ライブシアター栗橋の思い出 1-3
ライブシアター栗橋、いよいよ閉館の前日。荒天の中やっとの思いで劇場にたどり着いた私は、最前列の席への切符を獲得した!
その日、私は仕事が定時になると小学生のように素早く帰り支度を済ませ、劇場へと車を走らせた。
天気は散々だった。冠水しかけた道路に鳴りやまない雷。
おそらく線状降水帯の真下だったのだろう。だが幸いにも劇場付近まで来ると、雨は弱まっていた。
かつ屋さんで予約の弁当を受け取り、支払いを済ませると再び急いだ。
第一駐車場には留められないことは察しがついていたので、第二駐車場に車を停めて会場に急ぐも、これが遠いんだ。
劇場に着いてみると、案の定車はいっぱいだった。
そして入り口前に来てみると・・・やはり考えることはみな同じ。
すでに4人のお客が前日から並んでいた。だがこの時点で最前列の席はほぼ確実に保証されている。19:30くらいだったと記憶しているが、その後は一気に5人ほどに並ぶお客は増えた。もうこの時点で最後のお客は最前列に座れるかは分からない。みんな私と同じように、仕事が終わるやいなや駆けつけたのだろう。
安堵した私は、雨に濡れながらも先ほどの弁当を食べることにした。
むろん傘はさしていたが、何分雨がひどいものであまり役に立たないのだ。
雨降るなかで並ぶのは試練以外の何物でもないように思えたが、前に並ぶお客が友好的であり、すぐに打ち解けた。
押しの踊り子さんや、ストリップにはまったきっかけなど、色々と話して居るうちに21:00を回っていた。
雨の中でただ待っているだけでは、苦痛以外の何物でもないだろうから、打ち解ける相手ができたのはありがたかった。
気が付けば行列は倍近くまで増えていると見えた。
送迎の車もタクシーも出入りが大変そうだった。
実際にそうだったと見えて、本当は演目終了後で初めて許可される無人の場所取りだが、その時間を繰り上げてもらえた。
睡眠時間の確保のためにも嬉しいものだった。
そして翌日はいよいよ本当に最後の日。
最終最後まで、この目でしっかりと見届けたいと思う。
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