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【創作大賞2024応募作オールカテゴリ部門】松山行きのバスに乗る。#4 新しい人生を生きる事にする。(4/5)


翌日の月曜日からは、愛美は大学へ行き、夕方からはNPOがやっている子ども食堂へ行って、ボランティアの仕事をしてから夜に家に帰ってきた。家では、私が夕食を作って、愛美の帰りを待った。愛美は、晩ごはんを食べる時に翌日の晩ごはんのメニューをリクエストするのが恒例になった。
 
木曜日の夜。
私は、スコッチエッグをリクエストされていた。
スコッチエッグは、また、私のお袋が私が子供の頃、私の誕生日の日だけ、作ってくれたメニューで、簡単に言えば、ゆで卵インハンバーグだ。
私はこれを愛美の3歳の誕生日と、4歳の誕生日に作った事がある事を思い出した。
 
スコッチエッグの作り方は、ハンバーグを焼くよりも数倍難しい。ゆで卵の表面がつるつるしていて、ハンバーグの生地と馴染まないため、すぐに表面が割れてしまうからだ。
しかし、今日のは上手くいった。スコッチエッグなんて、愛美にリクエストされなければ、絶対に作る事のないメニューだったので、何となくうろ覚えで、手探りで作り始めたのがよかったのかもしれない。慣れた手つきではなく、慎重さが際立ったからだ。
 
8時になり、愛美が帰ってきた。
彼女は家に帰ってくると、手を洗い、服をルームウェアに着替えてから、ダイニングへやってくる。
コロナウィルスの予防対策かと思って訊いたら、そうではなく、彼女は家に帰るとまず、そうするのが普通なのだそうだ。
 
上手くいったスコッチエッグを彼女は喜んだ。そして、彼女は私に言った。
「明日、これを子ども食堂で作ってくれない?」
「子ども食堂で?何で?」
「明日、お誕生日の子がいるのよ。」
少し考えたが、退職して今は暇な身だ。断る理由もない。
「いいよ。何人前作ればいいんだ?」
「20かな?」
20人前!大変だ!安請け合いしなければよかった。
「私も手伝うから、お願い。」
「分かった。」
私は明日午前中に材料を買いに行くと決めた。
ひき肉や玉ねぎや小麦粉やバターも大事だが、ゆで卵だ!
ゆで卵を20個も茹でなければならない。
 
その事を考えて、今日は早く寝ようと思った。
晩酌をしている場合ではない。
 
 
朝早くから台所で仕事をした。サプライズを思いついたからだ。
 
そして、午前中にスーパーへ行き、スコッチエッグを作るのに必要な材料を買って来た。
 
家に戻ると、私が持っている一番大きな中華鍋をコンロに置き、合計30個の卵を茹で始めた。
子供の数は、20人~23人。事務局の大人が大体4~5人いるそうだ。
それなら30個も作れば、まず間違いないだろう。
 
スマイルハウスは、営業を止めてしまったコンビニの建物を居抜きで使っていると聞いた。
だから、キッチンはあるそうだが、とにかく狭いという事だ。
そのため私は、スコッチエッグのタネは全部家で仕込み、向こうでは焼くだけにしようと考えた。
 
まずは玉ねぎをできるだけ細かく切り、それを少し色が着くまで炒め、冷やす。この時、キチンと冷えるまで待つ事がポイントだ。
私のスコッチエッグのハンバーグは、牛と豚の合挽ミンチを使う。
ボールにミンチを入れたら、そこに玉ねぎを全部入れる。
そして、小麦粉をほんの少しとパン粉を入れる。卵を割り入れ、最後に塩コショウを振る。
 
