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映画『罪の声』

劇場版鬼滅の刃(無限列車編)と同時期に公開されていた作品。鬼みたいな人間がいっぱい登場するし、心を燃やさないと立ち上がれないくらい落ち込みます。
でも、様々な人間の過去や未来、願いを描いていて「これから」に希望を灯してくれる、そんな作品です。

京都でオーダースーツの店を営む曽根俊也は、ある日、父の遺品から古いカセットテープを見つけます。ラベルには“1984”の数字。好奇心から再生した俊也は、幼少の自分が、ある未解決事件に関わっていたことを知ってしまうのでした。
新聞記者・阿久津永士は、この未解決事件を追う特集記事に参加することになり、取材を重ねる中で、ついに俊也のもとを訪れます。

実在する事件を基盤に書かれた塩田武士さんの小説『罪の声』(講談社)を、星野源さんと小栗旬さんを主演に実写映画化しているのですが、脚本、監督、美術、音楽…全てが素晴らしく、私は公開中、周囲に無限列車以上にこの作品を推していました。 

事件の犯人は犯行において、子どもの声で録音したテープを使うのですが、俊也を含めて三人の子どもが巻き込まれています。
あとの二人は、どんな子どもなのか。
今、どうしているのか。
なぜ、自分たちが選ばれてしまったのか。
謎や疑問は増すばかり。
そして、俊也には妻と娘がいます。
自分が事件に関わっていたことが明るみに出たら、自分たち家族は、娘の未来はどうなってしまうだろう。
知りたい気持ちが膨らむほど、情報を集めるほどに、恐怖や不安も増していきます。

上映時間は2時間22分。
現代と過去が切り替わり交差するストーリー展開ですが、違和感や中弛みは全くなく、お見事!と拍手を贈りたくなるほどに巧みに構成されています。

小栗旬さんは沢山の作品で魅力的・重要な人物を演じていらっしゃいますが、私はこの作品の阿久津がずば抜けて大好きです。なんとなく「素の小栗さんって阿久津っぽいのかな?」と感じました。
星野源さんはアーティストやコメディアンの顔をよく見ているので「笑顔の人」なイメージでしたが、俊也はほとんど笑いません。むしろ苦悩の表情ばかり。
プロデューサーさんが熱烈オファーをされたそうですが、大いに納得です。

明るくて楽しい物語ではないのですが、推し作品です。
主題歌『振り子』(Uruさん)も、すごくいいんです。映画を見て、主題歌を聴いて、なんとも言えない感情にひたる。そこまで構成されてるんじゃないかな、と今は感じています。







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