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豊哲の吟行記 〜行く夏の道後〜

皆様、いよいよ明日は立秋です。
土佐藩俳句百姓豊哲です。

今回は今月二日・三日の松山・道後を観光して思い付いた俳句をテーマに合わせて紹介していきます。

(俳都・松山へ 八月二日)

桃の香のアイスティー手に高知駅

行く夏や葉っぱ模様のコースター

高速バスが来るまでの一時間、私は高知駅のとあるベーカリーのイートインスペースでピーチのアイスティーとデニッシュドーナツを味わった。

そして午前九時、松山行きの高速バスが出発した。

JR高知駅のピーチのアイスティー

(大街道 八月二日)

正午近くに高速バスは松山市駅へ到着した。
到着後、翌日に乗車する高速バスのチケットと愛媛新聞を購入した。

到着後の松山市駅

左手に愛媛新聞秋近し

なぜ愛媛新聞を購入したのかはこの後のお楽しみで・・・

それから徒歩で銀天街と大街道へ向かった。

子供にはみきゃんのポーチ夏休

この先に大街道の真夏かな

大街道方面への銀天街

向かった先は松山三越にある坊っちゃんフードホール。

坊っちゃんフードホール 其の一
坊っちゃんフードホール 其の二

焼肉・スペイン料理・中華料理など様々なお店があるが、『てっぺん寿司』を選んだ。

昨年の俳句甲子園の時は郷土料理である松山鮓を食べたが、今回は握り寿司のセット並びに白身魚三貫と煮穴子の握りを注文した。

てっぺん寿司(坊っちゃんフードホール)
てっぺん特上握りセット
白身魚の握り(三貫)と煮穴子の握り

ほろほろと崩るる穴子握りかな


『NHK俳句』(兼題:穴子、選者:木暮陶句郎)へ投句したけど掲載されなかった一句をここで紹介させていただきます🙇

握り寿司を堪能し、『松山三越』にある書店でとある時代小説を購入した。

銀しゃり(山本一力)と『俳句歳時記 夏』

両端に空の盤台南吹く


『松山俳句ポスト365』の兼題「南風」へ投句したものの紹介されなかった一句です。

この句は地元の図書館で山本一力さんの『銀しゃり』を読んだ時に思い付きました。

てっぺん寿司の握り寿司が美味しかったためか『銀しゃり』を読みたくなり、購入しました。

松山三越(大街道方面)を出た自分は向かい側にある『フルーツパーラーみしま』へ向かった。

ここでこの一句を紹介したい。

俎板に真白き布巾メロンの香

先ほど愛媛新聞の一句があったが、松山市駅へ到着する前に家族から電話があり、青嵐俳壇に載ってるという話が出たため愛媛新聞を購入したのだ。

上の一句は青嵐俳壇で掲載されたものである。

せっかく松山の大街道へ来たのだから『フルーツパーラーみしま』のメロンを使った「まるごとメロンソフトパフェ」を注文した。

まるごとメロンソフトパフェ(フルーツパーラーみしま)

ピンポン球みたいな大きさのメロンの果肉とソフトクリームの相性がバッチリで美味でした。

店内にはフルーツがならんでおり、フルーツの香りも良くまた来店したいと思ってしまいます。

そしていよてつの路面電車へ乗って、道後温泉へ向かいました。

(道後ぎやまんガラス美術館 八月二日)

道後温泉へ到着した時の様子
道後ハイカラ通り(道後温泉駅から)

午後二時前後ぐらいだろうか、道後温泉駅へ到着した。

ハイカラ通りをL字の様に歩み、修繕工事を終えた道後温泉本館を眺めた。

道後温泉本館 其の一
道後温泉本館 其の二

本当に綺麗になって湯屋へ入ることが楽しみになってきた。

ここで私が気に入っている畠山健二さんの時代小説『本所おけら長屋』シリーズから登場するキャラクターを入れて、思い付いた俳句を紹介したい。

万松が湯屋へ入りたる真夏かな

万松が道後の湯屋へ入る真夏

上五にある『万松』とは、『おけら長屋』に登場する万造と松吉の二人の頭文字から出て来た言葉で万松と松吉のことを表します。

昨年訪れた道後hakuro

昨年もお世話になった『道後hakuro』で荷物を預けたら私は初めて道後ぎやまんガラス美術館へ足を運んだ。

道後ぎやまんガラス美術館 外観

ぎやまん・びいどろと呼ばれる和ガラスを中心に収集・展示する美術館で一階の受付で料金を支払った後、木目のある階段を降りて行った。

最初に目に入ったのはぎやまんで作られたカラフルな煙管だった。

ぎやまん煙管

SNSで俳句を披露しようかと考えたがどうせなら『青嵐俳壇』へ投句することを決めた。
ここで紹介出来ないことをお許し願いたい。
『青嵐俳壇』では毎週三句までの応募となっており、その三句は『道後ぎやまんガラス美術館』から思い付いたのである。

