医療的ケア児の特別支援学校における通学支援を考える
運営の大須賀です。今月は、「医療的ケア児の特別支援学校における通学支援」というテーマで考えます。
(https://youtu.be/z9p5encmKgQ?si=KOevmZXhTFo_T9k5)を基に考察していきます。医療的ケア児の教育問題は、インクルーシブ教育を中心に論じられることが多いです。一方、特別支援学校の教育環境にも課題が多いです。その中でも、通学における課題が最初にぶつかる問題だと思います。
今回、参考にした動画の概要だけ軽くまとめてからいろいろ考えてみたいと思います。青森県に住んでいる、医療的ケア児の米田結衣さんは来年度小学校に進学を控えています。保護者の米田萌子さんは今、特別支援学校の進学をめぐって悩んでいます。親子が在住する青森県十和田市には特別支援学校はありません。進学先の候補は2つありますが、いずれも欠点があります。六戸町の特別支援学校は、家から通えますが送迎のため保護者である萌子さんの就労へ影響が出ます。一方、八戸市の特別支援学校は、遠方のため県の施設に入れなければなりません。米田萌子さんは「まだ小さいし、施設に入れるのはちょっと」と言っていました。
特別支援学校には、訪問学級と言い通学が難しい児童・生徒のお宅や施設に先生が出向いての授業方法があります。しかし、教育効果を考えれば最終手段であるべきだと思います。子どもの権利条約第9条にあるように、障害の有無や医療的ケア児の有無にかかわらず「親と引き離されない権利」があります。軽々しく施設に入れるというのは、利点も多いでしょうが子どもの権利条約に鑑みれば極力避けられなければならないと思います。となると、スクールバスの活用が考えられますが、スクールバスには医療的ケアがやれる看護師が同乗していないため医療的ケア児は乗れません。文部科学省は、学校設置者である自治体に対し通学支援の補助事業を行っています。実施状況を見ると、都市部では運用事例があります。一方、地方部は中々進んでいない面もあります。人員体制の問題が推察されます。とは言え、教育を受ける権利は当然あると思います。重要なのは、一人ひとりにあった教育体制の充実だと思います。本事例の話に引き寄せるならば、医療的ケア児のためにスクールバスを物理的課題があると思いますが、走らせても良いのではないかと思います。
私たちも、教育の問題ではなく福祉の問題として考えなければならないと思います。
<大須賀 脳性麻痺当事者。学生>