「番外編 兵庫県知事斉藤像の修正」
下記の文は、ホームページ更新時にちょっとした話題程度に取り上げて書いたりするものの、本日分として掲載したものです。時々こうして兵庫県問題を取り上げてきています。いろんな人がいろんなふうにいろんなところで論じているので、ぼくなどの出る幕ではないのですが、擁護派にもアンチ派にも属さないところで、個人としての考えを述べているところです。こういう所はあまり問題にされていないというところで、こちらにも転載しておこうという気になりました。前の番外編2作も同じ事情です。
なおこの文は12月26日に掲載しましたが、誤って削除してしまい、今日の日付でまた掲載するものです。いろいろ慣れなくて、戸惑いながらやっています。
3月末頃からずっと兵庫県知事問題に沼っていて、昨日も老後の暇と退屈に任せて百条委員会のライブ配信を見ていました。
最近は海外ドラマも見飽きて、その代わりのように兵庫県の知事問題を追っているのですが、これがなかなかミステリードラマに取って代わるほどの面白さです。まあ、その程度の感じで見ていたということです。
この問題に最初に言及した時に、事件といっても幻想の舞台の上の事件なので、駄目というなら全体を駄目というしかないと考えました。そして駄目だというのははっきりしていて、その舞台上で少なくとも2名の死者があったからです。実際に2名の死者を出した舞台なんか駄目に決まっています。
さらに言ったことは、斉藤知事の徹底的な官僚的な体質についてだったと思います。ちょっと振り返ると、そんなことを言っていたという気がします。
ところで、今回の百条委員会を見たあとで、斉藤知事について少しの修正が必要かなと言う気になりました。
簡単にどういうことかと言うと、たとえば告発文書を最初に手にした時に、官僚のみならず県や市の職員も、あるいは一般の我々でさえ真っ先に「公益通報」が思い浮かびます。まして中央官僚出身の斉藤さんですから、それを思い浮かべないのはおかしいのです。ところが斉藤さんはほとんど瞬時に近いような形で「公益通報」に当たらないと判断しました。さすが官僚、さすが政治家と褒めてもいいのですが、今時の官僚、政治家を想像して、何の躊躇もなしにそんなことをする者がいるとは思えません。我々一般人でもそうしないと思います。告発文書の取り扱いが注意を要するものだと言うことは、誰でも知っている訳です。慎重に慎重を期すはずだと思います。一歩間違えると大事になる。中央官庁の職員なら、ぱっとそうしたことが閃いて当然です。どこの県庁職員でも、我々一般人だって、下手したらヤバいことになると即座に考えます。実際、その後の経過はご存じの通り、知事失職にまで至る大事になっています。
わたしはこれまでの全体を見て、斉藤さんを悪い人ではないと見ています。うんと悪知恵を働かせて生きているというようには見えません。逆に生真面目な人なんじゃ無いかなというように思う時もあります。
ここで少し端折って言いますと、こうしたことからわたしがどう考えたかというと、斉藤さんは官僚の資質といった面から見て、大きな欠陥を持った人じゃないかなということです。少なくとも完璧な官僚マンでは無いと言う疑念を持ちました。優秀な官僚なら、ここまで県政をこじらせるはずがないのです。政治家的に言っても、優秀な政治家ならばここまで大事になる前に身を引くとか、そういう対処をするのが普通です。ごくふつうの標準的な官僚、政治家でさえ、こんなにこじらせるようなことはしないと思います。つまりこう見てくると、よほどぼんくらでないと、事態をここまでこじらせる理由が見つからないのです。要は常識的に上手く立ち回れない官僚、政治家と言うことになります。
なんせ突っ込みどころ満載の官僚、政治家、人間なんて、優秀とはほど遠い気がします。万が一、これでたとえば公職選挙法違反などで逮捕ということにでもなると、普通はもう立ち直れないほどのダメージを被る。一応県民のためと考えてやって来た人でしょうから、そうなったらなったで可哀想な気もしますが、身から出た錆ということにもなるのでしょう。そうならないためには、今の姿勢を貫くしかない訳です。失敗すれば死に等しいダメージとなります。そこまで自分を追い込んだのは自分であって、ここに至るまでの斉藤さん自身の姿勢でしょう。抵抗勢力も何も、抵抗勢力を生みだしたのは斉藤さん自身という以外にないと言う気がします。抵抗があったとしても、いかようにもやりようがあったはずですが、見事なほどの悪手ばかり。
結論は、斉藤さんは優秀な官僚でも、優秀な政治家でも無いと言うことです。典型的な官僚とも言えないということです。さらにあえて言うならば、ポンコツの部類だということです。そのように、わたしの中で斉藤像が変わったというお話です。
蛇足ですが、斉藤さんが今回の危機を無事に乗り越えたとしても、スムーズに知事を継続していけるかどうかは疑問です。少なくとも議員の大半はあきれかえっています。職員との接し方も簡単に変わるはずがないです。いつかまた一悶着が起きると思います。そういうことにとても無知、無神経な気がします。普通に近所付き合いするならば毒にも薬にもならない、かく言うぼくもそうなんですけど、そんな人なんじゃないかなと思えます。