楽しかったの言語化です、ご査収くださインザスカイ
あぁ、この人は全部自分でやらないと気が済まないタイプの人かもしれない。だから、どことなく親近感を覚えるんだ。
8月17日、眠らない街『新宿』の路上。
サウナのように熱波を帯びたライブハウスを後にして、火照る身体とショート寸前の頭を冷やす。少しずつ楽しかった時間を少しずつ噛み砕きながら、ふとそんなことを思った。
8月17日。
アイドルグループ SW!CHのメンバー、HARUKAさんの生誕祭がSHINJUKU MARZにて開催されました。
生誕祭の名前は、『ちろフェス』。HARUKAさんの愛称である『はるちろ』の名の一部を冠した、フェス形式の生誕祭です。
このちろフェスは去年も同様に開催されたのですが、筆者は不運にも仕事と重なり、参加することが出来ませんでした。だからこそ今年の開催を心待ちにしていたのですが、それと同時に『楽しみ』とは少し異なる感情を抱いておりまして。
なんでフェスなのだろう、と。
開催前、ちろフェスに触れる前の正直な気持ちで。これは決してフェスという形態に疑問を呈すものではなく、ただ単純に不思議だったのです。
私の中で、アイドルの生誕祭=『主役として祝われるもの』というイメージが非常に強くて。そして、その感覚を主役のアイドルさんが抱くことは、至極真っ当なことだとも思っています。
話の便宜上、アイドルという職業を舞台上で輝く仕事と定義します。その場合、生誕祭は『誰よりもスポットが当たり、誰よりも注目され、誰よりも輝く』日なのだと私は思っています。
その観点からすると、『フェス』という一つの解は自分のイメージとズレがあるのです。ただ、そのズレは決して気持ちの悪いものではなく、『はるちろ』というキャラクターを通して見た時に何となく合点がいく気はしていました。でも、その『何となく』の正体が去年は分からずじまいで。やはり、経験は何事にも勝る。その『何となく』が新しい発見になるかもしれない、だから私は今年のちろフェスを心待ちにしていたのです。
そんなこんなで、迎えた当日。
会場のライブハウス、SHINJUKU MARZには開場前から多くの人が詰めかけていました。
事前情報では満員御礼、当日券は当日の状況次第、と聞いていたのですが、それも納得の群衆です。
集まった各々がタイムテーブルを彩る演者への想いを口にしていて。そこに熱気が生まれ、非日常の空間が少しずつ生まれ始まる。フェスだ。まさしく、フェスだ。否が応にも、胸が高鳴ります。
開場。
今回、昨年行けなかった分の運気が上乗せされたのか、幸運にも整理番号一桁だったので下手三列目に向かいました。
え?その整番でなんで三列目かって?
いやはや、流石にね。最前ははるちろ推し、もしくはトッパーのDJるのちー推しの方に譲ろうという私の謙虚な心掛けですよ(開場前にテンション上がり過ぎてチケットサイトのログインに手間取り、結局20番くらいで入ったことを知っている知り合いのヲタさんは黙っててくださいね)
会場はというと、続々と観客が入場していきます。
すぐにスペースが埋まり始めるので、邪魔にならないよう、急ぎ物販で購入した生誕Tシャツに着替えます。普段あんまり着ることがないタイダイカラー、事前にコーディネートとか考えるも結局はるちろらしさってなんだろうとなりまして。やっぱり、自分の中ではクラッシュデニムにTシャツをタックインというイメージが強くて、クラッシュはしてないデニムに生誕Tと、そのままのはるちロックスタイルにしました。
そんなはるちロックスタイルで開演を今か今かと待っていると、ふいに歓声が上がります。ステージを観ると、どこか小動物チックな動きで舞台中央にあがるDJの姿が。トッパーであるDJるのちーさんの登壇で、ついに『ちろフェス』が幕を開けました。
DJるのちーさんも、フロア側の高まりを知ってか知らずか、マイペースに準備を進めていきます。不安とも、緊張ともとれる絶妙な面持ちのまま、DJがスタート。
想像以上に、という言葉は少しばかり失礼かもしれませんが、後半になるに連れて繋ぎもスムーズで。
個人的にはこの日ために少し予習しておいた『あんちろちー』が聴けたことも良かったのですが、やはり、熱波 ⇒ ヒマワリと星屑の流れがめっちゃ良かったです。
私的なことになりますが、直近、fishbowlさんのワンマンライブを観てきたばかりのまさに熱の波が残っている状態だったので、まさかあの場で熱波を聴けるとはつゆ知らず。ジャンプ&ハンズアップして、その場を楽しみました。
そしてそこからの、東京女子流さんのヒマワリと星屑です。こちらもグループのお名前は昔から存じ上げていたのですが、最近、たまたま大型フェスで聴く機会があり、その時にたまたま聴いてドはまりしたのがこの曲でした。そんな好物からの好物は個人的ナイスDJだったのと、はるちろもこの流れはテンション上がってるだろうなぁと。
というのも、fishbowlさん然り、東京女子流さん然り、はるちろが好きなことをご本人から直接ないしは間接的に聞いておりまして。舞台袖でノリノリになっているはるちろが容易に浮かびます。
