。ただこれだとどこの大学でもいいのでは?となるため、各大学は「工夫」をしています。薬学部の話では恐縮ですが、地域に根付いた「コミュニティ重視」のカリキュラム構成、「東洋医学もしっかり学べる」カリキュラム構成、「チーム医療を重視・学べる」カリキュラム構成などエリア(東北や東海など)に合わせたカリキュラム構成もあります。これは受験生目線でもあるんですよね。親としては「国試合格率」であったり、留年率が高い薬学部での勉強に関して「大学の取り組み」を気にしているのを直接聞いたことがあり、大学もこれらに答えていたりしています。なのにうまくいかない大学があるのか?私なりの推測になりますが、「在学生の意識」ではないかと考えています。何も問題なく卒業までいけたらいいのですが、うまくいかないことだってあります。留年率がそれを物語っていると言っても過言ではないでしょう。 
まとめますと、受験や大学の取り組み自体は時代に乗れている大学さんは乗れているのですが、在学生の頑張りで頓挫しているところが多いのかなと考えています。

長々と書きましたが、まだまだ薬学部人気を取り戻すためにも書くことがあるので、
続き書けましたら投稿いたします。

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