見出し画像

EDH 古き神々の咆哮、ヤラス

ヤラスはいいぞ


みんなのアイドル。期待の星。それいけヤラス。

皆さんは、《古き神々の咆哮、ヤラス》というカードをご存じだろうか?2024年2月9日に発売されたカルロフ邸殺人事件に収録されている伝説のクリーチャーで、主に裏向きのクリーチャーをサポートするカードである。筆者はまだEDH(なんならMTG)を初めて間もないが、このカードを見た瞬間一目惚れして本能の赴くままにデッキを構築した。
あれから約半年が過ぎ、構築も少しずつ固まってきてそろそろ誰かに布教したくなってきたためこの記事を執筆することにした。初めてのnote執筆であるので、拙い文言や誤字脱字、誤情報などがあるかもしれないがご容赦願いたい。この記事が、今後ヤラスを統率者として使ってみたいと考えている人の参考になれば幸いである。


デッキリスト

このデッキはヤラスの効果を惜しみなく発揮できるように組んでいるつもりである。したがって「これヤラスじゃなくてもよくね?」みたいなことが起こらないように、デッキのレベルは6+くらいの気持ちで調整している。そもそもチャレンジ卓でやっていけるような性能や色をした統率者ではないし、筆者がこのくらいのレベル帯が一番好きだからというのも理由のひとつである。
もちろん、ゲームに勝てるようにデッキ構築をしているが、このデッキを使う上で大切にしているのは以下の3つである。

  • 非公開領域である裏向きクリーチャーをたくさん並べてニヤニヤすること

  • 裏向きクリーチャーをひっくり返して相手を驚かせ、ニヤニヤすること

  • 大きなクリーチャーをヤラスの効果によって踏み倒して場に出し、ニヤニヤすること

そう、このデッキを使う上で大切なのは勝つことではなく、気持ちよくなることである。このことを念頭に置き、いかに"ヤラスで"勝つかを考えた構築になっているのである。

デッキの方向性について

このデッキの最大のポイントは、ヤラスの効果により死亡した裏向きクリーチャーがパーマネントならば裏向きで場に戻して表向きにできることである。つまり、パーマネントカードであればなんでも踏み倒すことが可能である(場に出た時の効果や唱えた時の効果は誘発しないが)。なので、基本的にはヤラスの表向きにする効果によってパーマネントを踏み倒してアドをとる戦略を主軸とする。本当に何でも踏み倒せるため、構築が赤緑GSによりがちになる。その辺はデッキの使用者の個性の出しどころであるので、自分ならこんなカード入れてみたいな~とか、これ出せたら強くね?みたいなことを考えながら楽しくデッキを組んでもらえればいいと思う。

採用カードについて

全てのカードについて書いていてはきりがないので、特に優秀な働きをするカードや、このデッキならではのカードたちを紹介していく。

クリーチャー

これを唱える際に支払ったマナの半分の+1/+1カウンターがのって出てきて、死亡したときにこれの上にある+1/+1カウンターの数だけデッキトップを予示する。
1枚のカードから大量のリソースを生み出せる素晴らしい奴で、無色のカードである点も高評価。

裏向きのクリーチャーが表向きになるたび、表向きになったクリーチャーのパワー分のダメージを各対戦相手に飛ばす。
変装コストが軽く、自身が表向きになったときにも効果が誘発するので、非常に高打点を叩き出せるカードである。様々なコンボのお供になり得るので採用不可避。

表向きになったときに+1/+1カウンターが5個置かれ、死亡時にこれの上の+1/+1カウンターの数だけ1/1の蛇トークンを生成する。
ブロッカーを大量に生成できるのがまず強いのと、後述するアシュノッドの供犠台とオマルティスを絡めたコンボが非常に強力であるため採用。