そんなテンションぶちあがりのDJから、続いてはるちろ with FRIENDS。実を言うと、この辺りのパート、楽しさ爆発しててあんまり記憶に残ってないんですよね。いや、冒頭だろ、というツッコミは甘んじて受け入れます。インザスカイとかはるちROCK!とかやっと聴きなじんできた曲は何となく動き方も想定出来たので、その場のノリに身を任せました。朱に交わればなんとやら。
加えてこのパートに限らずFinger Runsさんとかコラボレーションコーナーとか、メインステージであるSW!CHですら(※メインと表記しているのはライブ時間的な話です)、私にしては珍しく記憶が断片的なんですよね。
ところどころ、記憶の欠片はあります。ザ☆ピースのふゆまゆ(補足:SW!CHのFUYUKAさんおよびMAYUNAさんのコンビのことを指し、二人とも出所がハロ系なのでとても楽しそうに踊っているのが印象的でした)可愛いとか、根も葉もRumorやっぱり凄いハードだよなぁ、とか。でも、そういう頭の中の記憶装置が普段なら働くはずのところ、あの日はその電源をスイッチオフしておりました。代わりに、バカになろうと。それがTPOだな、と。
今なお、その参加の仕方があの日の正解だったかは分かりません。SW!CHの楽曲である『S.W.!.C.H』でまさかのサークルが起こり、そこに混じるのなんてこの日が最初で最後かもしれません。事前に言っておきますが、これは決して、アイドルのライブにおけるサークルという文化を否定するものではありません。私の中の現時点での『S.W.!.C.H』という楽曲に対する解釈の中に、サークルという選択肢は無い、というだけです。そんな私が、狂ったように肩組んでグルグルしてました。エスダボーアイシーエイチッ!とサークルを囲む面々と、とっても楽しく叫んでいました。あの日、あの時、はるちろを中心とした演者達が作り上げた空間は、そういう空間だったのです。
まんまと、バカになりました。久しぶりに、バカになりました。楽しかったです。
うん、ここまで書いて思いました。演者一人一人やパフォーマンス一つ一つを振り返ろうと思ったのですが、想像以上に記憶が曖昧なのでやめます。感覚的な、私自身が受け取った何かの話に戻します。
あの日を『楽しかった!』の一言でくくることが最適解になる、その根源は何だろうと。これについては、自分の中で解が一つありまして。
どこにいても、どのタイムテーブルでも、絶対、どこかにはるちろを感じるんです。物理的にはるちろがずっと出ずっぱりだったことも大きいと思いますが、私が伝えたい部分はそこではありません。
グデイさんを例にしましょう。恥ずかしながら初見で、当日、はるちろヲタに教えてもらうまでグディ(※某サッカー選手と同じ響き)だと思っていました。
聴いて、観て、凄く良いユニットさんだなと思いました。
凄く良い楽曲だなと思いました。
そして、どこか『はるちろが好きっぽい』感じがするな、とも思いました。90年代~00年代のアイドルソング,ポップス,ジャパニーズロックそういう類のどこか懐かしい香りが楽曲からするんです。私も、大好物です。その『同士感』というか『親近感』、もしかしたらこちらの一方的な想いかもしれませんが、そういう部分に楽しさを感じずにはいられませんでした。あんせむ、初めて聴いた曲であそこまでグッときたの久しぶりでした。良かったぜ、あんせむ。
つまるところ、ちろフェスとは、何か。
in the sky is……
それははるちろの『好き』が至るところに散りばめられているフェス。
それがちろフェスなのかな、と。同窓会という言葉を本人は使っておりましたが、凄く分かりやすい表現だと思います。これまで培ってきた『人脈』という言葉では絶対に表したくない、もっと温かくて人間くさい、はるちろの『好き』を繋げたステージだったんだなと。
しかも、その『好き』を一方的に伝えたり押し付けたりするのではなくて、自分の『好き』がみんなの『楽しい』に変わるための準備や努力を一切惜しまない、そこが彼女の凄さだと思います。具体的には演者の紹介の仕方だったり、Tシャツを2枚デザインしたり、自分が舞台に出っぱなしだったり、挙げはじめたらキリ無いですが、それこそ彼女のエンタメの根源なのかも、と思いました。
エンタメって、凄い曖昧な言葉です。
一つのことを一心不乱に磨き上げて積み上げていく、その凄さをエンタメとして昇華させるやり方があります。
でも、どちらかというと。
一つの目的に対してやれることを多方面から塗り重ねていく。出来上がったものは、はるちろ色に染まった楽しいの集大成が出来上がる。そのために、色んな経験をする。そんなエンタメの作り方もあるし、それがはるちろらしいエンタメなのかなって。
プロフェッショナルというか、ある意味、史上最強の強欲というか。まぁ、そういうところが好きなのですけども。
少し、思考や考察というより、妄想に語りを寄せ過ぎました。すみません。
とかく、そんなはるちろにとってのエンタメの集大成に触れた良いフェスでしたし、彼女にとってやり切ったと言える夜、興奮とみんなの言語化された『楽しい』を感じたくてそのまま夜を明かしてしまう姿に、思わず可愛いなぁクソ!!と思ったみなかたなのでした。