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日本を原(たず)ねて 心の健康 ストレス解消 【近衛家煕 予楽院】

12 近衛家煕(ここのえいえひろ)(予楽院)(関白)(1667~1736)
図説いけばな体系 3 いけばなの文化史Ⅱ  角川書店
文人花の展開 衣笠安喜  「瓶史の思想」
 「袁中郎(えんちゅうろう1568~1610)」の瓶史に…自然を朝夕の友とする隠者の生活では、自然を自然のままに楽しめばよい、少なくとも文人の花は、自然に魅かれながらも生活は世俗を離れることができないので、自然の一部を切り取って、生活のなかに再現して心をそこに遊ばせようとするところに成立する。中郎の言葉でいえば、隠者の生活は、うらやましいが、じぶんは名利から離れても官職までは捨てられない。
 予楽院が言っている、「槐記」に立花と区別して抛入れ花は形でなく心だとする。考え方が文人花であると感じられた。  152・153ページ 
            
 日本古来からの生活感情をあらわしている。
 
日本の博物図譜19世紀~現代まで 国立科学博物館編集  
                  東海大学出版会 中部義隆
 近衛家のお抱え絵師の渡辺始興(1683~1755)は家煕から大きな影響を受けた。家煕の侍医、山科道安(1677~1746)の記す、「槐記」にはしばしば家煕の絵画観が示されている。…鳥や花を描く場合、絵から写すのではなく、まずは実物を見て理解することが重要と述べている。…家煕は絵画の鳥や花の描写にかなりの写実性を求めていたことがわかる。…しかし、家煕はそれだけで絵になるとはいっていない。…結果として表現に精神が備わらなければ、絵ではないということである。そのための写生(実物をありのままうつしとること)の重要性を説いている。           70ページ

 家煕は、博学で知られ、有職故実をはじめ歌学、本草学にも造詣が深く、書道、華道、香道に精通し、絵画にも高い関心を持っていた。
 家煕は文人であるよって、あるがまま、日本古来の生活感情をあらわしているとおもわれる。


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