2024年の医療的ケア児者支援を考える
運営の大須賀です。皆様、明けましておめでとうございます。今年も本会の活動及びnoteをよろしくお願いいたします。新年一本目として、今年の医療的ケア児・者における制度変化の見通しについて2つのトピックを中心に考えたいと思います。1つ目は、障害福祉サービス報酬改定の医療的ケア児・者関連での記述を見ながら考えたいと思います。2つ目は、通常国会で行われると見込まれている医療的ケア児及びその家族に対する支援法律(通称:医療的ケア児法)の改正について考えたいと思います。
障害福祉サービスの報酬改定についてです。適応されるのは4月からとなります。障害福祉サービス報酬改定は、慣例として3年に1度行われます。全体としては、+1.12%とプラス改定になりました。本題の前に、障害福祉サービス報酬を簡単に説明したいと思います。サービス単価というイメージでよいと思います。基本的に、障害福祉サービスは国の福祉行政を担う厚生労働省が決め、運用することになっています。今回は、細かい金額について解説は致しませんが、医療と福祉の連携の推進という柱を中心に情報共有していければと思います。引用するのは、厚生労働省から出されている「令和6年度障害福祉等サービス報酬改定の基本的な方向性について」というPDFの資料を基にお伝えします。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36775.html)。ご参照ください。ここからは、中身について考えます。医療と福祉の連携の推進の基本的な考え方の一つに、「医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケア児の充実(以下割愛)」とあります。これまでの医療的ケア児・者の関連政策の中心は、医療的ケア児だったと思います。今回の報酬改定で、医療的ケア者の支援に重点が置かれました。成人期に注目が集まるのは、今後多く医療的ケア児が特別支援学校卒業すると予想されるのに伴って、生活介護等の受け入れ体制を整備する狙いがあると思います。すぐには、変わらないとは思いますが、こういう環境整備が重要ではないかと思います。
医療的ケア児支援法の改正についてです。医療的ケア児支援法は、2021年に施行されました。昨年10月に千葉市で行われた第48回日本重症心身障害学会で講演された前田和利医師は、「改正に向けて動いている」とおっしゃっていました。法改正のポイントでも、18歳以上の医療的ケア者になると思います。前田医師は、法律を作った永田町こども未来会議にも関わっていることから法律制定した裏側を中心に講演していました。当時も、医療的ケア児支援法ではなく医療的ケア児者支援法にしようという動きもあったといっていました。しかし、調整がつかず継続課題と言っていました。先ほども言いましたが今後多くの医療的ケア児が特別支援学校卒業を迎えるに伴って、法整備が重要になってくると見られます。
私の専門は、医療的ケア児における高等学校卒業後や特別支援学校高等部卒業後の進路問題です。私自身も引き続き、18歳以上の医療的ケア児・者に関する諸制度を勉強します。引き続きこのnoteでも情報共有などをさせていただきます。