豊哲の吟行記 〜晩秋の大道芸〜
(特急列車と皮膚科 十月五日)
秋雨やクラフトボスのレモンティー
JR高知駅行きの特急列車に乗っている時に思い付いた一句です。
十月になっても日中はまだまだ夏日のように暑いです。
朝は雨脚が強くなっていたが、徐々に弱くなってきた。
船着場の脇へ小石を秋の風
桟橋に乗合船が秋の風
横付けの乗合船や秋の風
JR高知駅から行きつけの皮膚科へ到着した時、待合室は人でいっぱいだった。
診察まで時間がかかると思い、歳時記をめくったり気になっている時代小説を読んでいた。
小見出しで表示した上の三句は山本一力さんの時代小説『銀しゃり』を読んでる時に思い付いたのである。
掌に出刃の重みや秋澄めり
澄む秋に出刃包丁の重みかな
診察が始まる前に思い付いた二句も紹介させていただきたい🙇
一力さんの作品は本を開いた瞬間、その物語の世界へ引き込ませてくれる魅力があります。
『あかね空』の時もそうだったが時代設定と舞台がしっかりしており、じっくり呼んでしまう。
天明の飢饉の後の寛政の改革による棄捐令によって江戸は不景気になり、町人たちの顔が暗い感じになっている。
しかし、一力さんの作品に出てくる登場人物は様々な職人が主人公となっており、江戸時代に興味を持たせてくれる魅力がある。
時代小説を読むなら畠山健二さんの『本所おけら長屋』と山本一力さんの作品を読んで欲しいと思っている。
行きつけの皮膚科で軟膏をもらい、私は高知市の中心部に位置する帯屋町商店街へ足を運んだ。
(商店街での大道芸 十月五日)
帯屋町商店街へ行ったら『高知大道芸フェス』が行われていた。
昼食はすでに決めていた。
『バナナマンのせっかくグルメ』で高知を訪れた佐野勇斗さんが訪れた「なゆた」というラーメン屋で鯛塩らーめんと焼豚玉子飯を注文した。
鯛塩らーめん晩秋の帯屋町
秋晴や焼豚玉子飯を食む
(鯛塩らーめんについて)
・スープはあっさりして、飲みやすい。
・細麺ですすりやすく、スープによく絡む。
・チャーシューはプルプルで甘辛く、食べやすかった。
(焼豚玉子飯について)
・チャーシューの旨味と甘み。
・ふわふわな目玉焼き。
・ご飯の甘み。
鯛塩らーめんと焼豚玉子飯を堪能した後、高知市の中央公園へ向かった。
中央公園では『張海輪 中国雑技団』が行われた。
椅子倒立芸、鞭芸そして変面などのダイナミックなパフォーマンスだった。
頭頂に白磁の壺が回る秋
鞭のしなりや秋晴の新聞紙
逆立ちの脚はVの字天高し
秋空へぴんと突っ立つヒラメ筋
中央公園での大道芸が終わった後は、徒歩で高知市の台所である大橋通りへ向かった。
高知大道芸フェスに初めて参加するJuggler Laby(ジャグラーラビー)のジャグリングが行われた。
上顎にシガーボックスのせる秋
真っ白なグラブ七本秋高し
晩酌はひろめ市場で堪能して帰路へ向かいました。
テーブルに海鮮巻と新走
テーブルに戻り鰹の塩タタキ
それでは✨