裏向きクリーチャーが表向きになるたび、表向きになったクリーチャー以外の自分がコントロールしているクリーチャーの数だけ+1/+1カウンターがのったトランプルを持つウーズトークンを生成する。
大量にクリーチャーが並んでいる場合、こいつだけで致死量の打点を生成できる優秀なカード。火炎術の演出者がとなりにいると、出てきたウーズのパワー分のダメージを対戦相手の顔に飛ばせるので割と宇宙。

このターンに場に出た自分のクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えると、1体につき1ドローできる。
このデッキはヤラスで速攻付与できるため非常に相性がいい。固有色的に手札が細くなりがちなので、ヤラスの効果と合わせてドローを狙いに行けるのがとても優秀。

自分の裏向きクリーチャーが表向きになるたび、墓地にあるこのカードを表向きまたは裏向きで場に戻せる。
裏向きで戻せるのが非常に優秀で、裏向きクリーチャーが出た時の誘発やクリーチャーが表向きになったときの誘発を何度も起こすことができる。

これが表向きになったとき全員に2点ダメージを与え、死亡すると裏向きで戦場に戻る。
ヤラスと任意のサクり台があれば、自分の体力が尽きるまで無限に裏表にひっくり返し続けられるコンボパーツ。さすがにヤラスのオリカと言わざるを得ない。

裏向きクリーチャーが表向きになるたび、それの上にそのクリーチャーのパワー分の+1/+1カウンターを置ける。
表向きになったクリーチャーのパワタフが倍になるのはさすがに強い。自身が表向きになったときにも誘発するので、8/8トランプルが急に現れるのはもはや恐怖である。

これが表向きになったときに、自分がコントロールしているクリーチャーすべてに+1/+1カウンターをのせ、ターン終了時までトランプルを付与する。
使用例としては、アタックしている裏向きクリーチャーが1/1のクリーチャーにブロックされたとき、これを表向きにすることで無理やり顔にダメージを通し、ヤラスのドロー効果を誘発させることができる。+1/+1カウンターをばらまけるだけでも普通に優秀なカード。

自分の終了ステップの開始時にデッキトップを1枚予示でき、こいつ自身をサクると、自分がコントロールしているトークンでない表向きのクリーチャーすべてに「死亡時にデッキトップを1枚予示する」効果を付与できる。
場にいるだけで毎ターン予示できるのは非常に強力であり、また、全体除去が飛んできた際にそれにスタックして自身をサクることで、除去後の盤面に裏向きクリーチャーを大量に展開できる優秀なカードである。

自分がコントロールしているトークン以外のクリーチャーが死亡するたび、それを裏向きで森として場に戻せる。
表向きにして使い終わったクリーチャーを森として再就職させることのできる強力なカード。裏向きで森になったカードは、変装コストや変異コストを支払えば表向きにすることができるので、これを悪用した無限ルートが存在する。無限コンボでなくても、マナを増やせるだけで十分すぎるほど優秀である。

貪食3を持っており、これが攻撃するたびこれでないクリーチャーを最大1体対象とし、それにこれのパワー分のトランプルダメージを与える。
貪食という効果がこのデッキと非常に相性がよく、裏向きクリーチャーをサクることで裏向きクリーチャーを表向きにしながら巨大なティラノサウルスを投げつけられる。
このデッキにおいて、クリーチャーを生贄に捧げる行為は基本的にメリットである。

これを唱えた時、プレイヤー2人を対象として、そのプレイヤーは手札2枚を予示し、予示されたカード1枚につき自分が1枚ドローできる。また、自分の無色クリーチャーすべてが+3/+2修正される。
基本的には自分とも一人誰かを対象にとって4枚ドローする。相手は実質2ハンデスをくらい、自分は2枚予示できてさらに4ドローまでついてくるという、ヤラスのために生まれてきたとしか考えられない夢のようなカード。9マナ支払うことだけ少し厳しいが、一度出てしまえば非常に強固な盤面をつくることができる。

サクり台

なぜファイレクシアの供犠台が入ってないかって?まだ買ってないからさ…

無色2マナを出せるサクり台。色マナが出ないため使いづらいと思いきや、このデッキにおいては色マナが出るファイレクシアの供犠台よりも活躍する場面が多いとされている。数多の無限ルートのお供。

