また行きたい群馬県前橋市 閑散とした商店街がこれから面白くなる予感がした
こんにちは。つくののQちゃんです。神奈川県横浜市の某商店街でレンタルスペースとマルシェをやっています。
今日は群馬県前橋市を訪ねた記録の後編です。
レトロな商店街に人がいない
白井屋ホテルをでますと懐かしい商店街にでました。白井屋ホテルの前衛的なかっこよさに比べ、なんとレトロな雰囲気でしょう。
前の記事はこちら↓
幅15メートルはありそうなアーケード商店街からは立派な七夕飾りがぶら下げられています。
しかし人がいません。
入り口付近に飲食店が数件、福祉やまちづくりセンターが数件、ブックカフェも1件見つけましたが、人通りはなく閑散としています。
商店街は交差点を渡ってさらに続いていくのですが、奥はさらに寂しい。
何やらダンスミュージックが商店街中に聞こえてきます。あるお店から聞こえているようです。視線を向けると、髪の毛の長いお兄さんがセルフDIYしたらしき店内でレコードをいじりながら音楽を流しています。その音が商店街中に響いています。
人がいないのは18時半を過ぎているからかもしれません。
商店街を抜けた先に広瀬川が続いています。ここは少し良いムードです。人はいません。
翌日も商店街に来てみました。
中心部にはいくつかの商店街が交差していますが、やっぱり人がいないのです。いずれも立派なアーケードがかかっています。それが余計に虚しさを醸し出すのです。
数字で見る歩行者の激減
数字を見てみましょう。前橋中央通り商店街の1日あたりの歩行者数は1985年に1万5197人、2007年に1943人にまで減少しているそうです。
88パーセントの減少率。これは郊外店が充実したこと、駅と中心部が10分以上離れていること、マイカーの普及等が関係していると言われています。
ここで前橋の人口予測をみてみましょう。市役所の出しているデータです。現在は人口の下り坂の入り口ですね。
このグラフから市の人口が増えていた時期も街の中心部は急激に衰退していったことが見て取れます。
美意識感じる小さな個人店も点在
このままゴーストタウン化か?と思うのですが、細かくみていくと素敵な場所もたくさんありました。
商店街の真ん中に設置された広場のような空間は無料休憩所です。都会ではこういう土地の使い方は贅沢に見えます。
ここは川沿いのガレット&クレープ屋さんです。めっちゃくちゃ美味しかった。内装が可愛くて女性達が集まり混雑していました。
兄弟でやっている、いかしたTシャツ専門店。1枚買いました。
ここは商店街のスープ屋さん。おしゃれです。
商店街のコーヒー屋、LAUGHCOFFEE。
エスプレッソをいただきました。色々な人が入れ替わり立ち替わり来ては店員さんと話していきます。街の案内所のような役割を果たしているお店のようでした。
街のデザイン会社がやっている複合施設らしく、文具が置いてあったり、街の冊子が置いてあったり、コーヒーを売るだけではない特別な意図を感じる場所でした。
このように自分たちの美意識でやっている小さなお店が点在しています。
フリーペーパーから感じた真面目なまちづくり
さらにここは一般社団法人前橋デザインコミッションが運営しているシェアオフィス。
エントランスに入ると目につくのはたくさんのフリーペーパーです。
前橋新聞というローカル媒体に糸井重里やスプツニ子!など早々たる有名人のインタビュー記事が載っています。
ページを開いてみると、白井屋ホテルの開業でアートやデザインで再生しようと勢いづいている様子がわかります。また街のビジョンやデータも紹介されていて、まちづくり好きには興味深い読み物です。
なお前橋には2016年に100年先を見据えた都市のビジョンが制定されています。これがどこまで市民に知られているかは別として、専門性をもった人が関わり、行政もしかるべき予算を投じて、著名人や出身者を巻き込みながら真面目に取り組んでいる様子が伺えます。
成功した実業家が故郷に還元する流れ
さらにニュースをみていたら「手紙舎」が商店街に事務所兼店舗を作るとのこと。
手紙舎。私もインスタ、みていますよー。代表が前橋出身だそうです。
白井屋ホテルに引き続き、成功した実業家が故郷に還元して投資する流れがこの街で続いています。これはもしかしたら本当に面白くなっていくかもしれませんね。
閑散とした商店街に生まれた余白はもはや野原のような自由を感じます。なにより、何かやりたい人たちを受け入れ変化を面白がるムードができているようです。これから一体どんな変化が起こるのか、ちょくちょく訪ねてみたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?