1ヶ月の転校生。あと26日

水曜日

まぁまぁな晴れ

〇  :  あつ〜い〜...

珠  :  昨日も言ってたねそれ

〇  :  だって暑いんだもん

珠  :  ...ねぇ？

〇  :  なに？

珠  :  暑いなら海行かない？

〇  :  は？！

学校終わり、電車に揺られ近くの海へ

珠  :  涼しい〜

〇  :  でももう少し暗いね

波打ち際を歩きながら話す

〇  :  来たばっかだけどもうそろ帰らないとね

珠  :  え〜もうちょっといようよ〜

〇  :  でも遅くなっちゃうよ？

珠  :  んーじゃあ思い出に写真撮って

〇  :  まぁそれならいっか

海をバックに二人で自撮り

〇  :  はい撮るよ〜

珠  :  ...なんか恋人みたいだね

〇  :  ブフッ！

シャッターボタンを押そうとする瞬間に笑って指が滑ってしまう

〇  :  な、なにいってるの///

珠  :  こういうのに憧れてたから///

夕焼けの赤さと共に照らされる二人の顔

〇  :  もう辺なこと言わないで！///

珠  :  ごめんごめん///

〇  :  はいもう撮るからね

二人でパシャリ

〇  :  はいおっけ〜

珠  :  ありがと。わがまま聞いてくれて

〇  :  んまぁ今に始まったことではないからね笑

珠  :  それもそっか笑

撮った写真を眺めて楽しそうにしている珠美を撮る

パシャ

〇  :  よし

珠  :  えっもしかして今撮った？

〇  :  撮ってないよ

珠  :  いや撮ったよね？

〇  :  撮ってないよ

珠  :  いや今完全に撮りましたよね？

〇  :  撮ってないですね

珠  :  写真フォルダ見せてもらっても？

〇  :  ...さっもう帰ろっか

珠  :  あっこら逃げるな〜！

海辺を走る二人の高校生

はたから見たら青春の1ページ

帰りの電車

〇  :  なんか疲れたな

珠  :  走るからでしょ

〇  :  阪口さんが追いかけるからだよ

珠  :  〇〇くんが逃げるからでしょ！

〇  :  追いかけるから！

珠  :  逃げるから！

喧嘩するほど仲がいいとはこのこと

ガチ喧嘩ではなくてただのもちゃつきあい

〇  :  はぁ、阪口さんの相手は疲れるなぁ

珠  :  こっちの台詞だから！

珠  :  プンッ！

顔を逸らして拗ねてしまった珠美

〇  :  あーごめん。俺が悪かったって

珠  :  もう許さないから！

少し怒りめな珠美

15分後

なにも話さずぼーっとしている二人

すると

〇  :  ...ｺﾃﾝ

珠  :  えっ

気づいたら寝てしまっていた〇〇

首が倒れて珠美の肩へ

珠  :  ま、〇〇くん...///

〇  :  zzz

珠美の感情とは裏腹になにも聞こえてない〇〇

〇  :  zzz

珠  :  ...可愛い

珠  :  ...許してやるか

素の可愛いさで許してもらった〇〇

最寄りに着いて電車を降りたときの珠美は怒りの感情などなく

むしろもっと一つの感情が強くなっていた

続く