全部入ったら、このタネが全部美味く合わさるまで捏ねる。
合わさったところの少しだけ生クリームを入れて、更に捏ねる。
 
タネに粘りが出てきたら、冷蔵庫に入れていったん休ませる。
 
冷蔵庫に入れたら、昼時になっていた。
 
私は、冷凍しておいた高木ミートのメンチカツの余りを使って、メンチカツ丼を作って食べた。
 
食事が済むと、コーヒーを飲みアイコスを吸った。
そして、冷蔵庫からタネを取り出し、ゆで卵を丸め込むように成形し、出来たヤツをタッパーに並べていった。
一つのタッパーにタネが10個入ったので、タッパーは3個になった。
 
その後、付け合わせの野菜なども仕込み、別のタッパーに入れた。
 
全部できると、3時を過ぎていた。
 
愛美とは、スマイルハウスの建物の前で5時に約束している。
 
私は、また、アイコスを吸った後、台所を全部片づけ、服を着替えた。
 
そして、忘れ物がないかを確認して、作ったタッパーや鍋、保冷バッグをキャンプ用の台車に載せ、家を出た。
大きなトートバッグは肩から掛けた。
 
そして、車に乗り込み、愛美から聞いている住所をナビに設定した。
 
 
5時10分に着いた。10分遅刻だ。
スマイルハウスは、本当にコンビニの建物のままだった。
 
建物の前には、10台は車が置けるスペースがあり、今は1台だけが隅に止まっていた。
私は、その車の横に止める事にした。
 
車から必要な荷物を出していると、建物の中から愛美と若い男性が出てきた。
若いと言っても多分20代半ばのように見え、明らかに大学生ではない。
 
「お父さん、遅い!」
「すまん、渋滞が何か所かであったんだよ。」
「六浦さん、この度はお世話になります。私、ここの代表を務めております萩原と言います。」と、若い男性は挨拶をしてきた。なかなかの好青年だな、そう思った。
「これは萩原さん、日頃、愛美がお世話になっているようです。ご挨拶が遅れまして、本当に申し訳ない。」
「いや、お世話だなんて、こっちは愛美さんに助けられてるんですよ。お礼を言うのは、こちらの方です。」
「お礼合戦はいいから、荷物を全部キッチンに運んじゃわない。そのうちみんなで「腹減った!」って、騒ぎ出すわよ。」
「ああ、そうか。じゃあ、このタッパ3つを二人にお願いしようかな。私は中華鍋と保冷バッグを持っていくとしよう。」
「分かりました。」
愛美と萩原は先にタッパを持っていった。私は、中華鍋を2つと、保冷バッグを肩にかけて、中に入った。
 
ドアを開けると、すぐに広い遊戯スペースがあり、走り回ってる小さい子がたくさんいた。
小学校高学年らしき子や、中学生のような子もおり、その子たちは、座卓テーブルで勉強をしたり、壁際に作り付けてある本棚にもたれ掛かり、一生懸命にマンガを読んだりしていた。
 
本当に20人分で足りるのか?
パッと見、20人以上はいるように見えた。
 
玄関の前で、子供たちを見て、立ち尽くしている私の方へ愛美が戻ってきた。
「愛美、これって、全部で20人で足りるのか?」
「ああ、多分大丈夫よ。何人かは夕食までに家に帰っちゃうから。」
「そうなのか。」
「お父さん、キッチンはこっちよ。」と、愛美に促され、ドアの中に入っていった。
本当に狭いキッチンで、コンロの前には2人も立てない。しかも、水回りは、ドアの外にあるために、ドアを開け閉めして、行ったり来たりしなければならないようだ。
 
まあ仕方がない。
 
私は、コンロに持ってきた中華鍋を2つとも置き、火をつけてみた。火力はやや弱いように感じたが、そこまで悲観的になるほどではなさそうだった。
中華鍋にオリーブオイルをたっぷりと入れて、鍋肌によく馴染ませる。
多少鍋から煙が立った段階で、一度火を止め、鍋の温度を少し下げる。そうしないと、スコッチエッグの表面が黒焦げで、中まで火が通ってない事が起こり得るからだ。
 