ここからはこの記事で紹介しても良いと思った俳句を披露する。

薄青の平盃や夏灯

紫色の硝子徳利

紫の硝子徳利夏灯

夏の灯や二客の皿は梅花形

夏の灯や唐草文のガラス碗

夏の灯に渦巻文の小皿かな

瑠璃色のカットグラスや夏深し

瑠璃色のカットグラス

美術館を出た私は再び道後hakuroへ戻り、ラウンジで寛いだ後、チェックインを済ませて部屋で休んだ。

道後hakuroのネストラウンジ

(道後温泉本館と宇和島鯛めし 八月二日)

客室で休んだ後、いよいよ道後温泉本館へ向かった。

道後温泉本館の入口

リニューアルされて清潔感もある場所だった。
二階の休憩所で42度と熱めの湯と知り、男性の神の湯へ足を踏み入れた。

神の湯へ浸かる男の真夏かな

体を洗ったあと、湯船へ浸かった。
湯船は深く、本当に熱かった。
本当なら長く浸かりたかったが、のぼせてしまいそうになったため思ったよりも早く浴槽を出た。

神の湯を出た後、コーヒー牛乳と絵団扇を購入した。

二階の休憩所でお茶と煎餅が振る舞われた。

煎餅に道後の文字や伊予簾

SNSでは夏座敷で一句しましたが、やはり道後温泉へ来たからには伊予簾が合うと思い推敲した。

道後ハイカラ通り 道後温泉本館から

道後温泉本館を出たら道後ビールで喉を潤し、宇和島鯛めしの『丸水』というお店で冷酒、じゃこ天そして宇和島鯛めしを堪能した。

丸水の宇和島鯛めし
宇和島鯛めしの食べ方の様子

宇和島鯛めしを堪能し、ハイカラ通りをぶらぶらしながらお土産を購入してホテルへ戻った。

ここで『SAOオルタナティブ クローバーズ・リグレット』という『ソードアート・オンライン』のスピンオフ作品から思い付いた俳句を紹介したい。

化猫が神輿を担ぐ横丁を

毛羽毛現へ手を振るコヨミ夜店の灯

クレーヴェルとナユタの影が繋ぐ夏

『ソードアート・オンラインオルタナティブ クローバーズ・リグレット』第三巻、「終章 影をつなぐ」を読んだ時から思い付きました。

和風VRMMO「アスカ・エンパイア」というゲームでは常に夜となっているあやかし横町などが舞台となっており、ナユタ・コヨミそしてクレーヴェルの三人があやかし横町の夏祭りについて話をしていたことです。

ホテルへ戻った私は、ネストラウンジでnoteの記事をアップした。

推しの子俳句
ロシデレ俳句
ふたきれ俳句

客室に戻り、パリオリンピック男子バスケ日本VSブラジルを観た後は再びラウンジへ行き道後ビールをまた飲んだ。

道後ビール

夜の秋の道後ビールを注ぎけり

こうして道後の夜が過ぎていった。

(伊佐爾波神社へ 八月三日)

道後hakuroの大浴場とネストラウンジでの朝食を堪能したら浴衣着のまま伊佐爾波神社へ向かった。

八月の道後や空の散歩道

正岡子規の句碑を見たり、足湯へ浸かったら伊佐爾波神社へ向かった。

行き先は伊佐爾波神社朝暑し

伊佐爾波神社の石段
伊佐爾波神社の本殿
伊佐爾波神社から見た道後の景色

本殿への石段は急勾配で怖く、朝の暑さも加わりきつかった。

しかし上りきった後の道後の景色は格別でした。

再びホテルへ戻り着替えて寛いだ後、チェックアウトして松山の中心地へ路面電車で向かった。

(愛媛県立美術館へ 八月三日)

路面電車を使い、愛媛県立美術館近くの駅へ降り立った。

愛媛県立美術館では『大シルクロード展』が開催されており、興味があった。

夏休シルクロードの展示室

入場料を支払い、展示室へと向かった。
QRコードをかざして入場することになるとは思ってもみなかった。

夏休腕(かいな)が欠ける菩薩像

シルクロードの記録や展示品があり、思わず長く見入ってしまう美術品もあった。

あまり長く観ることはできなかったが、また美術品へ行きたいと思うようになった。

(まつちかタウンの天婦羅を 八月三日)

愛媛県立美術館を出た後、徒歩でいよてつ髙島屋へ向かい本屋などを散策した。

そして『まつちかタウン』の「天ぷら ご天」という天ぷら屋で夏の味覚定食を堪能した。

行く夏やヤングコーンの天ぷらを

薄い衣をまとったヤングコーンの天ぷらはもちろん噛んだ瞬間ジュワッと旨味が出てくるズッキーニの天ぷらは本当に美味だった。

さらには海老の天ぷらはもちろん、大葉に巻かれた鶏肉の天ぷら、鱧の天ぷらそしてとうもろこしと塩こんぶのかき揚げも堪りませんでした。

もし松山へ行く機会があれば是非、まつちかタウンの「天ぷら ご天」へ訪れてみてください🙇

そして正午近くに出発する高速バスへ乗り、高知へ戻っていきました。

八月の松山と云えばもうすぐ俳句甲子園の全国大会があります。

その時も私は観覧しようと思っています。

それではここで失礼します🙇

昨年の俳句甲子園(大街道商店街)
昨年の俳句甲子園(松山市総合コミュニティセンター)

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