粛清編-前編- の整理(Shadowverseメインストーリー)
この記事にはShadowverseメインストーリー粛清編-前編-のネタバレがたくさんあるので、まずはストーリーを一回見てください。
この記事は、一回見ただけだとなかなか飲み込めない粛清編-前編- の内容を理解しやすいように整理をする記事です。あくまで私の解釈を含むので、間違ってる部分があると思うのでそこらへんお願いします。
一応、閲覧注意です。キモいので。
追記
公式ネタバレ
オーセン村・ポリュー村の人々
本ストーリーの登場人物は「覇王軍」「村人」に分けることが出来ます。
まずは村人の共通点。
村人はネルヴァの信者である。
村人の目的はネルヴァを世界に呼び出し、世界の全てを無に帰すことである。
村人は触手状の異形である。(発話不可)
しかし、ストーリー序盤からアシュレイが《ルベスヴェナル》の意味を知らなかったり、オーセン村の牧歌的な雰囲気からは、これらの共通点を全く感じさせません。
それはなぜでしょう。
私の解釈になりますが、それは、村人の多くは記憶が封印され、認識を改変させられており、自分のことを平和な村の人間だと思い込まされてるからです。
なぜそうしているかは後述。
もちろん、村長のように最初からネルヴァのことを知ってる人もいますが、基本的に知らない人のほうが多いです。
そのため「村人」のくくりのみだと、物語が理解しにくくなると思ったので、以下
「全てを把握している上層部の村人」→ 上村人
「全て忘れている一般村人」→ 一般村人
「上村人と一般村人の総称」→村人
「ネルヴァの器候補」→ 器
として分けます。
《ルベスヴェナル》
《ルベスヴェナル》はネルヴァ降臨の儀式。
その手順は
祈りを捧げ《ゲルプ》を育てる
十分に育てた《ゲルプ》を器に注ぐ
成功するとネルヴァ降臨
この時、ただ祈るだけでは不十分で、その祈りには、雑念が無い純粋な気持ちが必要です。
世界の破壊のため祈ること
自分が人間で無くなってしまったこと
世界に対する怨嗟、憤怒、悲愴。
これらを忘れ、ただ当たり前の慣習・使命として祈ることで、雑念なく《ゲルプ》を育てることに成功しています。
また、推測になりますが、上村人は記憶を保持したまま、一般村人がネルヴァの力を使って記憶と認識を改ざんしていると考えられます。
これらを踏まえると初見では理解しづらい箇所も分かると思います。
村人と覇王軍の見え方の違い
(村人⇔村人) → 人に見える・会話可能。
(覇王軍→村人)→ 触手に見える・会話不可。
(器→村人) → 触手に見える・会話不可。(後述)
(器⇔覇王軍) → 人に見える・会話可能。
リディア・エレナ
器から見たアシュレイはもちろん触手に見えます。
しかし、器に《ゲルプ》を注ぐことで、器は触手と会話できるようになり、それ以前の記憶はなくなります。
それでも、器から見たアシュレイは触手に見えます。
触手を人と認識するには、それ以上にゲルプを注ぐか、それと関係なく別の方法があるのでしょう。
もっとも、器はその体が必要なため、必要以上に《ゲルプ》を注ぐことはないでしょう。
アシュレイ
本作の主人公と思われていた彼は意外にも、自らの剣を突き刺し、人生に幕を下ろしました。多くの人がなぜ自害したのか理解できないかもしれませんが、私の解釈を述べます。
「だったら俺は、運命とか使命とか、そんな話ですら、なくって、出会いさえも最初から(間違っていた?)」
おそらく彼は、前述の認識の歪みを、サンタテレサによって強制的に取り除かれ、それと同時に自分の正体と村人の目的について思い出したのだと思います。
つまり、ついさっきまで「村人みんなの願いを叶えたい」「大好きなエレナを守りたい」と思っていたのに、自分の行いが、村人の破滅願望のため、エレナを生贄にして世界を消すことに繋がると思い出したわけです。
