本紹介『あけびさんちの朝ごはん』
書名:あけびさんちの朝ごはん
著者:石井 颯良(いしい さら)
出版社:KADOKAWA
急逝した従姉の忘れ形見(高校生の兄と保育園児の妹)を引き取ったあけびさん。27歳。
婚約破棄をして、仕事も家も失ったばかりという、なかなかヘビーな境遇ですが、3ヶ月で仕事を見つけると宣言し、2人の保護者を始めます。
ぎこちなく始まった3人での生活は、あけびさん自身の過去や心をも癒していくのでした。
妹・咲希ちゃんの無邪気さと純粋さ(時々癇癪)は、思わずほっこり。
兄・幸希くんの頑張りすぎな姿には、切なくなりながらも共感する人は多いのでは。
もう一人登場するキーパーソンについては、ぜひ、読んでからのお楽しみにしておいてください。
少々上手く行き過ぎな感じではありますが、所々に幸せを感じられる、すてきなお話です。不慣れなお料理に奮闘するあけびさんからも、おいしいレシピが学べますよ。
食べること。
寄り添うこと。
この物語は、大人と子ども両者の視点から、この2つの喜びを教えてくれます。