「てならいのうた」21日目
「老いの独語」
仕事をしないとすれば
一日をどう過ごそうか
ひと月を
そして一年を
家の中を
姥捨て山のように見なして
台所や居間や
自分の部屋を交互に徘徊し
そして疲れて横たわり
社会からは隔絶され
死ぬも生きるも自由だなんて
ほったらかしにされても
困るんだよな
やりたいことを探して
趣味を広げて
充実した老後を送れたらいいのだが
そんな気持ちになりきれない
かと言って
拳を振り上げて
討ち死に覚悟の自爆テロ
なんてごめんだ
とりあえず
暇を持て余してみるさ
寝て起きて
飯を食らって
また寝て起きて
その余は成り行き任せで
その時に思いついたことを
試行するだけさ
反復さ