その結果、アシュレイが選んだ選択は「エレナを村人の願いの呪縛から開放すること」でした。
エレナを守るために使命を放棄し、村人の願いの成就を妨害することで彼女を自由にしたかった。そのためにアシュレイを運命の人と信じるエレナの目の前で自殺し、運命を否定したかったのだと考えてます。
もちろん一刻も早くエレナを自由にしたかったというのもあると思いますが。
使命に翻弄されながら、それでも大切な人を守ろうとしたアシュレイ。惜しくも、その願いが果たされることはなく、ネルヴァについて理解しきれていないエレナは、アシュレイから使命を受け継ぐ形で旅を続けてしまいました。
蛇足ですが、一連のアシュレイの行動は、皮肉にも雑念なく《ゲルプ》を育てるために記憶を封印する行為の正当性を示したと思います。
クラトス
最後にしてラスボス(考察的な意味で)。
彼についてわからない人は一番多そうですし、公開されてない情報も多く、考察しがいのあるキャラの一人です。
ざっとまとめると
クラトスは対ネルヴァ兵器として作られた。
その力はネルヴァを「なかったコト」にできる
真の目的は覇王軍の皆には伝えていない
やはり問題となるのは、「なぜ真の目的を覇王軍の皆には伝えていないのか」でしょう。それは、彼の目的がネルヴァによって歪められた因果を修正であることに起因します。
クラトスの目的は、ネルヴァによって歪められた世界の修正ですが、それは同時に、ネルヴァを殺すための存在である自分の抹消を意味します。クラトスはネルヴァに対抗するために造られた存在であり、ネルヴァが存在しなければ造られることも無かったのですから。
→この部分不明瞭。クラトス自身は消えない可能性もある
彼の部下(ドラグラム・サンタテレサ含めて)はクラトスを救世の英雄として忠誠を誓っていますが、クラトスの本当の目的を達成すると、彼らは出会った歴史や記憶すら残せません。
実はクラトスの真の目的は、部下に対しては裏切りに近いのです。
そもそも、覇王軍から見たら、クラトスの真の目的が世界を救う行為と言えるかすら怪しいです。彼らの考える(というか一般的に)救世とは「苦しみの多い今の世界から人々を救うこと」ですから、未来を良くするだけでいいのに、過去まで変える必要はないのです。
それでもなお、クラトスは、世界を救う英雄として敵を倒し偉業を成し遂げるのではなく、世界の根本を絶ち運命の逆転を選んだのです。それはなぜか?
それは彼が敵味方問わず全てを救いたかったから。
彼は覇王軍の部下には、敵の殲滅と戦場での死を命じているが、本心では、この戦いによって生まれる犠牲に心を痛め
異形と化した敵すら、手を差し伸べて救いたいと思い
普遍的な全ての存在を愛し、全ての人の笑顔のためならどんな自己犠牲でも厭わない。まさに真の救世主。
それこそがクラトスの人物像なのです。
しかし、その願いはリディアによって妨害され、ネルヴァの降臨を許してしまう結果となった。
彼は今まで積み上げてきた思いを最後にエレナに託し、その生涯を後悔で終えました。
本ストーリーを読んだ私の感想
めちゃめちゃ面白かったですね。
二転三転する状況に、ふんだんに散りばめられた伏線。駆け足ながらも、考察の余地を多分に含んだ、何回も読んで咀嚼する楽しさと初見のインパクトの強さを兼ね備えた素晴らしいストーリ-に感じました。多分読むときに一番SAN値が削れるストーリーだけど。私がShadowverseのメインストーリーの「味」だと思う所は「対比構造」だと勝手に思っています。本ストーリーで、それは「運命」「愛」をテーマとして描かれ
「運命となることを求めたリディア・エレナ」
「運命を否定したかったクラトス・アシュレイ」
「特別な彼の愛を求め、最後に全てを消したリディア」
「普遍的なみんなのため、全てを救いたかったクラトス」
この2つの対比が美しくて大好きです。
そんなわけで、みんなも、もう一回読んでストーリー考察しよう!!!