3bet potで"スーコネ"大好きマンへのエクスプロイト戦略
はじめに
一般的に Flop to 3bet (3betに対するフォールド率)が低すぎる。
その要因は様々考えられるが、本記事では「投機的ハンドとして過大評価されているスーテッドコネクターのcall頻度が高い相手へのエクスプロイト戦略」について解説していく。
(3bet potでポケットペアにcall頻度にリークある場合のエクスプロイトについては全記事にあるので、まだ読まれていない方はそちらもお読みください。)
均衡戦略では、3bet に対してJTs,T9sは50%未満の頻度でしかcallできないとされている。さらに87s以下のスーコネに至ってはcall頻度は10~20%である。しかし実践においてこのcall頻度は守られているのだろうか?
本記事を読めば、IP側がスーコネをコールしすぎるリークを持っている時に、
お互いのレンジがの性質がどのように変化するのか
このリークによってIPがどれほど損しているのか
どのように戦略を変更すればよいか
について概ね理解することができる。
検証にはGTO Wizardの Wizard AIを用いる。
検証方法
3ベットポットの中で最も出現頻度の高い SB vs BTNの3ベットポット(NL50 5% 4bb cap)で検証する。
SBの3ベットレンジはソリューション通りで固定、BTNのスーテッドコネクターの3ベットコール頻度を変更して検証する。スーテッドコネクター(KQs~54s)のコール頻度のみ変更しており、その他のハンドは均衡解通りの頻度としている。
wizard AIで使用するbet sizeはDynamicとする。(※)
※本記事では簡易的な戦略の検証のためbet sizeを2つに集約させたいため、厳密な比較検証を行うためには、General Solutionと同じbet size,raise sizeを用意して行う必要がある。
上記のレンジを基に
対 均衡レンジ
対 ポケット過多レンジ
の2つの場合のSBの最適戦略を比較・考察する。
※均衡のSBの3ベットレンジ、及びBTNの3ベットコールレンジはGTO Wizard上で無料で確認できるため各自確認することを推奨する。下記にURLを載せておくのでプリフロップに自信がない方はご参考までに。
①AT3r
1️⃣均衡解
均衡解においてSBがレンジ全体で有利なボードであるため、SBは全レンジでベットすることが推奨されている。
bet sizeの構成は、たくさんのAx~ポケットペアと、すべてのハイカードで構成されるsmall size(20%bet) と、強いAhitとガットショット系で構成されたlargeサイズ(50~75%bet)の2種類がある。
後の比較のために、お互いのレンジのEV、EQ、EQRも合わせて載せておく。
2️⃣リークが存在するときのエクスプロイト戦略
この時ももちろんSB側にrangeアドバンテージが存在している。これはBTN側のレンジに全く抵抗できないハイカードが増えた為、EV・EQ・EQRの全てにおいてSB側に有利に働いている為である。
均衡戦略では、安bet連打のレンジ構成であった。しかし、エクスプロイト戦略では中sizeのbetが主に使われるようになった。下記にこの理由について考察する。(ただし本記事ではFlopでの戦略のみに着目して考察を行うためすべて正しい表現ができているわけではない点を留意して頂きたい。)
・1つ目はvalueとして機能するハンドの「相対的な価値の増加」である。一般的にKK,JJなどのプレミアハンド群はチェックしてしまうのではないか?しかし、これらのハンドのEQは68%ほどあり、BTNのレンジの下位75%に勝っている。その為value betが可能である。
(プロテクションやturn以降のブラフhandの候補としての側面もある)
・2つ目は「indifferentにするターゲットの変化」である。
均衡戦略で安いsizeが好まれていたのはレンジ全体での優位を生かしてbet rangeを構築し、BTNの持つ99以下のポケットペアをindifferentにしていた。このとき、BTN側にAQs,AJs,A9sのような強いAxがrangeの27%を存在する。その為Axに放銃せずに下ポケットを虐める戦略が有効なためである。
しかし、今回のシチュエーションでは、BTNのAhitはrangeの20%であり、SBがbetすることでindifferentにするターゲットをポケットペアからBTNのT hitにすることで、SBの持つAhitのEVを最大化できる。その結果レンジ全体でEVが上昇するためである。
②Q85tt
1️⃣均衡解
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