休ませた鍋に、作ってきたスコッチエッグを放射線状に並べていく。
中華鍋2つともに、全部のスコッチエッグを並べられたら、中火をつける。
 
ここからは、鍋の中から目が離せない。
スコッチエッグの下半分より少し上まで火が通るのを見定める必要があるからだ。
そこまで火が通ったら、丁寧に一個ずつ、ひっくり返していく。
全部ひっくり返す事ができたら、また中火で焼く。
ここでも半分ぐらいまで火が通ったら、今度は、蓋をして3分ほど蒸し焼きにする。
これも両面とも焼く。これで、中まできちんと火が通るはずなのだ。
 
スコッチエッグが焼けた。
 
向こうでは、愛美が、一人一人のプレートに付け合わせの野菜を載せていっている。
レタスときゅうりのサラダと、マッシュポテトを付け合わせにした。
 
野菜が乗ったプレートに、私はスコッチエッグを載せていく。そしてそのプレートに、萩原が炊きたてのご飯をよそう。
 
出来上がりだ。
 
キッチンの外では、何人かの子供が「オレ、腹減った!」と、大声で言ってる。
すると、多分いい匂いがしているからだろう。高学年の子供たちが、勉強や漫画を読むのに使っていた座卓テーブルを食事用にきちんと並べ直した。そして、キッチンに入ってきて、箸やコップ、麦茶の入った大きなタンクを座卓まで運んでいった。
 
愛美が私に耳元で囁いた。「お父さん、ヤバいかも…」
「どういう事だい?」
「普段帰る子たちが、帰ってないの。」
「子供は全部で何人だ?」
「28人。それに、今日は萩原さんと、私と、お父さんだけだから、合計で31人。」
「うわ、30人前しかないぞ。愛美、スコッチエッグを半分、お父さんに分けてくれ。」
「良いわよ。」と、イヤそうな顔をしながら言った。
 
 
「今日は、マナちゃんのお父さん、六浦のおじさんが、ヒロと、ヨースケの誕生日のために特別に、スコッチエッグという料理を作ってくれました。大きなハンバーグだろう?でも、それだけじゃないんだぜ。」萩原が、湯気を立てている皿の前で座っている子どもたちに向けて、話し出した。
「俺、知ってるよ。中に卵が隠れてるんだろう?」デッカイ男の子が言った。
「カケル、正解!よく分かったなあ。」
「だって、エッグって言ってんじゃん。簡単だよ。」
「じゃあ、スコッチは、どういう意味だ?」
「…」
「ま、いいじゃない。折角の料理が冷めちゃう。」と愛美が言った。
「そうだね、じゃあ、みんなで六浦のおじさんにお礼を言いましょう。」
「六浦のおじさん、ありがとう!」「六浦のおじいちゃん、だって…」ワー、ワー…
「六浦さん、答えてくれますか?」
萩原がフってきた。急にフラれても、生憎、私には子供を喜ばせるようなトーク力がない。
「どういたしまして。このね、スコッチエッグっていう料理は、イギリスのね、スコットランドっていうところで…」
「お父さん、長い!もう、食べなきゃ。」
「そうか、ごめん。じゃあ、おじさんが、一生懸命に作りましたので、どうぞ、食べてください。」
「じゃあ、食べようか。いただきます。」
「いただきます!」
 
みんなで一斉に、スコッチエッグを割り、中の卵を喜んでくれた。
中には、ゆで卵だけを取り出し、丸ごと口に入れちゃう子も。
愛美が、「そんな事しちゃだめ!喉につっかえちゃう。」と、その子の口を開け、手で卵を取り出した。
愛美がそんな事をするなんて、思いもしなかった。
 
子供たちはあっという間に、食べてくれた。中には、皿を舐めている子もいた。
気がつくと、愛美も自分の皿を平らげていた。
私の食べる物がない。まあいいかと、思っていると、ドアが開き、三人の大人の女性が入ってきた。
「誰?」と、愛美に訊くと、「この子たちのお母さんたち。三人とも生活保護を受けているの。」
「じゃあ、ご飯、食べたいんじゃないかな?」
「きっと、そう思う。」
「じゃあ、ある物で何か作ろうか?」
「ええ、お父さん、出来るの?」
「まあ、冷蔵庫を見てみよう。」
私は厨房へ向かった。
 
