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群馬県前橋市 アートに囲まれた白井屋ホテルは地域への心意気にあふれていた
こんにちは。つくののQちゃんです。横浜市の某商店街でレンタルスペースとマルシェをやっています。
先日、群馬県前橋市に行き、アートホテルとして話題の白井屋ホテルとその周辺の前橋中央通り商店街を訪ねました。
今回は前編として白井屋ホテルのレポートです。
では、レッツゴー。
前橋はびっくりするほど人がいない?
レンタルスペースの出店者さんに、前橋に行くんですよ、という話をしたら、びっくりするほど人がいないですよ、と言われました。百貨店の催事に行った時に通りには人が誰も歩いていなかったそうです。県庁所在地である以外に何もない場所になぜいくの?と尋ねられました。
そんな言われようの前橋でのお目当ては「白井屋ホテル」。
ある著名人のsnsを見て一見して惹きつけられ注目していたところ、安く泊まれる期間があったのですぐ決めました。
駅からホテルまでは10分くらい。前橋駅も質素な建物のみ。そこから街路樹の立派な道が伸びていますが、通りに面した証券会社や銀行には「移転しました」との張り紙。すれ違ったのは学生さんのみです。
白井屋ホテルに到着
さあ、中心部のホテルに着きました。
黒づくめの20代のスタッフさん達がお出迎え。これがエントランス。
有名な建築家が空間づくりを手掛け、内装にはたくさんのアーティストの作品が飾られています。
各部屋にもアート作品があります。泊まった部屋はこんな感じでした。
部屋を出れば、元水道管の配管を光で照らしているレアンドロ・エルリッヒの作品が吹き抜けの空間にリズムを与えています。安東陽子の銀色のニット作品が天井からぶら下げられ、柔らかさを出しています。
って、作家の名前は後から調べただけです。作家の名前なんて知らなくても気持ちよく感性を刺激されます。写真に収めても決まる場所ばかりです。
まだまだたくさんの現代アートの作品が空間を飾っています。
下のホテルのダイニングには鉢植えがたくさんあり緑がいっぱいです。ここで寛いでいるとなんだか、気分はニューヨーカー。(注イメージです)
アートの中で食べアートの中で眠る
ともかくチャーミングな場所です。
スタッフによるアートツアーもよかったし、黒づくめの若いスタッフ達も程よい距離感で良い印象です。
なんとなくアートっぽい、という空間は多いですが、ここは違います。
アートの中で食べアートの中で寝ます。作品がこれだけ近い所にある緊張感が気持ちいいです。
白井屋ホテルは昔は由緒ある旅館だったそうです。その後ホテルになりやがて閉館。廃墟になっていたそうです。
地元の人も怖がるような場所を、前橋出身の実業家、眼鏡のJINSの田中仁さんの財団が買い取って、2014年くらいから案を練り、新しいアートホテルになったそうです。
地域への心意気が随所に感じられる
地域への心意気は随所に感じられます。
全て群馬由来の食材の朝食。味噌汁は郷土料理のこしね汁。(こんにゃく、しいたけ、ねぎ、の頭文字)。おいしかった〜。和食だけじゃなくて洋食もありますよ。
さらに、旧白井屋旅館の看板や写真がディスプレイとして粋に残されています。歴史の継承や地域再生への思いが随所に感じられました。
部屋に飾ってあった色とりどりのボードは元旅館の女将さんが描いていた絵に塗料を上塗りしたものだとか。嘘か誠か、わからない。
また、ホテルには、サウナ、ベーカリー、パティスリーとブルーボトルコーヒーまであります。こんもりした緑の山がホテルで、下にベーカリー、パティスリー、コーヒー屋があります。これらは街を通る通行人も利用できホテルだけで閉じていません。こういう発想もカッコいいです。
全体として、実績を積んだ大人達が本気でアイデアを出し、本気で遊び、本気で地域のことを考えて作った、プレゼントのようなホテルです。
非常にチャーミングだと感じました。アートマニアでなくても面白い体験ができます。都市部にあるごく小さなホテルですが、そこでの体験は特別なものとして記憶に刻まれます。
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さて、次はホテルに荷物を置いて街に出ましょう!商店街に行きますよ。
後編に続きます。