【この歌詞がイイ!】『きゅうくらりん』より「喜びより安堵が先に来ちゃった」

最近のボカロや音楽的同位体の曲って、心情の描写の仕方がおそろしくリアルだと思うんですよね。どうやら「病み曲」という、人間のメンヘラチックな内面を取り上げた曲のジャンルがあるそうですが、聴いているとこっちまでつらくなるんです。『きゅうくらりん』はまさにこうした「病み曲」の代表格じゃないかと思います。拍手したくなるほど聴いててつらい歌詞です。

その中でも私の琴線にビシッと触れたのは「喜びより安堵が先に来ちゃった」という部分。これはどういう意味なのかと言いますと、語り手の女の子?には恋人がいるのですが、その人と会って時間を過ごします。そして「また明日ね」とお別れしたときに語り手の心にあったのがこの一文なんですね。この語り手は、恋人と一緒にいられた満足感よりも、「嫌われずに時間を過ごすことができた」という恐怖からの開放感が先に来るんですね。極端に自己肯定感が低い語り手の性格が、たった一文で、ぐさっと説明される。いやあ、お見事。
それではまた次回お会いしましょう、ぐーばい!

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