 
冷蔵庫を見ると、卵がふんだんにあった。
チルド冷蔵室には、業務用の大きなポークウインナーの袋が丸々2つも入っていた。
野菜の箱を見ると、玉ねぎもある。ピーマンやニンジンがあれば良かったのだが、この期に及んで贅沢は言ってられない。
最後、大きな炊飯器を見た。半分ぐらいの飯が残っていた。
 
よし、やれる。
 
お分かりだろう。私はオムライスを作る。
 
玉ねぎをみじん切りにし、ポークウインナーは食べやすいように輪切りにする。
最初は、強火で玉ねぎを一気に炒める。玉ねぎがしんなりしてきたら、ウインナーを入れる。
ウインナーは、炒め過ぎると、すぐに焦げるので、大体油をまとって来たなという感じのところで、飯を入れる。
ご飯を入れたら、チャーハンの要領で、パラパラになるまで、鍋を振り、ご飯を叩く。
パラパラにすると、この後ケチャップを入れてもべちゃべちゃにならない。
ケチャップと、ウースターソースを少し、そして、最後に塩とコショウ。
これで、ケチャップライスの完成だ。
 
別の中華鍋に油を回し、溶き卵を入れる。
卵の下に火が通り、上はまだ半熟状態の時に、ケチャップライスを入れて、手首を使って、包んでいく。
2/3が包めたら、皿を取り、鍋の持ち手を逆手にして、皿の上で最後の一巻きをする。
オムライスの完成だ。
 
愛美を呼び、出来たオムライスを運ばせる。
私の分も合わせて、4人前。順々にオムライスは出来上がる。
最後の私の分のオムライスができた頃、愛美が私のところに来ていった。
「お父さん、まだ、オムライス、作れる?」
「何でだ?」
「食べたいっていう子がいるのよ。」
「何人?」
「8人。」
「8人!えーっ、ご飯、足りるかなあ?」
炊飯器の中を見た。小さなオムライスなら作れそうだ。
私は、「分かったよ、作るよ。」と言い、新しい玉ねぎを刻み始めた。
 
玉ねぎを刻み終わり、ウインナーを輪切りにしていると、愛美がまた、私のところに来た。
「お父さん、さっきの8人前だけどね、追加できる?」
「流石に、ご飯が足りないよ。何人前だ?」
「後、三人。」
「誰だ、子供か?」
「違うの、今日来ていない私と同じここのスタッフが遅れたけど、これから来るっていうのよ。」
「どれぐらい後だ?」
「30分かな?」
「よし、何とか間に合うよ。愛美、悪いが炊飯器のご飯をボウルに全部取って、内窯を洗って、米を研いでくれないか?で、ご飯を炊いて欲しい。僕は、その間に8人前を作るから。」
「分かった。」
 
私は残ったご飯を全部投下し、ケチャップライスを作り、一個ずつオムライスを作っていった。
出来上がる度に、愛美と萩原が食卓に運んでくれた。
 
「こんばんわ。」私がオムライスを作っているところに、若い男性が二人と、愛美ほどの女性が一人、愛美と一緒に厨房に入ってきた。
「お父さん、うちのスタッフ。男の子が木村君と、若杉君、女の子はキーちゃん。」
「キーちゃん?」
「初めまして、佐久間希望と言います。普通、希望と書いて、のぞみとかなんですけど、私はそのまま、きぼうなんです。だから、キーちゃん。」
「そうなんだ。それは親御さん、頑張ったねえ、いい名前を付けてもらったんじゃん。」
「お父さん、ありがとうございます、今日は。」
「僕らも何か、手伝いますよ。」
「いや、もうすぐ全部できるから、みんなあっちで待っていてくれ。」
「分かりました。」
 