好きなところに1点飛ばせるサクり台。裏向きクリーチャーをひっくり返しながら面処理までこなせる優秀なカード。

その他のカード

デッキトップを5枚見て、その内2枚を偽装できる。
4マナから無限の可能性を生み出せる良いカード。雑に強いクリーチャーを偽装して一気に盤面を展開するもよし、土地を偽装してマナを増やすもよし。結構器用に動けるため、他のデッキトップを予示したり偽装したりするカードたちを押しのけてデッキ入り。

デッキから土地カードを1枚場に出し、対戦相手にも同じことをさせ、土地を出した相手の人数分追加で土地を出せる。
これはヤラスとか関係なくただの好きなカード紹介になるが、このカードまじで強い。まずサーチできる土地に制限がないのがバグだし、アンタップインできるのもバグだし、バトル帯なら「好きな土地アンタップインしていいよ!」って言って出さない人はほとんどいないからほとんどの場合4枚土地出せるしで、みんなで幸せになりながら一気にマナを伸ばせる最強カード。しかもアンタップインした4枚の土地でヤラスをキャストできるのもポイント高い。バトル以下のデッキみんなこのカード使った方がいい。

自分の場に裏向きクリーチャーが場に出るたびデッキから基本土地をサーチできる。また、表向きになったクリーチャーをターン終了時まで+2/+2修正する。
基本土地サーチがターンに1回じゃないのはやばい。このデッキは裏向きクリーチャーをたくさん出すことは比較的簡単なので、基本土地をいっぱいサーチできる。このカードのおかげで、土地が伸び悩むことは稀である。

自分が無色のクリーチャーを唱えるたびデッキトップを1枚予示できる。また、自分がパワー合計6以上でアタックしたとき、裏向きクリーチャーを1体表向きにできる。
これもまた、1ターンに何回でも無色クリーチャーを唱えるたびに予示してくれる優秀なカードで、サクり台がないときでも能動的にカードを表向きにできるため使い勝手が良い。4マナである点だけ若干ネックだが、ヤラスで踏み倒すことができるため実質無料(無料じゃない)。

タップ起動で、手札にあるカード1枚を予示できる。
ターンに1回無料で予示できるのはさすがに強すぎる。予示は本来クリーチャーしかひっくり返せないが、ヤラスの効果を使えばパーマネントなら何でも表向きになるのでこれもヤラスのオリカと言わざるを得ない。強すぎる。

無色の呪文のコストが2少なくなる。+1でデッキトップを裏向きで追放し、2/2のスピリットトークンを生成する効果と、-3で有色のパーマネント1つを破壊する効果を持つ。
裏向きクリーチャーが1マナで唱えられるようになるだけでなく、オマルティスやコジレック、その他アーティファクトのコストがすべて軽減されるため非常に優秀。+1効果も優秀で、2/2のトークンが場を離れれば追放したカードを手札に加えられるのでブロッカーを立てながらドローもできる。

土地

基本的には持ってるカードでよさげなものを適当に突っ込むだけで問題ないが、神秘の痕跡の基本土地サーチが強力であるため、ある程度基本土地に枚数を割くのもありかなと筆者は考えている。

無限コンボ

このデッキにはいくつかの無限コンボが搭載されている。戦闘ダメ―ジだけじゃ勝ちきれないなと感じたり、運良くパーツがそろったときは積極的に狙っていこう。裏向きクリーチャーを絡めた無限ルートがほとんどなので、相手に悟られづらいのも強みである(一度無限ルートを見せてしまうと、サクり台を出すだけでヘイトが爆上がりするので注意)。

