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日本を原(たず)ねて 心の健康 ストレス解消 【専応】

16 専応(せんのう)(1482~1543生没不詳)
川端康成全集 第28巻 川端康成著 新潮社
 美しい日本の私 (ノーベル文学賞講演)

 日本の花道、生け花の名家の池坊専應(せんのう)もその「口伝」に「ただ小水尺樹をもって、江山数程の勝機(おもむき)を現し、暫時傾刻のあひだに、千変万化の佳興をもよほす。あたかも仙家の妙術と言ひつべし」と言っています。…池坊専応は「野山水辺をおのづからなる姿」(口伝)を、自分の流派の新しい花の心として、破れた花器、枯れた枝にも「花」があり、そこに花によるさとりがあるとしました。「古人、皆、花を生けて、悟道したるなり。」禅の影響による、日本の美の心のめざめであります。日本の長い内乱の荒廃のなかに生きた人の心でもありましょう。  353・355ページ

茶の本 岡倉天心著 立木智子訳 淡交社
足利義政(1436~1490)の大画家であり、美術鑑定家である相阿弥(1472~1525)は生け花の達人であったと言われています。
茶人の珠光(1423~1502)も、絵画の狩野派と同じような地位を有する華道池坊流の家元専応も、相阿弥の弟子であったと伝えられています。        126ページ

日本花道史  大阪府立図書館  991-185 昭和46年
 義政公御成式目 相阿弥の作として知られ、その原本はいまも慈照寺に残されている。…この書の大切な文をあげると、「ただ花瓶をよく見て、此の花瓶に如何やうやらんと案じ、よくよくたくみ澄して可立(たつべき)なり。……人の面のごとく、十瓶あらば十瓶、百瓶あらば百瓶かはりて、しかとあるべき所に鼻のあり、あるべき所に口のあるようにして流石に面白く」。                   127ページ

道元の言葉に「眼横鼻直」とあります。
 専応はあるがまま、日本古来の生活感情をあらわしている。


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