田中希実さんの走り~異次元の日本新~
2、3週間ほど前、陸上の世界選手権が
ハンガリーのブダペストで行われていました。
そして終わってしばらくした頃、SNSに
ワールドカップやWBCはクラス全体が
盛り上がるのに陸上の世界選手権は陸部しか
盛り上がらない的な投稿があり
「あぁたしかにー。」と思ったさざなみです。
ただそれでも、私はお伝えしたい。
日本選手の活躍は、すさまじかったんです。と。
メディアの多くは
女子やり投げで金メダルの北口榛花さんや
男子の4継リレーを取り扱っていたような気がしますが
それ以外にも
日本勢初の入賞を果たした
男子110 mハードルの泉谷駿介さんや
男子3000 m障害の三浦龍司さんなど
これまでと比較しても歴代で最も活躍した選手が多かった大会だったのではないかと思います。
そのなかでも
私は田中希実さんの走りに衝撃を受けました。
田中希実さんは女子中長距離種目の
1500 mから5000 mを主戦場としている選手です。
その田中さんが女子5000 mで
26年ぶりの8位入賞を果たしたのです。
しかも、予選では日本記録を約15秒更新する
14分37秒の特大日本新!!!
いやもうすごいんですよ、この記録。
どのくらい凄いのかって
比較するのが難しいですが
おそらく、全国の中長距離選手が
「!?…えっ、まじっ…!?!?」と
なったのではないかと思われるくらい
とてつもない記録です。
ちなみに、それまでの日本記録が14分52秒。
これは一昨年に更新されたもので
従来の記録を約0.5秒縮めるものでした。
(※この記録も東京五輪で更新したものですごかったです)
当たり前ですが、日本記録の更新は
コンマ何秒であっても相当難しいです。
実際、5000メートルに関しては
15、6年くらい破られていませんでしたし。
それをですよ。
一気に15秒縮めるって普通じゃ考えられないです。
しかもです。
一般的に記録を狙うときって
気候などベストコンディションかつ
ペースメーカーもつけたりするものです。
それをこの暑い時期に、世界大会という大舞台で
各国の猛者たちと互角に競り合いながら
更新してみせたんですから
そのパフォーマンスは超一流と言っても過言ではないです。
熱く語りすぎてますが
よければ日本新を出した動画をどうぞ。
田中さんは、2021年東京五輪の際も
女子1500 mで日本人初の8位入賞
タイムが3分59秒と
これまた「まじかーっ!!!」ってなるような
タイムを叩き出していて本当にすごすぎる方です。
そんな田中さんも五輪以降は
思うように走れない期間があり
走ることの楽しい気持ちやワクワク感が
減っていったそうです。
そういう情報が私の中にあったからなのか
今回の予選・決勝の走りを観たとき、とても感動したんです。
そして、決勝レース後のコメントが
素晴らしかったのでこちらもどうぞ。
23歳でここまで達観した考えや聡明さに
感銘を受けるとともに、こちらまで泣きそうな気持ちになります。
田中さんは、今年からプロアスリートとして
活動しており(一般的に社会人で競技を継続する場合実業団に所属することがほとんど)
より結果が求められる環境に身を置いている
わけですが、そのなかで彼女が今後
どのような道のりを歩んでいくのか。
私としては、より良い競技人生になることを
ただ願うばかりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
※追記:この記事を投稿した日に田中さんは
自身の日本記録をさらに縮める
アジア歴代2位の14分29秒で走破しました。
もはや声が出ないくらいアンビリバボーの域です。