3bet potでポケットペア大好きマンへの対策
一般的に3bet potにおいて、ポケットペアがコールされすぎている感じている。皆さんも3betpotでポケットペアにセットを刺されて全弾取れた経験も多々あるのではないでしょうか。本記事では、IP側がポケットペアをcallしすぎるリークが存在したとき、自分と相手の戦略はどのように変化するのか,最適反応戦略どのような戦略に変化するのか、について考察していく。本記事の目的はPFにおいてたくさんポケットペアをcallするのは本当に利益的なのか。このリークに対して戦略はどのように変化するのかについて検証することである。これらについてをGTO Wizardの wizard AIを活用して検証する。
検証方法
最も出現頻度の高い SB vs BTNの3bet pot(NL50 5% 4bb cap)で検証する。
SBの3bet rangeはソリューション通りで固定。BTNのポケットペアの3ベットcall頻度を変更して検証する。wizard AIで使用するbet sizeはAutomaticとする。
図1にBTNのポケットペアのコール頻度を均衡解より増加させた場合のレンジ表を示す。
99以下のポケットペアのコール頻度のみ変更しており、その他のハンドは均衡解通りの頻度としている。
このレンジを基に
①対 均衡レンジ
②対 ポケット過多レンジ
の2つの場合のSBの最適戦略を比較し、考察する。
均衡のSBの3ベットレンジ、及びBTNの3ベットコールレンジはGTO Wizard上で無料で確認できるため各自確認することを推奨する。下記にURLを載せておくのでPFに自信がない方は参考までに。
①AT3r
1️⃣均衡解
均衡解においてSBが圧倒的に有利なボードであり、SBは全レンジでbetが推奨されている。
rangeのEVを比較すると、SB 15.16bb vs BTN 7.47bbである。下記の図の右上に乗っているEQグラフを参考にするとなぜ全レンジbetなのか推測できるであろう。(図2)EQグラフと戦略の関係が気になる方は下記の記事を参考にするといいだろう。
次に20% sizeのbetを受けたBTNの戦略を見ていく。
EQが70~90%のハンドたちでraiseを返し、rengeの25%をFoldするようだ。主にFoldするのは99~66のポケットとスーコネあたりである。(図3)
では、本題のPFでポケットペアがcall過多であるときBTNのrangeはどのように変化するだろうか。
2️⃣リークが存在するときのエクスプロイト戦略
この時ももちろんSB側にrangeアドバンテージが存在しているため、全レンジでbetが推奨されている。
rangeのEVを比較すると、SB 16.52bb vs BTN 6.53bbである。
ボードの有利性がより顕著になっている。(図4)
次に、Betを受けた時のIPの対応がどう変化するかについて確認する。以下にベットを受けた際のBTN側の戦略を示す。
レンジの50%程度をfoldし、残りの50%を抵抗している。
OOPはポットの25%のベットでレンジの約半分を降ろすことができるので、この戦略は極めて強力であると言える。
②Q85tt
1️⃣均衡解
SB側にレンジアドバンテージはなく、レンジEQは拮抗している。そのためSBは広くチェックするのが推奨されている。ただし、一部のレンジでbetをする戦略が存在し、over pair,FD,♡のスーテッドハンドでbet rangeは構成されている(図5)
2️⃣リークが存在するときのエクスプロイト戦略
まずは、range EQの比較をしてみる。
SB 50.58% vs BTN 49.42%である。この数値だけを鵜呑みにすればSBにレンジアドバンテージなど存在していなく思えるが、BTNのhand rangeの性質が大きく影響されていると推測できる。のちのストレートを考えたときの勝率実現性(EQR)が低いことが原因一つと考えられる。
BTNにsetのコンボが増えたとはいえ、その量以上にポケットペアが多く存在しているため、レンジの大部分を使用して50% sizeのbetをしてBTN大多数をしめるEQ50%程度のハンド群をindifferentする戦略がとられている。色のないスーテッドhandなどはCB頻度が下がっている傾向にある。(図6)
③852tt
1️⃣均衡解
このボードにおいても、SB側にレンジアドバンテージもなく、レンジEQは拮抗しているどころか若干ではあるがBTNに優位性が存在している。ただ前述のQハイボードとのEQグラフを比較してみると、SBのrangeの上位(over pairなど)の差が存在しているため、低頻度でlarge bet を使用する戦略がとられている。主にbet rangeに使用するhandのEQは60~80%である。(図7)
2️⃣リークが存在するときのエクスプロイト戦略
まずは、range EQの比較をしてみる。
SB 44.21% vs BTN 55.79%であり、PFにおいて抱えていたリークのためにBTNがレンジアドバンテージを得る結果となった。そのためSBのチェック頻度が大きく変化したかというと、チェック頻度自体は上昇したのが5%と少しだけ上昇した結果となった。これはBTNのrangeのEQ群の半数以上が50~60%であるため、このhand群に勝っているSBのrangeでbetする戦略がとられるためであると推測できる。(図8)参考までに両者のもつrangeのEQbucketを載せておく。(図9)
④JJ5 tt
1️⃣均衡解
Jのトリップスのレンジの占める割合に大差はないが、SB側には99+のペアが存在しているため、33%~50% size の betを比較的多様して戦略構築が可能なボードである。EQチャートを見たままの認識するとあまりよくない例でもあるが、本記事の内容とは逸れるため注意喚起にとどめる。(図10)
2️⃣リークが存在するときのエクスプロイト戦略
レンジのほぼすべてで67% sizeのCBが行われるようになった。これの要因は次のことが考えられるであろう。
Jのトリップのレンジの占める割合は若干ではあるがSBが優勢となった。次点で考えられるのは、SBの持つポケットペアの価値の上昇度である。互いに持ち得る最上位レンジ(トリップス)を除いたときにBTNがたくさんポケットペアが存在しているため、SBのAA~88の価値が増幅している。
レンジのEQは対して変動していないが、BTNの持つハンド群の性質が変化してことによってSBのレンジEVが(均衡)11.16bb→(ノード後)12.98bbと上昇していることからも、最適なエクスプロイト戦略が読み取れるであろう。(図11)
まとめ
PFに存在していたリークのFlopにおける影響を3つのボードに分類して考察してきたが、ポケットペアはsetにならなければ平均的にEQ50%程度しかないことがわかった。だたしBTNのレンジEQは上昇するボードがあるため、そのためPFにおけるこのリークをすべてのスポットにおいてエクスプロイトすることは不可能であるとわかった。しかし、このリークにフィットしたボードの出現頻度を考えると、ポケットペアをover callするのは戦略としての欠陥が存在することは明白であり、その弱点を突く戦略が容易に構築できる。
このような相手にはPFだけのリークではなく、Flop以降にもリークがある場合がほとんどである。その際のエクスプロイト戦略をぜひ考察してみていただきたい。また本記事ではSB側だけの戦略に着目したがBTNの戦略にも変化があるので、エクスプロイト戦略を構築する際にはしっかりとこれを意識して頂きたい。
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