見出し画像

『太朗と あなたと 〇〇と』第7回 (2024年8月5日・12日放送)

お相手:松田 太朗(ゆめのたね放送局札幌スタジオパーソナリティ)・
やまだ まきこさん(PAさん、ゆめのたね放送局札幌スタジオリーダー)

はじめに…第7回の〇〇(テーマ):北海道、夏の風物詩と・その1

 みなさま、いつも『太朗と あなたと 〇〇と』のアーカイブページへのアクセス、そして過去放送回をお聴きくださりありがとうございます。
 実は第7回はJASRACに登録されている楽曲を放送でお届けしたため、著作権の関係でアーカイブを音声配信できません。何卒ご容赦ください。
 しかしながら、どのようなことを話したのか気になる方もいらっしゃると思いますので、文章にて「北海道、夏の風物詩と・その1」というテーマでお話をした内容を放送原稿でお届けいたします。


前半〜北海道の七夕って?

①北海道の七夕は
 ほとんどの地域が旧暦7月に合わせた8月7日です。月遅れ七夕で有名なのは宮城県仙台市の七夕まつりですね。ただ、函館を中心とした道南の一部地域や根室・富良野近郊は暦通り7月7日に行われます。

②ロウソクもらい
 北海道の七夕になると、子供達は

  ♪ローソク出ーせー、出ーせーよー
   出ーさーないとー 掻っちゃくぞー(引っ掻くぞー) 
   おーまーけーにー 食いつくぞ(噛み付くぞ)♪

 函館周辺など一部地域では今の歌とは少し違って

  ♪竹に短冊 七夕まつり 
   大いに祝おう(多いはいやよ) ローソク一本頂戴な

と囃し歌を家家の玄関先で歌ってローソクをもらっては回る「ローソクもらい」という行事をよくしていました。
 このローソクもらい、起源は青森の子供ねぶたや虫おくり、お盆につながる風習から来ているという説などがあります。実際戦後までは電気が普及するまで明かりとりとしてロウソクは生活になくてはならないものでした。
 ただ、僕が子供の頃になると、風習として残っていたという感じで近所の友達と各家庭を回っては「ローソク出ーせー…」と歌っていました。お菓子をもらったり、お小遣いをもらって喜んだり、歌詞通りロウソクをもらうとがっかりしていました。いやはや現金な松田少年でした。
 ローソクもらいで各家庭を回った後は、もらったお菓子を食べたり、ロウソクは火種にして手持ち花火を楽しんだりと七夕の夜を楽しんだものです。

③あれ?「ローソクもらい」って…
 ここまでお話を聞いて、みなさんの中にはもしかすると…
ハロウィンをイメージした方も多いのではないでしょうか?
実は…、そのイメージあながち間違いではないかもしれません。
どちらもご先祖様を迎えると言う意味があったり、玄関前で歌って「Trick, or Treat?」と子供たちがお菓子をもらいに行くという光景が非常に似通っていています。ハロウィンの「Trick, or Treat?」がメジャーになり始めた頃は、「そんなもん、北海道は昔から七夕でやっていたわい!」と思ったりもしました。
 しかし、北海道でもハロウィンの勢力が強くなり、今では8月の「ローソクもらい」よりも10月末の「Trick, or Treat?」がメジャーになりました。七夕の「ローソクもらい」の風習が急速に廃れつつある北海道、寂しいものがありますね。

後半〜北海道独特? 『子供盆踊り唄』

①この曲って北海道限定!?
 北海道に生まれ育ち、道産子のDNAを持つほとんどの人にとって『子供盆おどり唄』は非常に慣れ親しんだ盆踊りの歌です。これについては函館近郊は「イカ踊り」や「函館みなと踊り」で踊るので七夕同様該当しません。函館は江戸時代から発達しているのか独自文化が多いのでしょうか?
 本題に戻りまして、大人と別に子供の盆踊りがあるのは全国共通、という誤認をするのも「道産子あるある」、本州出身の人に「子供の頃って子供盆踊りを踊ったよね~」なんて話題を振っても「子供盆踊り?何それ?」と返され、生まれて初めて「子供盆踊りって北海道だけだったんだ……」とカルチャーショックを受けた道産子は僕だけではないはずです。

②そもそも『子供盆おどり唄』ができたきっかけは?
 戦前までは、大人も子供も混ざって『北海盆唄』で踊っていたのですが、旧来の歌詞が炭鉱労働者で歌われていた炭坑節で、下ネタが多い内容で卑猥だったため、戦後になり北海道教育委員会が「子供が健全に盆踊りを楽しめるというように」と企画・制作をし、作詞を坪松一郎さん、作曲を山本雅之さんに依頼し、1952年に持田ヨシ子とキング児童合唱団の歌でキングレコードさんよりリリースされました。それ以降、北海道の盆踊りは夕方からの子供の部と夜から北海盆唄で踊る大人の部の2部制となりました。なお、北海盆唄も戦後歌詞が見直されて現在に至っています。
MUSIC:子供盆おどり唄(KISH 14)

③この曲には別ヴァージョンがあった!?
 1995年、この曲には転機が訪れます。初リリースから40年以上となり、マスターなども老朽化してきたことが影響したと推測できるのですが、そのため新しくマスターを作るために録音し直し、新たなヴァージョンで新たに『子供盆踊り歌』としてリリースされました。

では、ここで幻の新ヴァージョンの演奏をお聴きください。
MUSIC:子供盆おどり唄(KISH 2163)
*総収録時間(片面)23:13のうち冒頭5分間を再生

 ここでタイムアップ………実はこの幻のヴァージョン、今では聴くことができなくなりましたがその理由は次回第8回放送で詳しくお話しております。

いいなと思ったら応援しよう!