ヤラス+灰雲のフェニックス+任意のサクり台

  1. 裏向きの灰雲のフェニックスをサクり、ヤラスの効果で表向きに

  2. 灰雲のフェニックスの効果で全員に2点ダメージ

  3. 表向きの灰雲のフェニックスをサクり、自身の効果で裏向きに

  4. 1に戻る

以上の流れを自分の体力が尽きるまでループさせることができる。ここに火炎術の演出者が絡めば、相手にだけ1ループにつき4点多くダメージを与えることができ、サクり台がゴブリンの砲撃であれば1ループにつき2点追加で任意の対象に飛ばすことができる。
このコンボの注意点は、自分にもダメージが飛ぶため、残り体力が少ないときや対戦相手の体力が自分よりもはるかに多い時には有効的ではないことである。筆者はまだMTGのカードプールに疎いため見つけられていないが、このループに体力回復手段を挟めるカードが存在すれば本当の意味で無限コンボになるだろう。現状は半無限コンボといったところか…

イェドラ+表向きにするコストが緑1無色2以下のクリーチャー+アシュノッドの供犠台

  1. 表向きにするコストが緑1無色2以下のクリーチャー(以下、種クリーチャーと略す)をサクり、イェドラの効果で森として場に戻す

  2. その森から緑1マナを生成する

  3. 浮いてる緑1マナと無色2マナを用いて森になった種クリーチャーを表向きに

  4. 1に戻る

このコンボはヤラスが場にいなくても成立する。やっていることは種クリーチャーを表裏にくるくるしているだけだが、ここに以下のカードを絡めることにより様々な効果を追加で発生させることができる。

  • 《火炎術の演出者》⇒無限ダメージ

  • 《墨を取る軟泥》⇒無限ウーズトークン

  • 《神秘の痕跡》⇒無限基本土地サーチ(有限)

このデッキの種クリーチャーは以下である。

  • 《アイノクの生き残り》⇒無限アーティファクトorエンチャント破壊+無色無限マナ

  • 《ナントゥーコ自警団》⇒同上

また、このデッキには採用していないが緑1マナ以下で表向きになるクリーチャーであれば任意のサクり台でも無限にコンボすることができ、その場合はゴブリンの砲撃による無限ダメージやファイレクシアの供犠台を採用すれば有色無限マナまで行ける。
(デッキに無限マナの使い道がほぼ無いため宝の持ち腐れ感が否めない。無限ドローのパーツくらいは入れてもいいかもしれない。)

その他の強力なコンボ

無限にはできないが強力に動けるコンボがあるので紹介する。なお、ここで紹介するコンボはヤラスが場に出ていることが前提なので記述は省略する。

※ここで紹介しているコンボ以外にも筆者が発見できていないコンボがきっとあるので、もし見つけたらこっそり教えてくださいお願いします。

オマルティス+頭巾被りのハイドラ+アシュノッドの供犠台

  1. 頭巾被りのハイドラを裏向きで場に出す

  2. それをアシュノッドの供犠台でサクり、蛇トークン×5を生成

  3. 蛇トークン×5をアシュノッドの供犠台でサクる

  4. この時点で無色マナが12マナ浮いているのでオマルティスをx=6で唱える

  5. オマルティスをサクり、デッキトップを6枚予示

上記のコンボでは、3マナからデッキトップ6枚予示までつなげることができる。この時点ですでに爆アドは確定しているが、ここに実験体12号が絡めば頭巾被りのハイドラが蛇トークンを10体生成するようになるので、オマルティスをx=11で唱えることができる。ここまで行けばもはや宇宙である。あとはやりたい放題して勝利をもぎ取ろう。

最後に

本記事では、ヤラスの魅力を最大限伝えるために構築や戦略について筆者の知る限りの情報を書き連ねた。しかし、この統率者はまだまだ奥深く、ここで紹介した構築やコンボはただの一例に過ぎない。この記事が多くの人の目に留まり、ヤラス研究家が増えてくれることを願っている。

(質問や助言、指摘、罵詈雑言などはDMやリプライで送っていただければ可能な限り対応致します)

参考・引用

【晴れる屋 | MTG通販】品揃え日本最大級の通販サイト (hareruyamtg.com)


いいなと思ったら応援しよう!