ご飯が炊けた。蒸らしてかき混ぜ、最後のケチャップライスを作った。
そして、後の三人分のオムライスができた。
食卓に持っていくと、三人は、待っていた。
私が、「熱いうちに食べな。」と言うと、「いただきます。」と言って、三人とも食べた。
「すげえ美味めえ。」「お店だな、お店」と言いながら、パクパク食べてくれると、私は嬉しくなった。
 
遊戯スペースでは、子供が全員残っていた。お母さんも三人ともいる。
ここの終わりの時間は9時だそうだ。後、40分。
 
あっ、忘れてた!
 
「愛美、もう一度食卓を元に戻して、全員座らせてくれないか?」
「何で?」
「サプライズだよ、サプライズ。」
「サプライズ?分かったわ。」
 
私は、また厨房に戻り、準備を始めた。
 
 
私は持ってきた大きなトートバッグに入ったビニール袋を取り出した。
中身は、私が作ったマドレーヌだ。
朝から50個を作った。
下に紙があるので、皿はいいだろう。ここには小さな皿が50もない。
 
マドレーヌには、10個だけ、チョコレートを溶かし、Happy Birthday!と書いてある。
今日は二人の誕生日らしいので、後のヤツは、じゃんけんでもしてもらおう。
 
誕生日の子どもの分だけ、小さなろうそくを立て、チャッカマンで火をつけた。
 
厨房から、愛美に「ちょっと、部屋の電気を暗くしてくれ。」と、頼んだ。
愛美は「分かった。」と言い、「暗くした。」と言った。
 
私は、ろうそくのついた2個を手に持ち、食卓に持っていった。
誕生日の二人は、思っていなかったのだろう。嬉しくてはしゃいでいた。
「愛美、後の分は全部、あっちにあるから、みんなに配ってくれ。子供たちには、後8個、チョコレートで字を書いてあるヤツがあるから、それはじゃんけんでもして、分けてくれ。」
「分かった。みんな、手伝って。」
若い人たちが、みんなでマドレーヌを配った。
チョコレートのヤツを取れなかった子は、泣き始める子もいた。
 
全員に、いき渡った。
 
ろうそくの火のもと、誕生日の二人の笑顔は、キラキラしていた。
 
萩原が言った。「じゃあ、ハッピーバースデイを歌いましょう。」
木村君がギターを弾いてくれた。
 
歌が終わると、二人はろうそくをフーっと消した。
若杉君が電気をつけてくれた。
 
みんなでマドレーヌを食べた。
 
みんな、美味しい、美味しいと言ってくれた。
 
 
9時になり、みんなが帰っていった。
私は、厨房で鍋を洗い、片づけをした。
 
若い人たちは部屋を掃除し、散らかっているおもちゃなんかを片づけた。
 
30分ほどで、全部終わった。
 
萩原が、みんなの分のインスタントコーヒーを淹れてくれた。
私は「ありがとう。」と言って、受け取り、コーヒーを飲んだ。
インスタントなのに、やたら美味いコーヒーだった。
 
私は、腕がパンパンなのを感じていた。何せ、1時間近く、ずっと鍋を振っていた。
なるほど、仕方がない。
腰も少々痛む。立ちっ放しは、やっぱり堪える。
 
しかし、コーヒーは美味い。
充実感は、ハンパない。
 
みんなが、私に「ありがとうございました。美味しかったです。」と、口々に言ってくれた。
 
私の心は決まりかけていた。いや、もう決まっているのだろう。
 
帰る事にした。持ってきた鍋や道具を車に積んで、運転席に乗り、エンジンをかけた。
遅れてきた愛美が助手席に乗ったので、私は車を出した。
 
思い出した!
 
私は、今晩、何も食べていない!
 
家で、お茶漬けでも食うか…
そう思いながら、家路についた。
 


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